コトバのない冬
劇場公開日:2010年2月20日
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解説
北海道の小さな町で、父親と単調だが平穏な日々を暮らす冬沙子は、ひょんなことから言葉の話せない男と出会う。男との出会いで、これまでの人生になかった感情が芽生えたことに驚く冬沙子。しかし、仕事先の牧場で落馬事故を起こし、目覚めた冬沙子は記憶を少し失ってしまっていた。俳優・渡部篤朗が、高岡早紀を主演に初の長編作品の監督を務める。
2008年製作/94分/日本
配給:ジョリー・ロジャー
劇場公開日:2010年2月20日
劇場公開日:2010年2月20日
北海道の小さな町で、父親と単調だが平穏な日々を暮らす冬沙子は、ひょんなことから言葉の話せない男と出会う。男との出会いで、これまでの人生になかった感情が芽生えたことに驚く冬沙子。しかし、仕事先の牧場で落馬事故を起こし、目覚めた冬沙子は記憶を少し失ってしまっていた。俳優・渡部篤朗が、高岡早紀を主演に初の長編作品の監督を務める。
2008年製作/94分/日本
配給:ジョリー・ロジャー
劇場公開日:2010年2月20日
渡部篤郎、6年越しの初監督作初日に「胸いっぱい」
2010年2月20日渡部篤郎、長編映画監督デビュー作公開で「大きく息を吸えた感じ」
2010年2月19日渡部篤郎&広田レオナ、雪山で遭難危機!?
2010年2月10日渡部篤郎監督作「コトバのない冬」来年2月公開決定に「素直にうれしい」
2009年12月2日東京国際映画祭閉幕。「トルパン」が作品・監督賞2冠
2008年10月27日東京国際映画祭「コトバのない冬」会見で、渡部篤郎“監督”に質問集中!
2008年10月20日お客さんからお金を払って観てもらう
映画の作品になっていたかと言うと、どうかな?と。
私を含めて3人という
まるでホームシアターのような状況で
鑑賞させていただきましたが、うしろに
座っていたカップルの兄ちゃん、上映中に
2回もトイレに行ってましたからね。それだけ
集中力を持続させてみるには難しい作品でした。
・俳優さんに状況だけを伝えての、ほぼアドリブ
・セリフに詰まったり、言い間違えたりしても、そのまま採用
・心の揺れを、カメラの揺れで表す
・一台のカメラで会話をしている
2人を映し、わざとホームビデオで
撮影したかのように見せドキュメント的な臨場感を表す
そんなやりたいことをやりきった感は
十二分に伝わってきたのですが、それだけになってしまっていた気がします。
最大の見せ場のラストシーンも
作品に入り込んでいれば、感動のあまり
号泣してしまうのでしょうが、そこまでの
プロセスで「なんか違うよなぁ」と、まったく
作品に入り込んでいませんでしたから、なす術もなく傍観するしかありませんでした。
☆彡 ☆彡
今作にはクエスチョンマークをつけましたが、
大好きな役者さんには違いありません。『まっすぐな男』も見てたし。
決して、AAAの宇野ちゃん目当てだけではなかったですよ(苦笑)
俳優としての御活躍、
監督としても、これを糧にして
また作ってみてください。楽しみにしています(笑顔)
期待を加算して、Bにしておきます。
インターネットや携帯端末の発展で、コミュニケーションの取り方が大きく変化した21世紀においても、コミュニケーションの一番の基盤は“コトバ”。言葉を発することの出来ない青年は、孤独を甘んじて受けなければならないのか・・・。“心”が通じ合えばコトバはいらない。そんな期待を観るものに持たせるラブストーリーが、些細な事故によって崩れることの切なさ。それも全くの不可抗力によって・・・。“コトバ”以上に人間のコミュニケーションに大切なのは“記憶”。それが無ければ、コミュニケーションのとりようも(コトバのかけようも)無い。
俳優渡部篤郎が、初監督作品で投げかけるのは、デスコミュニケーションの哀しさだ。本作のヒロインは、全編を通してコミュニケーションを求め続ける。前半は、遠く離れた恋人からの連絡をひたすら待ち続け、コトバを発しない青年と出会ってからは、彼とのコトバのないコミュニケーションに安らぎを見出す。そして落馬事故によって、数日間の記憶を失ってからは、思い出せずにいる”何か”のためのデスコミュニケーションに怯えているかのようだ。ヒロインを演じた高岡の、笑っていても哀しみをたたえた表情を見るだけで、胸がキュンとしてしまう。彼女は忘れてしまったことを、おそらく一生引きずり続ける。日常生活のふとした時に、心にチクリと痛みが走るだろう。だがそれもすぐに忘れてまた日常を繰り返す。それでも幾度となくそのチクリとした痛みを抱え続けるだろう・・・。しかしそれ以上に哀しいのは、彼女が去った理由を知らずに、彼女を思い続けなければならない青年だ。口のきけない青年は、彼女が去った原因は自分にあったのではないかと結論を付けるだろう。そのことによって、彼はますます孤独に陥っていくのだ・・・。
北海道の寒い空気の中、コトバ少ない人々(その中でただ1人饒舌な食堂のおばちゃんの存在が現代の軽薄なコミュニケーションを象徴している)のなにげない日常をスケッチしながら、現代人のデスコミュニケーションを切なく描く渡部の繊細な演出は見事。
手持ちカメラによる即興演出で、ホームビデオを盗み見しているようなリアルさがあるが、それでもどこか御伽噺めいて見えるのは、雪のように儚い存在の人間たちの儚いラブストーリーだからだろう・・・。
余談だが、映画館の一番前の席で本作を観ると、画面のブレによって酔ってしまうので注意しましょう(汗)