借りぐらしのアリエッティ インタビュー: 神木隆之介&鈴木敏夫プロデューサーが語る「アリエッティ」

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借りぐらしのアリエッティ

劇場公開日 2010年7月17日
2010年7月12日更新

ジブリ作品には「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」などに続く、5度目の参加となった神木隆之介。ジブリのベテラン声優となった神木と、ジブリ作品全作のプロデューサーを務めてきた鈴木敏夫氏に、本作の見どころなどを聞いた。(取材・文:編集部)

神木隆之介&鈴木敏夫プロデューサー インタビュー

ジブリ作品のベテラン神木隆之介(左)とジブリの名物プロデューサー・鈴木敏夫氏 ジブリ作品のベテラン神木隆之介(左)とジブリの名物プロデューサー・鈴木敏夫氏 神木隆之介 ヘアメイク:渋谷雅子(vitamins)、スタイリスト:高橋毅(Decoration)

――まずは、完成した本作を見た感想を教えてください。

神木:「僕はアフレコしているときに、自分の声がどう聞こえているんだろうという心配ばかりしていたので、完成した映画を見たときは自分がどういう雰囲気を出しているのか、ちゃんと翔になっているかをずっと気にして見ていました。でも途中から、そういう心配ごとを忘れて、自然と見ることができましたね。僕が声を録ったときは、まだ他のキャストの方の声が入ってなかったので、どういう雰囲気になるのか分からないままだったんですけど、改めて完成した映画を見てみると、リラックスしながら落ち着いた雰囲気で見ることができる美しい映画だと思いましたね」

鈴木:「僕はもう100回くらい見ているんです(笑)。1本に繋がったものはもちろん随分あとに見たんですが、ラッシュを何回も見ていましたからね。でもこうやって完成した映画を見てみると、僕らが最初から目指していた、せつない映画、ちょっと寂しい映画になっていたんで、そういう意味では成功かなって思います。僕らは企画の段階で、こういうご時世にあまり前を向いて張り切っている映画は違うのではないか、ということを話していたんですよね。それが今のお客さんの気分に合っているような気がしたんです。だから、音楽もいつものジブリだったら、オーケストラの大編成でやるんだけど、今回は小さい編成でやりたいと言っていました。

神木が演じた、12歳の少年・翔 神木が演じた、12歳の少年・翔 [拡大画像]

そんななかで僕は3つのキーワードを持っていたんです。『静かで、ひっそり、そして質素に』。これが時代を現す言葉かなと。それを宮崎駿に話したら、『それいいよ』と言ってくれたんだけど、ひとつ駄目だと言われました。それは『3S(3つのS)になってない』と言うんです。“静か”、“質素”は頭文字がSだけど、“ひっそり”は違うというわけです(笑)。

それで、“ひっそり”をSにすると何かなあって考えてね。結局、何か忘れてしまったんですけど(笑)、それを一時期、合い言葉にしてましたね。何か、そういうものを作る時代なんじゃないかなという気がしていたんです。だから、あまり派手じゃない。これまでの日本人って前を向いてガンガンやってきたでしょ。そこを少し立ち止まって考えてみようよっていう気分なんですよね」

――もう高度成長も終わって、これからは大きな経済成長を想定できない世界で人間が生きていくことを考えないといけない時代ですからね。

鈴木:「あんまりステレオタイプに話しても仕方ないけど、アリエッティは自分勝手でワガママで向こう見ずで元気でしょう? それはこの映画に登場する小人全般がそうなんです。ところが、今回人間側を代表する翔くんのほうは、心臓病を患っている。するとこれは、この時代を象徴するようなことなんじゃないかなという気がしてね。

かつて一生懸命やってきた人間が病気になってしまい、小人たちのほうがよっぽど人間らしいというね。そういう意味では、翔の役はすごく複雑で、それをやってくれるとしたら、やっぱり隆くん(神木さん)だと思って、このキャスティングは決めました。ただ、スタッフの中では『千と千尋の神隠し』以来、『ハウルの動く城』もやってもらったりして、いろいろ含めると5作品に出てもらっている隆くんをまた使うのかという声もあったんですが、それでも今回の翔役は隆くんだと思いました。とにかく上手いんだから仕方ない」

仲良く力を合わせて生きるアリエッティ一家 仲良く力を合わせて生きる
アリエッティ一家
[拡大画像]

神木「いやいや、そんなことないですよ(笑)」

――今回は長編デビューとなる米林さんが監督でしたけど、宮崎監督とはどんなところが違うと思いましたか?

神木:「宮崎監督は前からお世話になっていて、本当に頼れるお爺ちゃんみたいな感じですね。一方、米林監督は優しいんですけど、それと同時にすごく不思議な雰囲気を持っている方なんです。実は、宮崎監督、鈴木さん、志田さんを含めて話し合いをしたときに、『実は麻呂(米林監督のスタジオジブリ内でのニックネーム)はカオナシのモデルなんだよ』って言われて、そこから米林監督と接するときにはカオナシのことが頭から離れなくなってしまったんです(笑)」

鈴木:「実は、今回の製作中、麻呂には取材申し込みがたくさんあったんですけど、宮さんが『アイツは人前に出せるような奴じゃない』と言っていたのですべて断っていたんです(笑)。まあ、作っている最中から出しても仕方ないですし。だから、ちゃんとしたものを完成させたら、その時こそ人前に出て喋るべきだっていう話で、隠してたんですよね」

>>神木隆之介&鈴木敏夫プロデューサー インタビュー その2

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