英国王のスピーチのレビュー・感想・評価
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言葉の重み
日本の政治家などを見ていると、政治とは言葉で煙に巻くものかと思ってしまうことがある。いい加減な答弁で時間を浪費し、屁理屈じみた言葉の定義で本来の言葉の意味をも歪ませてしまったり、総じて言葉の軽さがめにつく。しかし、本作や『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』などを観ると、政治において言葉とはなにより大事なものだと実感させられる。言葉によって社会を動かすのが政治であり、それをするには修練と試行錯誤が欠かせない。
本作は英国王ジョージ6世の歴史的スピーチの裏側に焦点を当てる。ジョー・ライト監督の『ウィンストン・チャーチル』にも登場する人物だ。チャーチルも見事な演説で英国民を戦争の危機に向き合わせたが、このジョージ6世のスピーチもまた多くの英国民を鼓舞した。
史実とは異なる点ももちろん散見されるが、言葉の重みを描いた秀作だ。
吃音に向き合い努力したことが彼の人間の幅を広げた
王というスピーチが主要な仕事になる立場において吃音を抱え、それでも王の立場から逃げられないヨーク公の苦悩は大きかっただろう。しかし吃音に向き合い努力して克服した経験は、ヨーク公の人間の幅を広げ、彼の人生をより豊かにしたように思えた。また、ヨーク公が吃音になった背景をしっかり説明していたのも、ストーリーに深みをもたらしていて良かった。
王の立場から逃げられない状況と、言語聴覚士の激励でヨーク公に自信と覚悟は備わったことだろう。しかし、スピーチを苦手とし沈黙する場面も多かった序盤と、それを克服し多少流暢に話せるようになった最後とで、ヨーク公の中で具体的に何がどのように変化したのか分かりづらく、感動が薄かった。怒りの感情を示したときだけは流暢に話せ、それをトレーニングにも取り入れているのは分かる。しかしスピーチで怒鳴ることは無い訳で、克服の要因は別にある。そこをもう少し具体的に描いて欲しかった。
友情が確固となる瞬間
戦争が始まるスピーチがクライマックスになるとは思っていなかったのでこれが史実だというのが驚き。
ジョージ6世が果たさなければならない宿命に同情しつつも、立場の違う人との関係性を対等に築き上げるドラマチックな展開に胸が熱くなりました。
治療を受けている少年が同じ吃音性だからこそ彼の前に現れた時は可愛らしく思えた。
英国は期待する、各員がその義務を果たすことを
【英国は期待する、各員がその義務を果たすことを】
ドイツ軍のポーランド侵攻に伴いイギリスは宣戦布告。
ジョージ6世は家族への葛藤や自己不信をかなぐり捨てて即位、
言語療法士ライオネルも、先の大戦への思いを殺して"生徒"のレッスン、
彼の息子は徴兵され戦地に赴く。
逃れられない強大な危機に面し、己が役目を粛々と果たすべく、一歩を踏み出す人々の覚悟。
はたから見れば小さな行動だが、彼らの胸中で下された力強い決心を感じ、震えた。
そこには正義も悪も無い。
大切なシーンで、なんで敵国の音楽(ベートーヴェンの7番交響曲)を流したのか?製作者側の意図を汲み取れなかったので、私は0.5マイナス。
美術の美しさは目を見張るあざやかさ。ヘレナ=ボナム=カーターの表情豊かな演技は、とても魅力的でうっとりする。下まぶたとえくぼがCharming♪こういう技はバートン映画では見られない(だいたいいつも目の周り真っ黒にされてるから 笑)。そしてチャーチル似すぎ!あの俳優さんよく見つけて来たなぁ。
遅れてでもこの作品に出会えてよかった。
お正月映画に選んで大正解でした。
家族と泣きながら観た。最近殺伐としたニュースや事故、災害が多いので、自分の難所を克服して国民へ勇気を与える物語に感動しました。言語療法士との友情もすごくよかった。吹き替えで見たので今度は字幕で俳優さんたちの声を聞いて見たいです。遅れてでもこの作品に出会えてよかった。
王道かな
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主人公は英国王の息子で、吃音に悩み人前でスピーチが出来なかった。
色々な病院に行くが全然治らず、ある先生のもとへ。
その先生はそれが筋肉の動作等の肉体的要因によるものではなく、
精神的なものである事を言い当てた。実際にそうだった。
そして二人三脚で治療を進めて行き、少しずつ改善して行く。
やがて国王が死に、兄が戴冠を拒否したため主人公が後を継ぐ。
そして国民の前での初のスピーチを先生に段取ってもらう。
先生がいる事で心にゆとりを持てたおかげでスピーチは成功。
しかし実は先生は無免許医だった。
戦争で病んだ人々を治すうちに本当の医者以上の物を身につけたのだった。
そういう過去を知った主人公は寛大にも彼を受け入れた。
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最初からずっと国王一族のプライドの高さばかりが目立つ。
主人公もその一人ながら粘り強く、国王たる人物だったと思う。
医者との信頼関係もそういう中で生まれたのだった。
あいかわらずヨーロッパの歴史物は退屈なのであるが、
まあ見所はあったのではないでしょうか。
主人公の嫁はかとうかずこにしか見えなかったけど(場)
イギリス国王の思いが吃音克服に。
以前、観た事がある作品でその時は国王の吃音しか印象に残らなかった。
今回、CSで視聴したが改めてじっくり観ると当時の時代背景もあったのか、国王がイギリス国民のために吃音を克服し、一致団結して国難に取り組んでほしい。この思いが強かったのではないか。色々と考えさせられた。
おすすめしたい。
よくある英国王室ものの、どうせ恋愛などの退屈な映画だろうと
時間つぶしに見始めたのだが、吃音障害で苦しむ様子で始まり、
意表を突かれた。
その主人公は権威に胡坐をかく不遜な人物ではなく、プレッシャー
に喘ぎコンプレックスを持った悩める者だった。
まだ王ではない彼の唯一の公務は、王族としてのスピーチだが、
喋ろうとすればする程どもってしまい、周りを落胆させてしまう。
劣等感と責任感により、吃音を直そうとするところから物語が始まる。
映画のクライマックスには題にもなっている有名な演説で終わる。
そのころには充分感情移入していたので、祈るように演説を聞き、
当時のイギリス国民と同様に感動してしまった。
ハリーポッターファンはエリザベス役のヘレナ・ボナム・カーターに
ベラトリックスの悪役のイメージが強いかもしれないが、
ここでのエリザベスは正反対なので、先入観なく見てほしい。
お勧めの映画である。
英国王のスピーチセラピー
GAGAアカデミー賞受賞作品特集上映にて
たしかおウチ時間にレンタルした記憶があるけどせっかくの映画館で上映なので、すかさず鑑賞
昔から配偶者選択で揉めてる模様の英王室
言語療法ってこんな時代から有ったんだ
一風変わった吃音のスピーチセラピーでジョージ6世の人となりが垣間見える
ローグ演じるジェフリー・ラッシュが意外とハマっていた
以前、天才はなぜ男に多いか?という本を読んだことがあって自閉症、吃音、左利きについても触れられていた(たしかテストステロン起因説)のでとても興味深く見た 過剰に努力する性質ゆえなのか、偉人に多い吃音、背負っているものが大きい証なのかも ラストのスピーチでは負けるなと応援したくなった、昭和天皇の終戦のスピーチを思い出す ヒットラーは対照的に雄弁だったというのはなんか皮肉。
ほぼ実話
王が吃音症は辛かっただろうなぁ
最後のスピーチ感動した。
終戦のラジオは聞いたことあるけど戦争が始まる時のスピーチやラジオは初めて聞いたかも。
そういうところも描かれていてよかった。
ヘレナ・ボナム・カーター綺麗な奥さんだった。
ジェフリーラッシュの度胸凄い。
コリン・ファースの縁起が凄い。
ヒトラーの演説凄すぎる。
スピーチの極意
吃音症に悩む英国王が、言語聴覚士の特別な治療を受けることによって、そのコンプレックスを徐々に克服し、国民に愛される国王に成長していくというストーリーです。
会社で内勤になってから、3ヶ月に1回スピーチをする機会があり、このタイトルの"スピーチ”という言葉に関心が高まり、劇場に足を運びました。
スピーチで大事なのは、よく通る声で話すこと、気持ちを込めて言葉を発することだと実感していますが、言語聴覚士の治療法の中で、大音量の音楽が流れるヘッドホンをつけさせて芝居のセリフを朗読させたり、怒りの時に発せられる言葉の勢いをスピーチに利用したりするシーンがあり、なるほどと思いました。
自分のことを相手にわかってもらう表現方法はいろいろありますが、誰でもできるものとしてはおそらくスピーチに勝るものはありません。
そのスピーチを通じて、自分の話している内容は果たして相手にどれだけ伝わっているのか、どうすればもっとよくなるのか、この映画を見た後、考え直しています。
結構泣けた
話題作なので知ってはいたがやっと観れた。想像以上に感動しました。
くだんのスピーチのあとエリザベス女王が王を褒め、王が「うれしいね」と言うのですが、日本語のままに「うれしいね」と聴こえます。空耳というか。
こういうの気づくとテンション上がる。
ジョージ6世が、段々堂々としていく様も良い。
見事な演技
ジョージ6世の吃音症を治すために、医者と名乗るローグとの掛け合いをコミカルでに威厳をもって、癇癪持ちの国王を見事に演じ切った。
とてもとても自然な演技で国王の苦悩が、コリンファースの演技で伝わり涙する。
英国てコリンファース以外に誰がこの役を演じられるだろう、品性もあり的を得た役。
芸達者のジェフリーとコリンファースの息がぴったりあい
沢山のシーンを思い出す。ウェストミンスター寺院の玉座でのやり取りは最高。
最後のスピーチ、ここまでの演技を演じた俳優は今まで見た事がない程に感動的、コリンファース、コリンファース長く長く活躍して欲しい。
三度目の鑑賞。
放送禁止的な言葉を連発しながら吃音という欠点克服に努力する王の姿に親近感と共感を覚えさせて見事
トム・フーパー監督(レ・ミゼラブル(2012)等)による2010年製作のイギリス・オーストラリア合作映画。原題:The King's Speech、配給:ギャガ
エリザベス女王の崩御により、英王室への関心が高まり彼女のお父さんジョージ6世の映画を視聴。全体的に、とても丁寧に作られた良い映画との印象。
脚本のデビッド・サイドラー自身が吃音で苦しんだらしいこともあってか、国王ジョージ6世の吃音とそれを克服させたオーストラリア出身の言語療法士ライオネル・ローグの反発〜友情を形成していく物語の組み立てがとても綿密。また、残念ながらアカデミー賞は取れなかった様だが、妻を演じたヘレナ・ボナム・カーターの協力ぶりも感動させられた
吃音克服したジョージ6世のラストのスピーチのトーンがなかなか感動的に感じた。ただ、英語発音のニュアンスがきちんと分からず、そのゆっくりとしたスピーチがどれだけ心を打つものかが十分に自分には分からないのがとっても残念。
スピーチがどうだった?と問う父親に、「最初は危なかったけど、持ち直したわ」と冷静に答える長女マーガレッットの姿が、何とも利発で可愛らしかった。
兄のエドワード8世も吃音を囃して意地悪だが、その妻となるシンプトン夫人の描写のされ方が英国人的というか、かなり悪意は有りそう。とは言え、イヴ・ベスト演ずるシンプトン夫人は本人写真に良く類似し容姿に魅力が乏しく、現国王と同様、英国王家は美人が嫌いな家系なのかなとも思ってしまった。
「最初は危なかったけど、持ち直したわ」
どこかの国とは異なり、決して神格化せず、放送禁止的な言葉もを連発しながら欠点克服に努力する王の姿を描いて、王室に親近感を覚えさせてしまう英国映画界の姿勢に、羨ましさも感じた。
製作イアン・カニング 、エミール・シャーマン、 ギャレス・アンウィン、製作総指揮ジェフリー・ラッシュ、ティム・スミス、ポール・ブレット 、マーク・フォリーニョ 、ハーベイ・ワインスタイン 、ボブ・ワインスタイン、脚本デビッド・サイドラー、撮影ダニー・コーエン、美術イブ・スチュワート、衣装ジェニー・ビーバン、編集タリク・アンウォー、音楽
アレクサンドル・デスプラ。
出演コリン・ファース(ジョージ6世)、ジェフリー・ラッシュ(ライオネル・ローグ、ミュンヘン等)、ヘレナ・ボナム・カーター(エリザベス、アリス・イン・ワンダーランド等)、ガイ・ピアース(エドワード8世)、デレク・ジャコビ(大司教コスモ・ラング)、マイケル・ガンボン(ジョージ5世)、ティモシー・スポール(ウィンストン・チャーチル)、ジェニファー・イーリー(ローグ夫人)、イヴ・ベスト(ウォリス・シンプソン )。
おとなしい作品だが存在感あり
映画の題材としては地味に感じていたが、気が付いたらみんなと一緒に国王を応援していた。
ラストのスピーチシーンは、アクション映画さながらにハラハラドキドキ、手に汗握るって感じだった。
国王の気品の高さと人間らしさが、うまく描かれていたと思う。
さすがはアカデミー賞4部門受賞作品だ。
音楽は国境を越える?
最後の戦争のスピーチは感動的なものだった。ベートーベンが流れていたのが、印象的だった。ベートーベンは言わずと知れたドイツの作曲家。あえて選んだのだろうか。
友情の物語。良作。
王様の名前はとても長い
コリン・ファースの演技がとにかくすごい。威厳ありながらも、一人の人間としての弱さも出ている。苦労しながら言葉を発しようとするところなんか、応援したくなった。
国王として求められるものは、とても重い。それに応えようと、必死に努力する姿に涙を誘われる。もー兄貴がしっかりしてくれてれば、こんな苦労しなくて済んだのにねぇ。しかし、時代が変わっても、イギリス王室はいろいろあるなぁ。
この日は英国推しだったBSプレミアムの放送にて。
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