英国王のスピーチのレビュー・感想・評価
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あなたは大勢の人前でスピーチした経験はあるだろうか?
あなたは人前でスピーチをした経験はあるだろうか?
数百人のお歴々を大広間に集めスポットライトを浴びて壇上に立つとき、どれだけ足が震えるものか、緊張で手が震えるものか
最初の第一声を放つときの不安
たかが数百人のことでこれだ
英連邦数億の国民全てに生放送でスピーチをする
しかもその話す内容は国家国民の運命、文字通りの生死を左右するものだ
想像を絶する
考えるだけでも空恐ろしいことだ
これをただその王族に生まれたからという理由でこなさなければならないのだ
本人が望んでいなく、その立場になることはないと思っていたにも関わらず容赦なく強制させられるのだ
しかもそのスピーチの結果に無限の責任を持たされるのだ
並みの人間にできることでは到底ない
あなたにそれができるだろうか?
人の上に立つ者は優れたコミュニケーターでなければならない
集団を一つにまとめ、前を向かせ、一つの方向に向かわせる
人を納得させる理屈や理論も必要だ
原稿の構成、言葉づかい、単語の選び方も大事だ
しかしもっと大事なのはそれを伝える話し方、声のトーン、そういったところに話者の人格が声に乗るということなのだ
その声が聴衆の耳ではなく、頭でもなく、胸と腹に響いているかなのだ
決して流暢である必要はないのだ
吃りを克服する物語というのはテーマではない
本作の本当に伝えたいテーマはそこなのだ
国王がマイクに向かって、ゆっくりと緊張しながら話始める
原稿をたどたどしく読み進む内に、その原稿に書かれてある文言の言葉が自己の意思と共振し始め、力を持ち始め、人格をまといだす
そして滑らかに走り出す
その声は自信に満ちた英連邦数億の民を率いる国王の声そのものだ
このシーンの演技は見事なものだ
アカデミー賞の作品賞や各部門賞を獲得したのも当然だ
21世紀は国民が分断された時代となった
今こそ言葉の持つ力が求められている
人の上に立つ人間には優れたコミュニケーターでなければならないのだ
面白みは欠ける
プレッシャーへの挑戦
この役にはコリンファースしかいない
ひわいな言葉
1925年、ヨーク公殿下(ファース)が世界博覧会閉幕の辞を述べる・・・ことで幕が開けた本作。なんとこの時代、イギリスは世界人口の4分の1を統治していたのだ。
ライオネル(ラッシュ)のもとを訪れたのは1934年。王族を前にして何も遠慮をしないライオネルに怒り立ち去ったヨーク公だったが、録音したレコード盤を聞き、あらためて彼のもとを訪ねた。アルバートの愛称バーティと呼んだことなど・・・
治療が進む中、父ジョージ5世が息をひきとり、バーティの兄エドワード8世(ガイ・ピアース)が即位する。しかし、彼の愛人であった平民の女性と結婚したいと言い出した。英国国教会の規定として、離婚歴のある女性とは結婚できない。やがて結婚を選んだエドワードは自ら王位を返上し、バーティがそのまま王位継承する。
歌を歌わせたり、卑猥な言葉を連発させたり、時として怒らせることでどもりはなくなる。戴冠式を無事に済ませたが、やがて第二次大戦間近の9分近くのスピーチが待っていた。特にナチスとの対戦は避けられそうもなく、国民の奮起を促すための重要なスピーチ。その本番直前の練習風景が、その3種類の特効薬を織り交ぜた見事な出来栄え。ライオネルが医師の資格を持たなかったことなど霞んでしまうくらいだ。なぜかこのことは軽く流されていた・・・
英国王の気品と尊厳。迫りくる戦争の危機とか国民を愛することがあまり伝わってこず、その体面を保つことだけに終始することにつまらなさを感じてしまう。イギリス映画なので、そういった皮肉は一切こめられず、ファックを連発することくらいでしか人間性を表現していない。まぁ、アカデミーが好みそうな映画だな~
ジェフリーラッシュと英国王が好きになる。
コリンファースの演技が光る
象徴
歴史ドラマとしてのクオリティーの高さ、海を挟んで脅威が増長していく中での英国内の緊張の高まりを断片的に詰めながら、彼の肩にかかる責任の重みを見事に描いている。王室と政治や宗教との関わりや平民との関係なども細かく触れてくる。この後にダンケルクに流れる訳であるが、国の存亡を誰も保障しない焦燥感が具体的なセリフではなく空気で伝わってくる。
話の軸にある人間ドラマも興味深く、ジョージ6世の苦悩と努力、完全に克服できているわけではないあたりも描き方が素晴らしい。決して完璧な人ではない。実存的な人間として、敬意を持って描かれる。全て、2人の名演のなせるもの。
バランスという意味でここまで完成されたものは少ないだろう。そろそろ昭和天皇が描かれるかな。
歴史ドラマではなく人間ドラマ
単純な構成にこそ、
コリン・ファースの名演に涙
『ブラック・スワン』や『インセプション』『ザ・ファイター』『トイストーリー3』『灼熱の魂』などの傑作が数多く出揃った2011年アカデミー賞で作品賞を含む4部門でオスカーを獲得した、傑作ヒューマンドラマである。
コリン・ファースとジェフリー・ラッシュの演技の鬩ぎ合いは言うまでもなく素晴らしい。この映画が泣けるのは、単にサクセスストーリーだからではなく、コリン・ファースの演技によるところが大きい。生まれながらに自らに重くのしかかっていた英国王の息子という圧力、そのストレスによる吃音症、彼は「英国史上最も内気な王」であったが、ライオネルとの訓練によって素晴らしい戦争スピーチを行えるようになった。スピーチを終えた彼の表情にあるのは、喜びや安堵だけではなく、ライオネルとの絆によってもたらされた、英国王たる強かかつ優しい自信と威厳である。
日本人メイクアップアーティストがオスカーを獲得した事で有名になった『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』に登場する王こそ彼である。『ダンケルク』と併せて鑑賞して見てはいかがだろうか。
ほのぼのした安定感ある感動を味わえる映画
極度の吃音症であったジョージ6世は、王位を望んでいなかったが、兄の退位により思いがけず王位に就くこととなってしまう。
国王は、第二次世界大戦という激動の時代の中、ファシズムに対抗する象徴的存在として国民の前でスピーチをこなすには、吃音症をいかに克服するかが至上命題。型破りな言語療法士ライオネル・ローグの指導に国王は戸惑いを隠せないが、次第に国王の心を開き、ふたりの関係はファーストネームで呼び合う友情へと進化してゆく。
抑制的でありながら、患者に寄り添う愛情と、国王に対する敬愛の情をさりげなく滲ませるジェフリー・ラッシュの好演が光る。歴史モノにありがちな威圧的な感じも、重たい雰囲気もなく、ほのぼのしたムードの中に感動を味わえる作品。
吃音症の王
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