冷たい熱帯魚のレビュー・感想・評価
全148件中、21~40件目を表示
日本バイオレンス映画でおそらく常に上位を確立したといえるだろう
園子温さんの構成は凄まじいです。まずこの作品はリアルな人体解体描写があるのとアダルト描写もあります。娘には馬鹿にされ、再建相手と3人で飼育魚店を営んでいる本作主人公。娘の万引きがきっかけで町内でも大きな飼育魚店を営む老店主と知り合ったがために、家庭が崩壊していく物語。でんでんさん演じる狂気に満ちた老店主はかなりのサイコぶりを見せており、その演技は心底震え上がらせるほどでした。特に笑顔で解体している一方で、怒鳴り暴力的に突然変貌する姿は生きた心地がしないほどでした。人生は痛い、世に言う結婚や友情、家族は言ってしまえばどこかに不安や恨みなど少なからずあり、真理を追求してしまうと崩壊してしまう。そこに人間の証ともいえる理性があるわけだが、その理性もただ自分を守ろうとする一種の自己思考なのかもしれない。
いゃ〜終盤になれば若干慣れますが最初は怖かったですね。また一つとても異質な作品でした?
少しグロめのサスペンス 人間の狂気!グロいからR18ではない
凄くグロいわけではない。若干グロいシーンはあるものの、そんなにグロいシーンばかりでもないし、R18指定になったのは、恐らく、生々しい殺しのシーンだったり、人を殺した後に、証拠や、死体を見つからないように上手く消し去る方法(この映画内でいう、ボディーを透明にする)などが含まれているため、極めて犯罪性の高い内容であるため、高校生以外に悪影響でかつ、殺しや犯罪に興味が湧いてしまう、目覚めさせてしまう可能性があるために、最も厳しい年齢制限が付いたものと思われる。すごくグロテスクなわけではない。
内容的には、サスペンス映画が好きな人なら、ハラハラドキドキ感が楽しめていいと思います。ホラーが苦手な人でも見られます。
また、臆病で優しかった主人公が段々と変化していき、悪の道へと誘われ、悪い人間に化してしまい、耐えられなくなって爆発してしまい、豹変してしまう様が非常に興味深い。ある日突然、不意なことから、急に犯罪に巻き込まれてしまう人の辛さ、苦しさが身に染みて伝わってくる。皆さん良い演技してますなぁ
【62点】 抑圧、狂い
エログロと跳ね返してしまえばそれまで
ここに描かれる狂気は決して絵空事ではない
作品と人物とは別もの、作品には罪はありません しかし本作においては、監督にそのような異常な精神構造があったからこそ、このような異常な映画を生み出すことができたのだ そのように思えるのです
傑作です
それも突き抜けた世界的な傑作だと思います
恐ろしいことに、映画が終わったとき、私達はカタルシスを感じてしまうのです
「もし再編集することが可能なら、でんでん演じる男が吹越満演じる男に刺殺され、黒沢あすかが笑っているくだりでエンドロール、という形にしたい」と監督は語ったそうです
つまり、監督はそのカタルシスを観客に与えたのは間違いだったと考えているようです
観客をカタルシスに至る道だけを示して終わるべきだったという意味は何でしょうか?
それは観客を本作を観た後に強い欲求不満に置いて帰らせるべきだったと考えている
そう言うことだと思います
そうすることで、観客をその欲求不満に耐えかねて、やがて猟奇殺人を夢想するように仕向けたい
それが監督の本当の狙いだったように感じるのです
序盤から、観客に主人公に感情移入をさせ、怒りと反撃の感情の圧力をどんどん高めているのは、クライマックスのカタルシスを与えるための計算された伏線であったのです
妻や、娘がともに乳房の大きな女優が配役され、妙に胸もとの広くあいたセクシーさを強調した衣装、主人公を実は愛していない妻、レイプされて喜ぶ妻、再婚するまでは優しい娘だったのが、手のつけられない反抗的な娘に変わってしまう
あざといぐらいです
主人公が攻守入れ替わって徹底的に反撃するクライマックスを敢えてカットして、観客を欲求不満に陥れること
それが本当の監督の狙いであったのなら、その為の伏線もまたあざといとは思われなくなるだろう
そういうことだと思えます
恐ろしい映画です
こんな映画は世界を見渡してもないと断言します
唯一無二です
そら恐ろしい傑作だと思います
つい先日このようなニュースを読みました
「園子温の性加害を出演女優らが告発!「主演にはだいたい手を出した」と豪語する大物監督の“卑劣な要求”」
記事にはこんなことまで、書かれていました
少し引用します
「確かに、すべての監督がそうでないにせよ、少なからず現実に起こっている“異常”な実態があるんです」
そう話すのは、さる映画配給会社の幹部だ。話を続ける。
「今も平気で“俺とヤッたら仕事をやる”と言う映画監督がいます。彼の作る映画は評価が高く、作品に出たがる女優はたくさんいます。それを利用して、彼は当たり前のように女優たちに手を出している。それが、園子温です」
作品と人物とは別もの
監督や役者の不祥事で、作品をお蔵入りにするのは、自分はおかしいと思っています
作品には罪はありません
しかし本作においては、監督にそのような異常な精神構造があったからこそ、このような異常な映画を生み出すことができたのだ
そのように思えるのです
だからといって、優越的な立場を利用して性加害を行ってよいのでしょうか?
良い映画を撮るためには何でも許されるのでしょうか?
その為には監督の要求には理不尽なことでも、性被害をうけても従うべきなのでしょうか?
そんな事を許すくらいなら、そんな映画なんか無くていいと思います
せっかくの傑作がそのような行為によって、撮られていると思うだけで胸糞が悪いのです
本作の肉体を「透明」にする作業のシーンよりももっともっと胸糞が悪いとは思いませんか?
園子温監督のファンです
自殺サークル、紀子の食卓、愛のむきだし、そして本作
どれも傑作です
心の底から世界でも屈指の才能のある監督であると思っています
それでもそう思います
全員狂ってていい!
やっと観られた
狂気!
某事件が題材と聞いて。
謎のハッピーエンド感。
冷静に見るとドタバタコメディ
人の言いなりになるって嫌だなぁ!!
凄まじい
エログロだけ頭に入れればOK、思ったよりもエンタメな作品
グロいことで知られる本作なので、力が入りすぎているんじゃないかというくらい身構えながら鑑賞。とにかく狂気の沙汰じゃない人たちの話なので、そりゃ心の置所も分からないまま終わったのでこの評価に。
怪事件ファイルが好きなタイプなので、モデルの事件は根掘り葉掘りしたことがある。発想からして凶人な男のモチーフそのままであったことは興味深かった。ただ、主演は吹越満なので、どう落とすのは気になっていた。
とにかくグロいのは確かだが、ラスト30分でそれを凌駕するドラマを持ってくることに驚いた。人間の狂乱を特と見ろと言わんばかりのカオス。確かに前半のリードからして、ああなるのも分からなくは無いが、ちょっと散らかし過ぎ散らかしすぎな印象もある。むしろ、簡単に身を委ねる軽率な雰囲気はかえって淡白な関係性のよう。それでも、イカれた脚本を実際に起こして画にするだけでも凄い。途中で透かしてくるバックボーンが上手く機能したように見えなかったのが残念。
初・園子温監督作品だったが、身構えすぎたかも。思ったよりもエンタメとして成立しており、震撼するほど重いものではなかったのである。ただ、エログロの耐性は必要かも。これがマスターピースで語られる世間って意外と怖い気がする。
全148件中、21~40件目を表示