最後の忠臣蔵のレビュー・感想・評価
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☆☆☆★★★ ※ 鑑賞直後のメモから まかり間違えると大ファザコン...
☆☆☆★★★ ※ 鑑賞直後のメモから まかり間違えると大ファザコン&とんでもロリコン映画になる一歩手前。 『曽根崎心中』の挿入で。一見主君にに忠義を果たしながらも実は…近親相姦一歩手前でも在ります。 そんな隠し味は演出上で意図したものなのかどうか…。 でもお互いに死ねなかった事で、逆に大きなものを背負わされていた男の人の悲哀は、よく描かれていたと思う。 そこは素直に泣かされました。 でも物議は醸しそう。 2010年12月23日 TOHOシネマズ西新井/スクリーン8
評価が高い作品・・
日本人が好きな赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件を題材にしたドラマである。レビューを読んでみると評価が非常に高い。これは日本人の心の中に武士道の精神が尊いものとして捉えられているからだろう・・映画を観て、吉右衛門や孫左衛門の生き方に素直に感動出来る。外国人には理解不能な点もあるに違いない。今の日本人は、徴兵制度も無く個人が自由な考え方と生き方を選択出来る。自由でなく合理的でないものは排除できる。特攻や武士道の死をもって自己を主張することもない。映画だが、役所広司と佐藤浩市の演技は上手い。これから時代劇に引っ張りダコだろう。最後にストーリーだが、妾の娘であっても武家の出であることには間違いなく、豪商と云えども商人に嫁ぐということがあるのだろうか?士農工商の身分制度が歴然としていた時代である。原作の小説が手元にあるので読んでみたい・・2010年の邦画。
これぞ武士道
他の時代劇をたくさん見てきたわけではないけれども、この作品以上に武士道というものを表現した映画はないと思う。それほどまでに武士の生きざまが描かれていた。 忠臣蔵ファンはもちろん、時代劇に興味の無い人にも必見の作品と言える。
人形浄瑠璃も勉強しないといけませんな。桜庭ななみちゃん可愛い
討ち入り後16年も経った時のお話とは。 佐藤浩市が主演かと思いきや役所広司が主演でした。 桜庭ななみちゃんも可愛いが、安田成美さんが綺麗。 いい映画です、外国人には受け入れられない話だろうけど 最後の切腹シーンは凄かった。
家臣としての生き様と死に様
元禄の世に討ち入りを果たした赤穂義士討ち入りの話(以降、ここではあえて「忠臣蔵」とする)は、江戸時代から脈々と日本人に受け継がれてきた。その中心的な役割を果たしたのが、歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』である。
この『仮名手本忠臣蔵』からして、討ち入りとは直接関係のない「お軽勘平」という悲恋のサイドストーリーを盛り込み、成功しているのだが、歌舞伎では、「忠臣蔵外伝」として様々なサイドストーリー、いま風に言えばスピンオフを生み出した。その代表例が、「お岩さん」の『四谷怪談』である。本作は、そんな「忠臣蔵外伝」である。
瀬尾孫左衛門という実在の人物が主人公。瀬尾孫左衛門といえば、忠臣蔵が好きな人の間では、とてもメジャーな人物である。彼は、赤穂浅野家の家臣ではない。瀬尾は、あくまでも大石内蔵助の家臣であって、浅野家にしてみれば陪臣でしかない。つまり、本来は、他の赤穂浪士のように浅野内匠頭という殿様の仇討ちに参加する資格がない。
そこを、大石内蔵助に懇願し、特別に仇討ちの盟約に加わらせてもらった。ところが、討ち入りの日程が決まってから、いざ討ち入りという段になって、2日前に脱盟した。矢野伊助という足軽の男とともに、最後の脱盟者である。赤穂義士討ち入りの中心人物である大石の家臣であり、大石の信頼を得ていたとされ、特別扱いされたにも拘らず、直前になっての裏切り行為は、多くの忠臣蔵関連のストーリーの中で取り上げられている。
本作の原作者である池宮彰一郎は、この瀬尾孫左衛門の行動を「裏切り行為に見えたが、実は大石内蔵助から特別な密命を受けていた」と解釈して独自のストーリーを構築した。
史実の討ち入り事件は「赤穂四十七士」とされるが、そのなかで唯一の生き残りが、寺坂吉右衛門という男だ。この男は、討ち入りの後に赤穂義士たちが泉岳寺にある浅野内匠頭の墓へ向う途中で、どこかに消えたとされ、赤穂義士たちが切腹による死罪となったのに対して、それを免れて生き残った。
この人物がなぜ生き残ったのかというのは諸説あるのだが、忠臣蔵モノの多くでは、この寺坂吉右衛門が、大石内蔵助から歴史の生き証人として、討ち入りの様子を正確に伝えるという役割を得ていたという創作をしている。本作もまた、その創作を前提に、寺坂吉右衛門が日本全国に散った浅野家家臣の遺族に、大石から預かった見舞金を届けるために行脚するという話から物語が始まる。
討ち入りから16年後、ようやく遺族の家をすべて回った寺坂吉右衛門は、十七回忌法要が行なわれる京へと向かう。その道中で、討ち入り直前に遁走した瀬尾を見つける。瀬尾と親しかった寺坂は、その真相を知ろうとするが、瀬尾は友人である寺坂にすら逃げた理由を明かそうとしない。
実は、瀬尾は大石内蔵助が妾との間にできた娘を育てていたのだった……。
前置きが長くなったが、とても良い映画だ。
「忠臣蔵」という美談の裏には、実は生き残った者たち悲劇がある。討ち入り後、江戸を中心に赤穂義士の忠義が美談として持てはやされる。それは全国にも飛び火する。討ち入りした遺族たちは、犯罪者の遺族であるにも関わらず、様々な支援を受けられたと言われる。子どもがいる家では、大名に家臣として取り立てられたケースもある。その一方で、討ち入りに参加しなかった元赤穂の家臣、とくに討ち入りの密盟に加わりながらも、途中で脱盟した人物たちは悲惨だった。一生、身分を隠して過ごす者も少なくなく、家族に言われて討ち入りを断念したにも拘らず、討ち入り後にその家族から勘当された者もいる。
劇中で、月岡治右衛門(柴俊夫)が、瀬尾孫左衛門(役所広司)を罵倒し袋だたきにするシーンがある。しかし、月岡自身が、相当に悲惨な体験をしていたはずである。その恨みつらみを、浅野家から見れば陪臣であり、身分が低く、裏切り者の代表者である瀬尾にぶつけているのだ。
そうした「生き残った元浅野家家臣」の悲劇が、このドラマの背景にある。
原作では、もっとミステリー仕立てになっているが、そこは2時間強でまとめるために、実に上手く整理している。徹底して、瀬尾と、大石の忘れ形見である可音(桜庭ななみ)との関係性にクローズアップした事が効果的に成功している。
原作にはない人形浄瑠璃の描写も効果的だ。この人形浄瑠璃の演目は、男女が道ならぬ恋の果てに心中する『曾根崎心中』だ。江戸時代、忠臣蔵とともに、爆発的にヒットしていた戯曲である。
この人形浄瑠璃を度々写し込む事で、まるで瀬尾と可音の間に、道ならぬ恋愛感情があったのではないかと匂わせる。しかし、ハッキリとそれは示さない。
瀬尾は、大石との約束通り、可音を伝説的な豪商・茶屋四郎次郎の息子に嫁がせる。その婚儀が終わらないうちに、瀬尾は一人で可音と暮らした山奥の自宅に戻る。そこに、人形浄瑠璃の映像を挿入する。ここで示唆されるのは、「心中」=自害である。つまり、「道ならぬ恋」として『曾根崎心中』を利用しているだけでなく、瀬尾が最終的に切腹する事を暗示させるために、『曾根崎心中』を使っているのだ。
そして瀬尾は、見事、一人で切腹を果たし自害する。
瀬尾は、自分が討ち入りに参加した赤穂義士の一人であるという自負を16年間抱きながら生きてきた。自分に与えられた役割は、討ち入りで吉良上野介を殺す事ではなく、大石が無事に討ち入りを果たせるよう、大石の家臣として彼の心残りを解消するため、隠し子を無事に育てる事。その役割を全うする事を支えに生きてきた。
役割を果たした赤穂義士にとって、最後にすべき事は、大石たちと同じく切腹し、大石の待つあの世に行って、自分の役割を果たしたと伝える事。
まさに「最後の忠臣蔵」である。
この創作劇の中で、もし瀬尾が死ななければ、瀬尾は美談の一人としてもてはやされる立場になったろう。何よりも茶屋四郎次郎の後ろ盾を得た事になり、一生遊んで暮らすことも出来たはずだ。しかし、瀬尾はそんな残りの人生を選ばなかった。
「武士として忠義とは何か」
瀬尾の16年の生き様は、まさにその事を見せつけるものだ。
原作ではもっと重要な扱いを受けている寺坂吉右衛門(佐藤浩市)が、小さい扱いになっているのは残念だが、映画化の整理の都合上、致し方ない。ただ、そんな寺坂は、大石から生き残るという役割を与えられた設定である。瀬尾の最期を看取った後も、寺坂は自害する事は許されず、役割を果たし続けなければならない。
瀬尾が最期に切腹して自分の役割を全うした事に対して、生き残る役割を与えられた寺坂。この対象が、本作を見終わった後に深い余韻を残す。
2000年頃から時代劇の新時代とも言える。様々な秀作・良作が生まれたが、本作の出来はその中でも特筆できると思う。
ドラマ『北の国から』の演出で有名な杉田成道が監督しているが、本作で映画史にもしっかりと足跡を残したと言える。
役者について言えば、役所広司が素晴らしい。元花魁を演じた安田成美も良かった。
また、長沼六男に撮影も素晴らしい。『魚影の群れ』『学校シリーズ』『たそがれ清兵衛』など、素晴らしい映像をたくさん残しているが、本作の映像もまた、長沼の代表作だと思う。
けっけっ傑作だー
す、す、素晴らしい。 日本映画も捨てたものではない。 近年稀にみる傑作。 日本人とは何か、日本とは何か。 生きるとは何か。つくづく考えさせられる。 日本映画の傑作、雨月物語までも彷彿させる素晴らしい傑作。
感動するけど、残念ながらあまり面白くない。
忠臣蔵とからめて、泣ける演出がかなり入っていて、役所さんの演技もうまく、その辺はいいと思った。 ちょっとやりすぎだろうと思うところもあったけど、まあまあ感動できた。 でも、残念ながらおもしろくない。 派手なチャンバラもないし、魅力的な悪役も出てこない。 いくら時代が違うとはいえ、登場人物が全員善人というのはないと思う。(全員悪人はありえるかも?) 最初の方の、なにか危ないことが起きそうなワクワク感が、見ているうちにどんどんなくなって、先が見えてしまった。 役所さんの演じている孫左衛門もちょっといい人すぎる気がする。 演技はうまいんだけど、キャラクター的に、人間らしい煩悩というか、迷いみたいなものが、まったく感じられなかった。 この映画の場合、究極的ないい人でないと、泣かせる演出ができないから、しょうがないのかもしれないけど、どう見ても人間離れしている。 一番気になったのは、ラスト。 すごくかっこいいし、泣かせるんだけども、それは違うだろうという気がした。 むしろここからが本番、これからいろいろ問題が起こりそうな気がするんですけど・・・?
ななみちゃんの演技に脱帽
忠臣蔵が日本人の根底にあると思わせる映画。忠義、人情、本当によく表している。 そんな中で見せる愛情。美しい日本の風景をバックに。とにかく深い。いろんな形の愛情ってあるんだなと思った。 しかし、桜庭ななみちゃんの美しさ、演技の素晴らしさ。 涙を流し放題だったり、寸止めでこらえたり。自在という感じだった。なんでそんな演技できるんだろう。って思いました。 とにかく彼女、すごいです。
普通
直前に観てたTV時代劇「上意討ち」(田村正和主演)の方が一瞬も飽きさせなかった。何度途中で見るのやめようと思ったか。主人公が切腹するシーンは泣いた。歳とって涙腺が脆くなったからだきっと。区切り区切りで出てくる文楽人形を出す事の演出意図がわからず「(演出が)下手だな」と思った。役所さんは「KAMIKAZE TAXI」を見て以来の私の中で「最も注目すべき俳優」の一人だがその究極のオーソドックを極みつまりケレンミが足りない所が時々残念に思うところではある。今回もご他聞にもれず。
素晴らしい作品、邦画の雄!
まず、素晴らしい作品に出会えた興奮を皆に伝えたい。
不覚ながら、涙が止まらなかった。
素晴らしい、確かな演技力と、シナリオ、音楽。
そして、美しい季節の移り変わりの描写。
全てが近年の邦画の中では最高の評価としたい。
役所広司はもう流石の主役の演技力。重鎮です。
信念を貫く、忠義の男を実直に演じています。
それに、ストーリー上のカギとなる熱い男、佐藤浩市。
これまた、必要以上に重要ながら、さりげない演技。
最後に新人とはとても思えない、繊細な演技の桜庭ななみ。
この3人の紡ぐせつないも、感動的なもう一つの忠臣蔵。
いやーもう、これは凄すぎる。
正直、表題からは想像もつかない面白いストーリーでした。
何となく、年末になるとえんえん繰り返される、
おなじみの忠臣蔵かと、思っていたので、「おや?」
という感じで魅入ってしまいました。
冬、秋、春の季節感もうまく取り入れた絵面もきれいで
BGMとマッチしてこの作品の魅力となっています。
仕えた主君の為に、「卑怯者」と罵られても
自分の意思は捨ててその想いに一心に応える。
まさしく、忠義の人をこんなシナリオで演じるなんて・・。
嫁入りのシーンで自分は不覚ながら涙が止まらなかった。
娘の嫁入りがダブったのではない。男が生涯を賭けて
打ち込んだ結果がはっきりと出たからだ。
誰にも打ち明けられず、孤独で自分の心(気持ち)さえも
隠して打ち込んだつらい、つらい16年を思っての
我が涙である。
また、それを察した佐藤浩市の想いもその感情にさらに
感情を湧き起こす。
女の気持にも揺らがず、最後は自害して主君の元に逝く。
むしろ異常な同性愛的な重いさへ感じてしまう。
だが、私は思う「ザ・サムライ」とはこうあるべきなのだ。
男の生き方はこう有るべきかな。
そして、その爪の垢でも煎じて飲む様にしたい。
満足感一杯でした。
演技が映える!
アクションシーンがほとんどないため、役者の人たちの演技がとても映えていました。どのシーンをとっても素晴らしかったです。
改めて役所広司という俳優のすごさを実感しました。
他の役者さんたちにもとても目をひかれました。
「忠臣蔵」に詳しくない自分は、討ち入りから何年もたったのに、切腹しなければいけなかったのかと思うと同時に、新たに大切な人を作り、その人と幸せに、自分が育てた子の将来を見守るという選択はできなかったのかと思いました。
しかし、嫁入り行列のシーンでもわかりましたが、それだけ大石という人は素晴らしい人間だったのでしょう。
全体を通して静かな作品ですが、それによって登場人物たちの心情が浮き彫りになったように思います。そして役者の人たちの素晴らしい演技や、カメラワーク、音楽によってとても美しい映画になっています。最後までとても楽しめました。
時代劇ブームの真打ち
生き残った2人の武士に託された使命の重さを日本の美しき四季となぞらえ、繊細にかつ壮大な人情噺に仕上がっており、昨今の時代劇ブームの真打ちと評しても過言ではない力作で最後まで大号泣し、涙がとまらなかった。
『忠臣蔵』ならではの武士道を貫く男臭さと、人形浄瑠璃を取り入れた語り口はチョイと堅苦しいかな?と出足に不安を持ったが、敷居の高さを感じさせず、世界観に心酔できる。
純粋に感動できたのは主役2人のストイックな侍魂、協力する太夫の安田成美、上司の伊武雅刀etc.周囲の粋な計らいもさることながら、主君の忘れ形見の姫御陵・可音様を可憐で瑞々しく演じた桜庭ななみの眩しいぐらいの存在感。
全ては彼女に尽きる。
ストーリーとは別に、彼女にも百点満点。
つまり、今作は2百点満点である。
では最後に短歌を一首
『討ち入りの 果ての天命 尽くす四季 華と刀は 運命に染まる』
by全竜
クオリティはなかなか
映画としての完成度の高さに感心しました。 ちらほらと指摘されているようですが、カメラアングルが微妙で巧妙、勧善懲悪お涙頂戴これみよがし的に接写のオンパレードなんて皆無、淡々としたやや引いた位置取りが観る者にとても安心感を与えてくれます。 役所浩司さんもよかったが、佐藤浩市さん光りました。 世俗と隔絶したお嬢様役を好演、桜庭ななみちゃん、ひょっとかすると化けるかも。 大向こう張った時代劇とは一線を画する、溝口~小津テイスト溢れる好作といえましょう。
すごくいい!!!
期待しないで1000円の時に見たのですが、日本の武士の心意気をすごく感じる★素敵な映画です!!! 役所さんと桜庭さんの切ない感じがものすごく泣けます。 ぜひ、いろんな人に見てほしい映画です♪♪♪
素晴らしい!
内容、演技、ともに素晴らしかった、なんの期待もせず見に行きましたが、あっという間に終わってしまった。カメラは長回しで表情の変化を捉え続け、感情がひしひしと伝わってきます。最後に主のもとに行けたのは本人にとって幸せであったのだろうと思った。 かたくなでけなげ、武士道とは美しく悲しい
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