借りぐらしのアリエッティのレビュー・感想・評価
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冒険以外のカタルシス
2010年代のスタジオジブリの最大の課題は、世代交代だった。この映画は2010年代、最初のジブリ作品で、当時30代だった米林監督が抜擢。米林監督はそれまでのジブリになかった新鮮なセンスを混ぜつつ、ジブリの作品を壊さないバランス感覚で本作を見事に仕上げた。
主人公のアリエッティは小人だが、これは文字通りに小さな世界の物語で、宮崎駿風な大きな冒険活劇ではない。そういう作品に仕立てることも可能な原作なのだが、米林監督と脚本の宮崎駿は、これを一つに家での出会いと別れに物語へと集約した。結果、ジブリ作品にはめずらしく甘く切ない物語となった。
米林監督は少女漫画好きなので、こういう作風のほうが良いだろうと脚本の宮崎駿も思ったのだろうか。家を追われたアリエッティが待ち受ける苦難や、病気を患う翔の苦しみよりも、ひと夏に少年と少女が出会うことのロマンスと、すぐに別れねばならない切なさを全面に持ってきている。血湧き肉躍る活劇を求めていた人には肩透かしなのかもしれないが、活劇とは異なるカタルシスのある良作だ。
ミーア、仲良くね
終始優しい物語。人間と小人、虫や動物、それぞれが優しい繋がりになっていて、少しづつ借り物をしながら暮らす小人の暮らしや冒険が描かれている。数回観た感想はやっぱり短く物足りない、だった。けど、歳を重ねて観直すとこれでいいじゃない、になった。悲しい別れはあったけど、これからも生きなきゃいけないという素朴で当たり前の答えに行き着いた。これからのアリエッティのストーリーを観ていたい気持ちもあるが、そっと見守りたい気持ちが強くなったね。
この映画は、勿論声優に素人を採用しているが、お母さん役の大竹しのぶ以外違和感は無く、それぞれがキャラクターその者を演じた事により大変良かった。ハルさんがそのまま樹木希林で芸が細かく笑わせてもらった。瓶にラップして楊枝で空気穴開けるシーン、昭和臭漂うババア感が一番笑ったわ
小人の世界観がかわいくて観ていて楽しい。 小さな家具やキッチン、小...
小人の世界観がかわいくて観ていて楽しい。
小さな家具やキッチン、小物、描写のどれもこれもが素敵。
はるさん、そこまで小人を捕獲したいのかと不思議なのだけど。怖い。
アリエッティと少年がわかり合い、絆が芽生え、病気の少年が生きる希望もらうという、別れがさらにせつなくさせる。
ジブリだけど地味に胸を打つ良い終わり方だった。
小人の目線で、世界を体感する。
前評判などはいろいろとありましたが、個人的には小人の目線で繊細に描かれる世界にわくわくしました。
世界には美しさも怖さもあって、それでもこの世界が素晴らしいと最後に思える映画です。
50点以上は付けられない作品
スタジオジブリの最新作。
宮崎駿監督ではない。米林宏昌という方が監督を務めている。初監督作品。
宮崎監督は昔からこのコンセプトの映画を創りたいと語ってた。小人や昆虫の目線で世界を眺めた作品。なので、間違いなく宮崎監督が企画して作られた作品なんだろう。。
だからこそ、残念。。
ストーリーが残念だったのではない。
割と単純な出会いと別れを描いた作品だし、作品自体のスケールが小さいのも、そもそも主人公が住んでる世界が小さい(狭い)ので致し方ない。話としては上手くまとまってたと思う。
セシル・コルベルの音楽は本当に良かったし。
もちろん突っ込み所が無かったわけじゃない。
というより、かなり多かった。
まず、主人公のアリエッティがあの庭だけで生きてるって設定がそもそも信じられない。なぜ外へ出ない!?
それに、あんな広い庭付きの一軒家なんて最近どこにも見かけない。リアリティが全く無い。
あと、アリエッティの初の狩りでティッシュペーパーを採ろうとしたとき、翔と目が合うのは都合が良すぎる。あの部屋じゃなくてもティッシュくらいあるだろうに。。
何より、未来少年コナンのジムシィや、トトロのネコバスを、ほぼそのまま使い回してるところはさすがに呆れた。
ただ、小人ならではの小道具、髪留めとか、1滴のお茶とか、お洗濯の仕方とか、アリエッティ達のお家の家具とか、細かいところでは楽しさがあった。その辺りの演出は良かったと思う。
しかし・・・自分が何より残念だったのは、やはりジブリは宮崎駿しかいない、という事実。
この天才の存在が大きすぎて、若手が全く育たない。育っていない。
他の有望なスタジオでは実力ある若手アニメ監督が何人かいるが、ジブリにはいない。
宮崎監督がストーリーテラーとしての立場をある種諦めてる(開き直ってる)のは、「ポニョ」を観ればよくわかる。「ポニョ」はストーリーが完全に破綻してる(・・ある意味、「アニメ」は子供のためのもの、という立場をより明確に示したのかもしれないが。。)。なので、今後宮崎監督作品でワクワクするようなストーリーの作品は期待できない。
それでは若手に期待できるかと言うと、今回のアリエッティはストーリーは平凡そのもの。良くもなく悪くもない。
しかも、宮崎監督がこだわってきた「キャラクターの動き」も、今回のアリエッティは明らかに質が落ちてた。
まぁ、これは仕方ないのだが。。子どもの頃に外で遊んでいない若い人達がアニメーターになれば、いくら「絵」自体がうまくても、面白い「動き」は表現できない。私は「アニメート」=「動きの表現」だと思うのだが。。宮崎監督の昔の作品「名探偵ホームズ」とかは、キャラクターの動きを観てるだけで本当に楽しい。こういう作品作る(作れる)人達は、おそらく日本ではもう居ないのだろう。。
ストーリーテラーとしても、「動き」を表現するアニメーターとしても、次の世代を担える人材がいない。かと言って、Production I.G.のようなCGを駆使した作品を作るわけでもない。。
残念だったのは、スタジオジブリの限界を、今作品でまざまざと見せ付けられたこと。
宮崎駿ファンの私としては、宮崎監督に少しでも長生きしていただき、良い作品を少しでも残していただきたいと願うばかりです。。
頑張れ、アリエッティ
楽しい映画でした。
物語の設定はコビトのアドベンチャーといったところでしょうか。
イギリスの児童文学が原作なのでファンタジーな設定ですが、コビトを他の生き物に置き換えれば人間の身勝手さが見えてきます。人間のエゴで果たしてどれだけの生き物が絶滅してきたのでしょうね。
こじんまりしすぎてる。 スケールが小さすぎて何のワクワク感もない。...
こじんまりしすぎてる。
スケールが小さすぎて何のワクワク感もない。
小人といえど結局人の形。
小さい人と人間が一軒家でごちゃごちゃしているだけ。
終始退屈だったなぁ。
これじゃない感が否めない。
アニメ史上最悪のバケモノが出て来るホラーなの!
他のことの記憶が無くなるほど家政婦の婆さんが凄い。
やることなすこと、表情や所作に至るまで、残忍で、下劣で、卑怯で、凄惨で、無残な。
この鬼畜が出てくるので、小人がどうのなんていうかよくわからない。
ちなみに小人は、原作では妖精で、アニメでは人間と違う種の生き物なので、盗みか借りぐらしかなんて議論は不毛です。
人間外の生物に法律や道徳が適用されますか?小人は責められません、どちらかと言えば健気です。
それにしても婆さんに小人が引きちぎられるかと冷や冷やしました!
樹木希林の声も凄まじい、妖怪か殺人鬼みたいでした、悪夢。
人間に見られてはいけない。
2020年8月29日
映画 #借りぐらしのアリエッティ (2010年)鑑賞
小人の名前は欧米風で人間の名前は和風で、舞台はどこなんだろう?
借りパクぐらしのアリエッティと書いている人もいるみたいだけど、確かに借りぐらし、という言い方は正確ではないね
#スピラー が、#となりのトトロ の #カンタ みたい
このレビューを見て、なかなか酷評なのでびっくりです。特にナウシカ、...
このレビューを見て、なかなか酷評なのでびっくりです。特にナウシカ、ラピュタらへんが好きな人から。
私ももちろん、上記2作品の方が比べ物にならないくらい大好きだけど、
アリエッティは、これはこれで良い☺︎
かわいいし。
金曜ロードショーでやってたから初めて見ました。 そういえばこんな作...
金曜ロードショーでやってたから初めて見ました。
そういえばこんな作品もあったな〜
公開時にCMやってた気がするな〜
面白そうと思いつつ全然見てなかったな〜
という感じで見始めたら最高に最高の最高でした!!
あのお屋敷に住みたいしアリエッティの家にも住みたいしドールハウスにも住みたい!!!
なんて素敵な世界観〜〜〜〜〜〜!!!
(虫がデカイのは嫌やけど!)
部屋に飾られたシースルーの虫の羽、蜘蛛の巣に付いた雨粒、小人の目線で見る世界は大きくて小さくて美しかった!!
おばあさんが小人に会えないままだったけど、これはハルさんが居なかったらショウ君とおばあさんとアリエッティの家族でお友達になれたんじゃない???
魔女の宅急便のニシンのパイのお家のバーサみたいな人ならうまくいきそう。ハルさんは意味不明すぎて途中から樹木希林さん本人に見えてきたよ。
セリフもあんまり多くないし劇的なストーリーでもないけど、すごーーく素敵な作品でした!
え、終わり?
見終わった時の印象。
もの寂しさの余韻がすごい。
耳をすませばあたりまでの初期の分かりやすいジブリ作品が好きなので、題材や作画はそれに近くてよかった。
世界観の描き方もさすがジブリ。
ただ、ストーリーが地味。
途中ドキドキするシーンはあるものの、なんか全体的に暗い気持ちになる。
ジブリの冒険感が好きな方には合わないかも。
精神年齢が高い方向きな話。
夏、さわやかな森の風に吹かれながら 清涼スイーツをいただくような☆
ジブリとはいっても、宮﨑・高畑監督ではなく、 米林さんですから、本家ジブリ作品とはいえません…
物語に深読みなどなく、なんとなくかる~くながめて楽しめる映画です。
でも、絵はきれいで音楽もさわやかで可愛らしく、 美しいシーンもあり、
真夏の映画館で見た時には、まるで 避暑地の別荘ですごすようなさわやかな時間をすごせました。
私はこの作品すきです☆
(とはいっても、母親小人と、家政婦ハルさんが、どうにも好きになれなくて。 宮崎監督作品だと、不思議なことに、悪役や敵でも、なぜか魅力を感じたり 憎めなかったりするのですが。 米林監督や吾朗監督の描く悪役(悪役ってほどでもないか(笑))は、どうも好きになれない。画面に映るたびに目をそらしたくなってしまう。大画面にアップで映った時は、ほんと嫌でしたね(笑))
ま その場面で目をそらしさえすれば、あとは、きれいな世界にひたれますよ~。
忙しくて避暑地に旅行なんて行けない、 別荘なんてもってる金持ちとちがう、そんな私でも、
さわやか~なすずしい風に吹かれて 小鳥のさえずりと 小川の水の流れる音をききながら つめたい美味しーい特製アイスをたべてるみたいな♪ 一服の清涼剤として良い映画ですよ。
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他の人のレビューで かみつかれてた場面について、
少年・翔は「君たちは滅びゆく種族なんだよ」なんて意地悪を言って、純粋なジブリヒーローではないんだけれど、自分も心臓の病気でもうすぐ死ぬと思ってるから、生き生きとしたアリエッティに嫉妬して、しかも 自分と違って 家族仲よさそうに暮らしてるアリエッティにも嫉妬して、ついそんな意地悪を言ってしまったわけで。 だって、小人から見たら巨大な人間だけど、12歳の男の子なわけで。 しかたないと思う。 ぐちをこぼしただけでしょ。 別にサディストでもなんでもないでしょ…。
ちょっと気に入ってる場面
ほかのジブリ作品へのオマージュ的に感じる、ささやかな場面がいくつか。
ダンゴムシと遊ぶ場面は ナウシカへの。
ラスト近く、猫にお礼を言って鼻をなでる場面は トトロの猫バスへの。
逃げる時にたぬきとすれ違う場面は、小人たちと同じく絶滅寸前でも「どっこい生きてる」ぽんぽこへの。
スピラーがアリエッティをなぐさめようと木苺(ぐみ?ラズベリー?)をあげる場面は トトロのかん太の傘への。
こういう場面 ほほえましくていいね。
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