最後の忠臣蔵のレビュー・感想・評価
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クオリティはなかなか
映画としての完成度の高さに感心しました。
ちらほらと指摘されているようですが、カメラアングルが微妙で巧妙、勧善懲悪お涙頂戴これみよがし的に接写のオンパレードなんて皆無、淡々としたやや引いた位置取りが観る者にとても安心感を与えてくれます。
役所浩司さんもよかったが、佐藤浩市さん光りました。
世俗と隔絶したお嬢様役を好演、桜庭ななみちゃん、ひょっとかすると化けるかも。
大向こう張った時代劇とは一線を画する、溝口~小津テイスト溢れる好作といえましょう。
素晴らしい!
なかなか味わい深い作品
2010年の最後に『最後の忠臣蔵』を観てきました。
私は、赤穂浪士の話は、何となくしか知りません。それでこの映画を見ても充分理解できないのではないかと心配でしたが、私が知っている知識だけで充分楽しめました。
“忠臣蔵”だけあって武士の忠義の話ですが、その徹底ぶりが尋常ではありません。役所広司演じる孫左衛門は、苦悩や誘惑に直面しても、常に忠義を貫きます。それも、彼の主君はすでにこの世にいないのに。彼の穏やかな口調、抑えた演技から、その忠義があらがいがたいものという以上に、彼にとって当たり前のものだということを感じさせます。
どこまでもそんな調子かと思ったら、クライマックスに、彼の苦労が報われたと感じさせるシーンがあって、予想以上に感動してしまいました。我ながらニッポンジンだなあ(^^;)。
役所広司、佐藤浩市の演技は、毎度おなじみ、安心感があります。役所広司は『十三人の刺客』でも武士の役でしたが、どちらかと言えば『最後の忠臣蔵』の方が、彼らしい役のような気がします。
桜庭ななみは、かなり頑張っていたと思います。彼女、CMぐらいしか見たことがなくて、特に関心もなかったのですが、意外と魅力的でした。安田成美の芝居は久しぶりに見ましたが、もうベテランの風格(^^;)。
シネコンでは、どの劇場で上映するか、どんなスケジュールで上映するかを、客の入りを見ながら判断しているような気がします。この作品は、あまりお客さんが入っていないのか、小さい劇場で上映回数も少なめ。今日も、私を含めて5人ぐらいしか観客がいなかった様子でしたが、いやいや、なかなか味わい深い作品だと思いました。
最後の忠臣蔵
観終わって、こんなに違和感を感じた作品はない。なるほど丁寧に作られた作品であることは認める。題名の大仰さ
連続テレビ・ドラマのときとは異なり尺数に限りがあることも理解できるが、我慢できないのは三つある。「姫さま」「姫様」と内匠頭のご落胤でもないのに田舎大名の城代家老の妾腹を称えることである。(本妻のりくが出て来ないし、この子供たちが可哀相)次に婚礼の席に落ちこぼれの家臣たちがやたらに出てきて連なること。(茶屋は豪商だから平気だろうが)もうひとつは、嫁入りしたとはいえ幸せになるかどうかわからない。秘かに見守るのが孫右衛門の勤めではなかろうか。しかも、内蔵助が証として残した裃を娘にやるのではなく、自分が着用して切腹してしまう。(主君からの拝領物を己の血で汚すなんて理解できない)原作を読んでいないので、原作かシナリオの責任か不明だか、浄瑠璃を使った手法も今更ということで退屈。「最後の忠臣蔵」というより二番煎じだが「珍説忠臣蔵」
というタイトルの方がふさわしい作品だ。既に「忠臣蔵」を知らない若い人たちが多い。この作品を本当に理解できるかどうか?
うちは、孫左が...
サムライ魂
赤穂侍の忠義......感動しました。
赤穂侍の忠義......感動しました。
撃ち入りまでの忠臣蔵は良く知ってますが、その後、こんな感動的な話があるとは思いませんでした。
大石内蔵助に重要な使命を託され、撃ち入りに加わらなかったという汚名を背負いながらも一番の忠義を果たす瀬尾孫左衛門......感動的でした。
ストーリーが進むにつれ、如何に大石を慕う侍達が大勢いたか.....
凄い人物だたんですね!
嫁入りまで10日待って欲しい.....可音さんは、その間に感謝をこめて素晴らしい贈り物を.....その香の設定も新鮮でした.....。
可音さんの嫁入り行列に続々と集まる赤穂侍達.....涙が止まりませんでした。
そして、婿の待つ屋敷内へ入る直前の可音さんを笑顔で見つめる役所広司の満面の笑顔.....素晴らしかったです.....。
ここで、エンドロールの方が感動的だったかもしれません....。
その後、赤穂侍の真の忠義を見せて頂きましたが......。
確かに「最後の忠臣蔵」
私としては、おすすめできる映画です。
瀬尾孫左衛門(役所)は随所に「拙者は武士ですから」ということにこだわり、武士に徹した生き様を貫くわけですが、大石家の使用人に過ぎなかった瀬尾がここまでストイックな生き様に徹しなければならない時代には、病的なものを感じました(これが事実とすればですが)。
Wikiによりますと、吉良邸討ち入りは元禄15年12月14日(西暦1702年1月30日)とありますので、江戸幕府となってより100年ほどのころですね。つまり、戦国時代が終わってから100年ということですが、この100年の間に「武士」というのは「立身出世を目指す合理主義者」ではなく、「世襲の非生産的支配階級である武士は、忠義を売り物にする無能者・形式主義者」に成り果てた、というのはよく言われるところですが、ついそのような感覚で観てしまいました。
いろんな意味で「大変な時代だナー」とは思いますが、小沢一郎に忠誠を誓う議員集団とか見ると、世襲化した議員さんたちもやっぱり非生産的で無能な形式主義者なんだろうなぁ~とか思ったりして、妙に納得したりする。そりゃ~結束が固い訳だ!
この映画は正月映画だったのですね。失礼しました。
昨年末に劇場で観ました、
流れるような映像。
合間合間の人形浄瑠璃。
一つで二つ...得をした気分でした。
この映画、とにかく男性陣が美しい。
「十三人の刺客」でまとめ役だった?主演の役所広司さんは
この映画で思いの丈を存分に出し切った。
自分の子供も上手く育てられなかった私は、彼の愛が痛い!
彼の愛は父親の愛。私はそう思う。
可音(桜庭ななみ)の思いは淡い初恋でしょうが、彼には
それ以上はなかった。すべては忠義。?
私はそう思う。
(パンフレットを読むとそうでもないみたいだけど)
評判の桜庭ななみちゃんは、それほど大輪の花を咲かすとは
感じられなかったし...
久しぶりに観る安田成美さんはすっかり萎んでいるし...
でも、今回は男性陣を引き立てるには十分の演技力だったと思います。
とにかく涙が溢れました。
武士ですから。。。
どこまでも「武士ですから」という作品ではあるのですが、刀を抜いて敵を倒すために戦うという武士の生き方とは違う、罵られ足蹴にされてもただただ無言で「守り抜く」という一途な武士でした。
武士として最も恥ずべき汚名を着せられることを承知の上で、使命を全うするためだけに生き続けるストイックな彼なりの武士道は、例え不器用であっても潔く、心打たれるものがあります。
要所要所に登場し映画を暗示する人形浄瑠璃の曽根崎心中とともに、茅葺の民家の佇まい&そこへ続く竹林の道&京都の美しい情景描写etc.豊かな文化が堪能できる格調高い雰囲気も、丁寧に美しく撮られており、まるで別世界のようです。
また安田成美さんの最後の手段、最終兵器にはまさかと思いつつ、全てを悟っている彼女の想いの深さ&潔さを垣間見たようで、いきなりの異和感はあったものの、あとからグッとくるものがありました。
ラストは想像通り赤穂浪士としての誇りをもって『忠臣蔵』を踏襲するのですが、たぶん頭では解っていても心がついていきませんが、『忠臣蔵』である以上これで良かったのだというよりも、どんな時も武士であった彼に、そうさせてあげてほしかったという想いです。
役所さんが武士の顔に戻る場面&回想シーンにはたまらないものがありました。
お伽話のような魅力もあり、竹林の間から日が差し込むこの世のものとは思えない幻想的な光景とともに、
思わず背筋を伸ばしてしまう古典的美しさにも彩られた世界は、静かに心に響いてくる日本人だからこそ描ける世界なのでしょう。
『忠臣蔵』が武士として尊ばれる“死に様”を描いているとしたら、この作品では逆に“生き様”&16年の時を経て甦る忠義の絆を根底に、未来に繋がる前向きな要素が取り入れられているのが新鮮です。
完成度の高い職人芸。
今作の後にも年内は何本か観てるんだけど^^;
年の締めくくりに相応しく素晴らしい作品だった。
(例のサムライシネマキャンペーンもこれが最後)
…なんだろうか、この完成度の高さは。。
主役の二人+娘の見せ場はもとより、
とにかくその場面毎の風情がタダモノではない。
雪(は監督的に萌えるんでしょうが^^;)以外でも、
竹林・紅葉に彩られた四季の美しさ、
古民家の細部まで丹念に作られたセットの凄さ、
所々に挿入される人形浄瑠璃の様式と格式美、
照光の使い方(特にロウソクの灯)の的確な暗さ、
それぞれの衣装の色との相性もバッチリ決まり、
もうまるで、職人芸の世界。
この、要所要所での職人の的確な仕事ぶりが、
俳優陣にも伝わったんじゃないだろうか。更に
的確な演技の役所広司には非の打ちようがない。
彼に主演男優賞をあげたいくらいだ。
なぜこの物語がこういうタイトルなのか、は
彼の名演技で明らかになるが、それにしても…
劇場を出るまで涙がボロボロ流れて止まらない、
私も桜庭ななみ同様、孫左~孫左~(T_T)だった。
討ち入り直前に、大石内蔵助からの密命を受け
「死ぬことが許されなかった」赤穂浪士のふたり。
16年という歳月がどれほど長かったか(あるいは)
愛しかったか、辛かったか…まるで計り知れない。
しかし主君に忠義を尽す、という武士道の魂は
彼らの胸奥にしっかり根付き全く揺らがなかった。
それが故の悲しい結末が「忠臣蔵」となるのだが、
果たして本作の結末は…。
サラリと大石内蔵助を演じた片岡仁左衛門、
重要なお役目を演じた「北の国から」のあのヒト^^;、
美しすぎる安田成美、と豪華な顔ぶれに劣らない、
しっかりと筋の通ったテーマが最後まで続く。
私的に娘・可音とのケンカのやりとりなどが長いと
感じるシーンもあったが、その娘とのいきさつが
走馬燈の如く回想されるシーンでは、涙・涙・涙。。
娘を嫁がせる迄の父の気合と、
忠誠を誓い使命を全うする男。
頑固なまでに筋を通そうとする男を不器用と見るか、
潔いと見るか、扱い難いと感じるか、美しく思うか。
その全てが武士道に通じるような気がしてならない。
(可音が嫁いだのは商家。親心としてはそうなるか…)
日本男児此処に有り
感動感動やな
こうあったという武士の生き方を教えらました。男は自分をすてて主に忠実につかえ、女は見ず知らずの家に嫁に行く。どんなことがあっても自分の感情をすてて、すごいな昔の日本人は。
最後が納得いかない(>_<)
映画では終始、桜庭ななみさんの演技と美しさに圧倒されました。
役所さんも良かったですね。十三人の刺客の役よりもハマっていたと思います。誰かに尽くすタイプなんですね。きっと。
映画のテンポも良く飽きる事なく見れましたが、が、が、しかしあのラストはどうも納得出来ない気持ちでいっぱいです。切腹する前に可音と過ごした日々を思い返すほどなら、思い止まって欲しかった。嫁いだ後も彼が生きていれば支えになったはず。生きて責任をまっとうするのが本当の武士道だと思います。しかしここまで怒りが込み上げてくるほど作品の出来が良かったのでしょう。今年の時代劇映画No.1です。
"侍"の生き様でした
大石内蔵助、もっと先を読んでよ
映画「最後の忠臣蔵」(杉田成道監督)から。
夫婦ペア割引で、一緒に鑑賞した妻は、帰り道で
「大石内蔵助、もっと先を読んでよ」と怒っていた。(笑)
その原因は、大石内蔵助が、
討ち入りの事実を後世に伝えるため生かされた、
寺坂吉右衛門(佐藤浩市)には
「生きて生きて、生き抜くのだ」と命令し、
「これがそちの大事な役目だ」と送り出したにもかかわらず、
自分の隠し子を守るために、密かに討ち入り前夜に逃亡させた
瀬尾孫左衛門(役所広司)には、
「生きて生きて、生き抜くのだ」と命じなかったことに、
納得がいかない様子だった。
目的を果たした武士(孫左衛門)が「武士道」と称して
割腹自殺するのは本人の勝手だが、
赤子から育てられ、全てにおいて頼りにし、恋心まで抱いていたていた
孫左衛門がいなくなったことをのちに知った時の、
姫の悲しみは、計り知れない・・と言うことだろう。
「私が嫁いだから・・」と結婚を後悔するシーンは、私でも想像できる。
だからこそ、大石内蔵助の隠し子を16年間育てた孫左衛門に
「生きて生きて、生き抜くのだ」と命じて欲しかったようだ。
最後の悲しい結末に、横で泣いているのかと思ったら、
その原因となった「もっと先を読まなかった、大石内蔵助」に
憤りを感じていた妻が可愛かった。
秀逸な作品だと思います。
まず、映画館に入って思ったこと。
あらっ、おじいさんおばあさんが多いわね~。
「忠臣蔵」って、日本武士の生き様をしっかり表したものですね。
そんな忠臣蔵の16年後の話。
身分は低くとも、武士として凛と生きる。
誰一人わかってくれる人がいない中、やり通さなくてはいけないこと。
生きることの辛さ、悲しみ。
≪武士とは不自由なもの≫
孫左衛門が守り抜いたのは、可音だけではなく、藩がなくなり、主君を失い、自責の念にかられながら生きる赤穂の元家臣達の、拠り所をも守っていたのですね。
役所さん、佐藤さんは元より、桜庭さんの存在感が話が進むに従って増してきました。
登場された皆さん、素晴らしいと思いました。
俳優さん達だけではなく、セットの素晴らしさにも驚きました。
すべてが、しっくりと馴染んでいるのです。
茶屋四郎次郎の大きな邸宅。店先。庭。
孫左衛門と可音が暮らす粗末な家。かまど。屋根。
夕霧の住む趣のある家。
浪士の遺族が住む粗末な小屋。
新藤のお屋敷。
その違いが、柱の一本であったり、壁の塗り方、剥がれ具合、畳の良さや粗末さ、掛け軸、襖など、隅々まで行き届いていたと思います。
人形浄瑠璃の使い方も、効果的だったと思います。
原作者池宮彰一郎は、晩年盗作嫌疑をかけられたのでしたね。
真偽のほどはわかりませんが、そんな原作者が生きた時代と、孫左衛門の生き様が、何だか重なって・・・、上映終了後も涙を拭きながら、しばらく席を立てませんでした。
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