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救いの神子として歓迎される純。オロチを復活させるため、僧侶源雲が未来から呼び寄せたのだ。鬼との壮絶なる戦いの末、勝手にオロチが蘇り、純を乗せて飛び回り、とりあえず平穏を取り戻した。
純は鞍馬山へと向かう途中、鬼の面を被った少女・水葉と知り合う。鬼は人間だった?といういきなりテーマの核心を突く展開。“鬼”って意味知ってる?などと、質問され戸惑う純。「鬼とは、貴族たちが隠したい者に勝手につけた名前」・・・源雲は「正統なる貴族の末裔のみがオロチを操れる」と言っていたが、鬼の一族は「スサノオの血を引く勾玉一族の子孫だけ」と言うのだ。鬼退治をするため源雲に連れてこられたのに、鬼の仲間になれと説得される純だったのだ。純はもともと自分で決断できず、迷ってばかりの性格。だけど戦いを嫌うことが根本にあるから、貴族と鬼の長年の戦いを止めさせようとする。
作画タッチは黒目がやたらと大きく、昆虫をイメージしてしまう。冒頭から鬼退治をする人間の姿があったけど、やはりジブリ作品と比較してしまう。冒頭は『もののけ姫』だし、オロチが登場してからは『千と千尋の神隠し』を思い出してしまうのだ。鬼の一族はアイヌの民族衣装のようでもあるが、水葉は途中、インディアンの恰好をしている。まさしく迫害された民族。自分が正しいと思った者によって勝手に“鬼”とされているだけだった。
このテーマは非常に良いのだけど、ストーリーの流れが子供向けすぎるという欠点。戦わないことを美徳としておきながらも、映像的には結局戦って終わらせてるんじゃないかと勘繰ってしまう。さらにタイムスリップしたことが全く意味を成していない。別に平安時代に生まれる主人公でいいじゃん・・・