英国王のスピーチのレビュー・感想・評価
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言葉の重み
日本の政治家などを見ていると、政治とは言葉で煙に巻くものかと思ってしまうことがある。いい加減な答弁で時間を浪費し、屁理屈じみた言葉の定義で本来の言葉の意味をも歪ませてしまったり、総じて言葉の軽さがめにつく。しかし、本作や『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』などを観ると、政治において言葉とはなにより大事なものだと実感させられる。言葉によって社会を動かすのが政治であり、それをするには修練と試行錯誤が欠かせない。
本作は英国王ジョージ6世の歴史的スピーチの裏側に焦点を当てる。ジョー・ライト監督の『ウィンストン・チャーチル』にも登場する人物だ。チャーチルも見事な演説で英国民を戦争の危機に向き合わせたが、このジョージ6世のスピーチもまた多くの英国民を鼓舞した。
史実とは異なる点ももちろん散見されるが、言葉の重みを描いた秀作だ。
すべてを忘れて、私に話して
過去に、レンタルで観ました💿
コリン・ファース演じるジョージ6世とジェフリー・ラッシュ演じるライオネルの掛け合いが良いですね😀
ライオネルは国王の吃音が心理的なものからきているのに気づき、そこからアプローチしていく。
その過程で、2人は徐々に信頼関係を築きますが、ライオネルにも秘密があったり🤔
内気な国王を繊細に、かつ人間味のある演技で表現したコリン・ファースは流石でした🙂
ジェフリー・ラッシュも、一風変わった言語療法士を巧みに演じます🙂
エリザベス妃にはヘレナ・ボナム=カーター、エドワード8世にはガイ・ピアースと、脇を固める俳優陣もなかなか豪華👍
アカデミー賞4冠は伊達ではない、見ごたえのある一本でした🫡
面白かった
スピーチの度にこっちまで力が入る
期待せずに観た映画だったけど、とてもよかった。バーティがレコードに録音された自分の声を聴くシーンにはゾクゾクさせられるし、マイクの前で話す時は、こっちまで緊張して身構えてしまう。吃らないよう、祈る気持ちで観てしまう。ライオネルとエリザベス王太后の支えがなかったら、多分この国王は心が病んでしまったんじゃないかな。長女のエリザベスもしっかり者でかわいい。あのエリザベス女王の子供時代と思うと微笑ましい。
スピーチは内容と同じかそれ以上に話し方が大事
ベートーベン交響曲 7番第2楽章をバックに、私たちはドイツへの宣戦布告の王のスピーチを聞く。開戦にあたって国民の気持ちをまとめるためのスピーチ。戦争なんてとんでもない、勿論だ。でも当時の世界状況の中、前例や首相の意見に従うこと以外に何を王室に求めることができただろう?
スピーチをするジョージ6世の前には(王が言葉を交わした初めての「平民」であり言語聴覚士である)友のローグがこちらを見て立っている。スピーチ原稿をすべて暗記しているローグの指揮のような表情に助けられ、ゆっくり息継ぎし体は柔らかくポーズを入れながらのスピーチは聞く人一人も取りこぼさず、土に水が確実に染み込むようなスピーチだった。それに比べてヒトラーの演説の強引さと声の無駄な大きさと硬直した身体よ!聞く人を歓喜させ思考停止させ攻撃的にする。そういう話し方をする人というのが私は苦手で怖いし信用しない。
俳優が吃音で話すという難役をこなしたコリン・ファースが素晴らしい。キャラクターも声の質もコリンに合っていた。ジョージ6世本人は王子の時、第一次世界大戦に海軍、空軍の士官として従軍している。コリン・ファースに軍服は似合わなかった(それは幸せでいいことだ)。兄が退位したので押しつけられた形で王となったジョージ6世。真面目な彼は「スペア」としての役割を引き受けながらも悩み泣く。如何にkingingが重責なのかが伝わる。宣戦布告のスピーチ後、何度、戦争関連スピーチをしなくてはならなかったか。自分で仕事を選べない。子ども時代も強制されることばかり。妻役のヘレナ・ボナム・カーターは「ファイトクラブ」でノートン役のガールフレンドになった人!雰囲気がまるで異なる!彼女演じる妻、母エリザベスは、思慮深く愛情に溢れている。ジョージ6世の死後、エリザベス女王になった長女のタフさと賢さは母エリザベスからのギフトに思える。
ジョージ6世の吃音を治すために献身したローグの笑顔とユーモアは緊張で固くなる「バーティ」の心を溶かした。
後記
吃音の友達(イギリス人)を思い出した。ドイツ語を話す時、吃音はかなり大きかった。彼の母語である英語を話す時はドイツ語ほどには目立たなかった。ドイツ語の子音の問題なのかと思った。子どもの頃、母親から辛くあたられていることがあってそれが吃音の原因なんだと思うと本人は言っていた。
忘れない為にレビュー
吃音症に悩むジョージ6世。だがライオネル(言語聴覚士としての公認の資格が無い)のおかげで最後の戦争スピーチで王たる声明を無事に届けた。超ざっくりと。
このライオネルさんが資格も無いにもかかわらず知識と経験と実績で結果を出す様が最高にカッコ良かったですね。
この映画が実話であり、またその時代背景(ヒトラー、スターリン、チャーチル)とか色々としてるので勉強になる。
あと兄貴が完全にヘンリーとメーガンで笑いましたね。
これは良い映画。文句無しのトップ100に入る。
人生と友情を描いた、素晴らしい良作だ。
吃音に悩むヨーク公アルバート王子(後の英国王ジョージ6世)と、彼の治療にあたった言語療法士(平民階級で豪州人)とのユニークな友情を、スタイリッシュなスタイルながら、心温まるタッチで描いている。
主人公は、父王ジョージ5世の崩御、兄王エドワード8世のスキャンダルと退位によって、英国王となる一方、欧州では、ナチスドイツの台頭によって、二度目の世界大戦が迫っていた、、、。
コリン・ファースが、国王たらんとする誇りと、人間的な弱さとの間で、絶妙なバランスを保っている。言語療法士を演じたジェフリー・ラッシュも、素晴らしい好演といえる。
ものすごい大作映画という印象は無いし、あまりに過剰な演出が無いところも、かえって好感が持てる。英国映画らしいユーモアがあるし、複雑な友情と個人的な信念をテーマに、刺激的で感動的な、人生を肯定する映画だ。
ことだま
歴史の裏側を知れる作品。
良かった!
吃音症の英国王とその治療にあたる男ライオネルの友情を描いた映画だと思います。二人の心の距離が徐々に近くなっていき、信頼関係ができていく描写は見ていてとても心地よいものでした。ストーリーも難しくないので軽く内容が入ってきますし、感動しますのでおすすめです。
吃音に向き合い努力したことが彼の人間の幅を広げた
王というスピーチが主要な仕事になる立場において吃音を抱え、それでも王の立場から逃げられないヨーク公の苦悩は大きかっただろう。しかし吃音に向き合い努力して克服した経験は、ヨーク公の人間の幅を広げ、彼の人生をより豊かにしたように思えた。また、ヨーク公が吃音になった背景をしっかり説明していたのも、ストーリーに深みをもたらしていて良かった。
王の立場から逃げられない状況と、言語聴覚士の激励でヨーク公に自信と覚悟は備わったことだろう。しかし、スピーチを苦手とし沈黙する場面も多かった序盤と、それを克服し多少流暢に話せるようになった最後とで、ヨーク公の中で具体的に何がどのように変化したのか分かりづらく、感動が薄かった。怒りの感情を示したときだけは流暢に話せ、それをトレーニングにも取り入れているのは分かる。しかしスピーチで怒鳴ることは無い訳で、克服の要因は別にある。そこをもう少し具体的に描いて欲しかった。
友情が確固となる瞬間
遅れてでもこの作品に出会えてよかった。
お正月映画に選んで大正解でした。
家族と泣きながら観た。最近殺伐としたニュースや事故、災害が多いので、自分の難所を克服して国民へ勇気を与える物語に感動しました。言語療法士との友情もすごくよかった。吹き替えで見たので今度は字幕で俳優さんたちの声を聞いて見たいです。遅れてでもこの作品に出会えてよかった。
王道かな
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主人公は英国王の息子で、吃音に悩み人前でスピーチが出来なかった。
色々な病院に行くが全然治らず、ある先生のもとへ。
その先生はそれが筋肉の動作等の肉体的要因によるものではなく、
精神的なものである事を言い当てた。実際にそうだった。
そして二人三脚で治療を進めて行き、少しずつ改善して行く。
やがて国王が死に、兄が戴冠を拒否したため主人公が後を継ぐ。
そして国民の前での初のスピーチを先生に段取ってもらう。
先生がいる事で心にゆとりを持てたおかげでスピーチは成功。
しかし実は先生は無免許医だった。
戦争で病んだ人々を治すうちに本当の医者以上の物を身につけたのだった。
そういう過去を知った主人公は寛大にも彼を受け入れた。
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最初からずっと国王一族のプライドの高さばかりが目立つ。
主人公もその一人ながら粘り強く、国王たる人物だったと思う。
医者との信頼関係もそういう中で生まれたのだった。
あいかわらずヨーロッパの歴史物は退屈なのであるが、
まあ見所はあったのではないでしょうか。
主人公の嫁はかとうかずこにしか見えなかったけど(場)
イギリス国王の思いが吃音克服に。
以前、観た事がある作品でその時は国王の吃音しか印象に残らなかった。
今回、CSで視聴したが改めてじっくり観ると当時の時代背景もあったのか、国王がイギリス国民のために吃音を克服し、一致団結して国難に取り組んでほしい。この思いが強かったのではないか。色々と考えさせられた。
おすすめしたい。
よくある英国王室ものの、どうせ恋愛などの退屈な映画だろうと
時間つぶしに見始めたのだが、吃音障害で苦しむ様子で始まり、
意表を突かれた。
その主人公は権威に胡坐をかく不遜な人物ではなく、プレッシャー
に喘ぎコンプレックスを持った悩める者だった。
まだ王ではない彼の唯一の公務は、王族としてのスピーチだが、
喋ろうとすればする程どもってしまい、周りを落胆させてしまう。
劣等感と責任感により、吃音を直そうとするところから物語が始まる。
映画のクライマックスには題にもなっている有名な演説で終わる。
そのころには充分感情移入していたので、祈るように演説を聞き、
当時のイギリス国民と同様に感動してしまった。
ハリーポッターファンはエリザベス役のヘレナ・ボナム・カーターに
ベラトリックスの悪役のイメージが強いかもしれないが、
ここでのエリザベスは正反対なので、先入観なく見てほしい。
お勧めの映画である。
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