告白(2010)のレビュー・感想・評価
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奇跡
予告動画を見ると、たった数分なのにあまりにも衝撃的で
観るまでに15年もの時が経過していた
最初の30分
激しい苦しみが胸をえぐる もうこれで終わってくれと思った
怖かったのは生徒達
まだ未熟な物差しで、友人や先生、親達の審判となりジャッジする
そして自分のことは棚に上げて感情のまま実際に行動に移す
集団で行うことで、その罪の重さを感じない……
恐ろしいのは親達
我が子可愛さあまりに、他人の言うことが耳に入らず溺愛してしまう
それは子供への愛ではなく、自己愛にすぎない
でも、最も恐ろしいのは、そうなるように仕向けた国である
分断! 無力! 攻撃!
世界に類を見ないほど教員を多忙にし思考力を奪う
偏った教科書で教える内容も限定し強制する
ストレスの溜まった教員の残虐な事件をことさら取り上げ
親の教員に対する信頼を地に落とし、分断へ
勿論、子供も追随する
パワハラ・セクハラを浸透させ、教員から躾の場と力を奪うだけでなく
少年法の改正によって子供第一主義を徹底
銃を取り上げられた警官や、攻撃されないと反撃できない自衛隊と同じ
我が子の言うことだけを信じ
教員には人権さえないかのような攻撃的な言動の数々も当然のごとく許され、
それらはSNS時代に加速度を増す
という思いを巡らしていた
が、しかし その続きには、唖然とした 戦慄が走った
人をあやめることを何とも思わない生徒が、1クラスに2人もいたなんて!!
薬を集める女子生徒、そして、
屋上でいじめを繰り返しておきながら人には「お前、反省してないだろ」と罵る奴も
いじめることに正義感さえ感じている輩も
極めつけは、悠子の真の復讐★ でも・・・
見終わった時に、なぜかスッキリしてしまう自分もいた
こんな日本で、子供がまともに成長したら奇跡に近い
宝くじが連続で当たるよりも凄い
やはり結論は、最も恐ろしいのは、そうなるように仕向けた国である
PS 幼い頃の芦田愛菜が可愛い!
木村佳乃はいつも冷徹な役ばかりで、そのイメージが固定されてしまった
松たか子
松たか子の演技が好きです。だから観れました。未完成な思春期の危うさがリアルに描写されていて、その点では面白いと思います。映画として面白いかと言われれば…(?)ですかね。
内容は、救いの無い話。子を持つ親としては、劇中の松たか子の行動に理解してしまう自分がいます。
【80.4】告白 映画レビュー
作品の完成度
中島哲也監督の個性的な映像美と湊かなえの原作が持つ強烈なテーマ性が高次元で融合した、2010年代の日本映画を象徴するマスターピースのひとつという評価。単なる復讐譚や少年犯罪ものにとどまらず、現代社会の闇、無関心、コミュニケーションの欠如、思春期の残酷さをえぐり出す。
原作の一人称告白形式という構造を、複数の人物視点によるモノローグと、中島監督特有のスタイリッシュかつケレン味あふれる映像表現で映画的に再構築することに成功。特に冒頭、森口悠子が生徒たちに静かに語りかけるシーンから、既に観客は逃げ場のない緊張感に囚われる。R15+指定を受けた、いじめや暴力の描写は観客に不快感や衝撃を与えるものの、それは物語が描く人間の負の感情の深さを映し出すための不可避な表現。映像、音楽、編集が一体となり、終始張り詰めた空気と独特の美学を維持したまま、ラストの強烈なカタルシス(あるいは虚無感)へと導く構成の巧みさが群を抜く。
第34回日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞の4冠を達成した事実は、業界内での本作の完成度に対する高い評価を裏付ける。また、第83回アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表作品に選出され、第1次選考9作品に残った点も特筆すべき実績。プチョン国際ファンタスティック映画祭での審査員特別賞受賞もあり、国内外でそのクオリティが認められた。
監督・演出・編集
中島哲也監督の徹底した美意識が全編を貫く。全編にわたる暗く彩度の低いトーン、スローモーションの多用、そしてポップな音楽と陰惨な描写の対比といった、中島監督の代名詞とも言える演出技法が、本作のダークな世界観を構築する上で完璧に機能。教室という閉鎖空間、曇り空、廃墟のような校舎の映像は、登場人物たちの心の閉塞感と救いのなさを象徴。モノローグ主体の物語を、視聴覚に訴えかける強い映像表現によって、飽きさせずに引き込むエンターテイメント性と芸術性を両立させた手腕は、高い評価を受けるべきもの。
編集は、複数の視点が切り替わる原作の複雑な構造を、巧みなカットバックとテンポで再構成し、緊迫感を持続させた。小池義幸による最優秀編集賞受賞は、物語の核心に迫るための緩急とリズムを生み出したその手腕に対する正当な評価と言える。
キャスティング・役者の演技
キャスティングは、松たか子という異色の配役を主役に据え、その周囲を実力派俳優とフレッシュな若手で固めるという、中島監督作品らしい組み合わせが功を奏した。
森口悠子(松たか子)
主演の松たか子は、感情をほとんど表に出さず、静謐な中に深い憎悪と悲しみを湛える中学教師・森口悠子役を見事に体現。その冷徹さと、娘を失った母親としての狂気じみた執念が同居する複雑な役どころを、終始淡々としたトーンで演じ切ることで、かえって観客に強いインパクトを与える。従来の松たか子が持っていた優しく清潔なイメージを完全に裏切ったその演技は、役者としての新境地を開拓し、本作の成功の最大の要因のひとつとなった。特にクライマックスでの鬼気迫る独白は、日本映画史に残る名演として讃えられるべきもの。
渡辺修哉(西井幸人)
殺人犯のひとりである少年A、渡辺修哉を演じた西井幸人は、純粋な知的好奇心から行動を起こす天才肌の少年の危うさと、母親からの承認欲求に囚われた脆い内面を繊細に表現。その空虚さと孤独が、物語全体の陰鬱さを深める。
下村直樹(藤原薫)
同じく殺人犯である少年B、下村直樹役の藤原薫は、自尊心の低さと過保護な母親への依存から、集団の中に埋没しようとする少年の葛藤と暴走をリアルに演じた。内向的で影のある存在感は、物語の悲劇性を際立たせる。
北原美月(橋本愛)
橋本愛が演じた北原美月は、クラス内で孤立しながらも、事件の真相を探ろうとする冷めた知性を持つ少女。その儚げでありながらも芯の強さを感じさせる存在感は、松たか子の森口とは異なる意味で、観客の視点を担う重要な役柄。透明感のある演技は、残酷な世界観の中に一筋の光と、それ故の更なる悲劇をもたらす。
寺内直樹(岡田将生)
森口の後任として2年B組の担任となる熱血教師、通称「ウェルテル」を演じた。善意と理想論だけで行動し、生徒たちに過剰な介入と明るさを持ち込もうとする空回りする若者の姿を体現。松たか子演じる森口の冷徹さと対比的に描かれ、物語の陰惨な展開を意図せず加速させるトリックスター的な役割を果たす。その軽薄さと無神経さが、現代の教師像に対する皮肉を込めて描かれている。
渡辺の母(木村佳乃)
木村佳乃が演じた渡辺の母は、息子への過剰な愛と歪んだ教育熱から、息子を精神的に追い詰める母親の役。狂気を帯びた笑顔と、息子への執着を、悲劇的なコミカルささえ漂わせながら演じ切り、物語の緊張感を一時的に増幅させる助演の妙を見せた。
脚本・ストーリー
湊かなえの衝撃的な原作を、中島監督自身が脚色。原作の一人称リレー形式を活かしつつ、映画ならではの時間軸の再構成や映像的な表現を加えて、重層的なミステリーとして完成させた。「娘を殺したのは、このクラスの誰かです」という一言から始まる物語は、復讐、いじめ、家族愛、少年犯罪、承認欲求といった現代的なテーマを多角的に描き出す。登場人物それぞれの**「告白」によって、多面的な真実が浮かび上がり、観客は誰の言葉を信じるべきかという倫理的な問いを突きつけられる。原作にはない映画独自のラストシーンの追加は、賛否両論を呼んだものの、森口の復讐の完遂と、その後の虚無を暗示する強烈な締めくくり**として機能。
映像・美術衣装
中島監督作品の特徴である、スタイリッシュで計算され尽くした映像美が際立つ。佐藤憲治による美術は、灰色の空と薄暗い校舎という陰鬱な舞台設定で、登場人物たちの抑圧された感情を視覚的に表現。色彩の抑制と光の扱いが、物語の冷たさを強調する。制服などの衣装も、現実の学校生活に即しながらも、登場人物のキャラクターを際立たせるように計算されている。グラフィックデザイン的なテロップの使い方など、中島監督特有のポップな要素が、物語の陰惨さと対比的に挿入され、独特のリズム感を生み出している。
音楽
音楽もまた、本作の世界観構築に不可欠な要素。特にRadioheadの**「Last Flowers」を主題歌**(挿入歌的に使用)として採用したことは、作品の陰鬱で孤独な雰囲気を象徴的に表現。The XXやBorisといった国内外のオルタナティブなアーティストの楽曲が効果的に使用され、ポップでありながらもどこか不穏な空気を醸し出す。この非日常的な音楽と日常的な学校風景のギャップが、物語の異様さを際立たせる重要な演出となっている。
作品
監督 中島哲也 112.5×0.715 80.4
編集
主演
松たか子A9×3
助演 木村佳乃 B8
脚本・ストーリー 原作
湊かなえ
脚本
中島哲也
B+7.5×7
撮影・映像 阿藤正一 尾澤篤史
A9
美術・衣装 桑島十和子
B8
音楽 金橋豊彦B8
いのちだいじに
やるせない気持ちになりました。。。
『8番出口』の公開予告番組を見ていたところ、川村元気監督が過去に企画として携わった作品として紹介され面白そうだったのと、公開当時話題になっていたことがなんとなく思い出されて観てみることにしました。
主演の松たか子さんとの出会いは、大好きなシリーズでDVDボックスも買い揃えているドラマ『古畑任三郎』でした。山城新伍さんが犯人ゲストの回でその娘さん役で初々しい演技を見せてくれましたが、若いのに存在感のある人だなあと思ったら後に松本白鸚さんの娘さんだと知りなるほどと思った次第です。
『告白』というタイトル通りひとつの事件に関係者ひとりひとりが告白していくスタイルのシンプル具合に序盤こそ退屈さを覚えていたものの、真偽が入り混じったそれぞれの告白に各個人の寂しさや身勝手さ、やり切れなさが滲み出てどんどん引き込まれ救われない気持ちになっていきます。
不安定な中学生という自我が芽生える年頃が故の自己顕示欲、この作品ほど酷くは無いにしても多かれ少なかれ私も含めて観た人は共感を覚えるとともに、自身がこのクラスの誰かには当てはまるのではと思います。
15年も前の作品ですが後に大活躍される俳優さんがダイヤの原石の如く多数出演されています。
橋本愛さん、のん(能年玲奈)さん、三好彩花さん、そして山口馬木也さん、ほか皆さん当然お若いですが、光る演技で存在感バリバリです。
更にまだ幼少の芦田愛菜ちゃんの可愛さと演技力はこの頃からスゴイの一言です。
原作は本屋大賞の受賞作とのことですが、『8番出口』公開のおかげで思わぬ拾い物をした気持ちです。
どこにでもいる山口馬木也
それぞれの事実
松たか子演じる担任の先生の娘が、受け持つ生徒の誰かによって殺された。先生は犯人を公にはしないものの静かに復讐を実行し、生徒達が翻弄されていくストーリー。
離れ離れになった母に愛されたくて、科学的に色んな代物を作る頭脳明晰なAと、なんとなく優しさとあどけなさが垣間見えるBの少年2人。
2人とも同じ罪を犯した様で実は違っていて、その事でのすれ違いや錯綜、混乱するクラスの雰囲気。
亡くなった先生の娘を思って犯人を執拗に虐めるクラスメイト達。
熱血な様でどこか間違った方向に行ってしまう新任の熱血教師。
ストーリー全体で見ればあり得ない様だけど、一つ一つ見てみるととてもリアリティに溢れていると感じた。
主観的でなく、色んな人の視点でストーリーを観れたのも面白かった。
ラストシーン、(携帯電話のボタンが爆弾のスイッチになっていたコードを)切りました。と松たか子は言っていたのでてっきりもう爆発しないものかと思っていたら、結果少年Aの母親の職場を爆破させていて。
コード切ったんじゃなかったの?そこまで爆発する?と最後の最後で疑問が残りました。
本作は思春期の出口の見えない無間地獄を描いていたのかも知れません
告白
2010年公開
誰しも思春期にかかる中二病に、いい歳した大人なのに、またかかったような嫌な気分です
何か変なクスリを飲まされでもしたかのように、視野狭窄に陥りました
全ては中二病がなせる妄想なのかも?
なーんてね
そう最後に言われたかった
冷静な大人ならバカバカしいと一笑に付すストーリーを全て受け入れてしまうのは一体何故なんでしょうか?
それは監督の演出の上手さに尽きるとおもいます、傑作です
そして、やはり冒頭の松たか子の告白の迫力が桁外れだったからでしょう
あの年代だった頃の自分を思い返して、冷や汗がでるような、あの頃の思い出したくない嫌なことをほじくり返されて鼻先に突きつけられたような心地悪さ
本作は思春期の出口の見えない無間地獄を描いていたのかも知れません
自分は二度とあの頃には戻りたくありません
何でもできるという根拠のない無敵感、ほんの僅かしかない経験値、背負う物の無い身の軽さは安易で軽はずみな思考をそのまま行動や言動に移してしまっていました
恐ろしい年代です
繰り返したくもない
それなのに振り返ってみれば人生でもっとも大事な時期であったとつくづく思います
それを大事にしないでいたから、こんな大人になってしまった
そんな後悔も大きいのです
エンタメより
この映画の凄さは、映像の陶酔感かも
原作は湊かなえの小説で、2009年本屋大賞に輝いた。
娘を、自分が担任をしていた中学生に殺された女性教師の復讐を描くというショッキングな作品。主演は松たか子。監督は、「嫌われ松子の一生」で独自の世界を作り上げた中島哲也。
期待以上の、鋭い感覚(感性)と完成度の高い傑作。
スタンリー・キューブリックの「時計じかけのオレンジ」と「シャイニング」を彷彿させる。「時計じかけー」のアクションの華麗さ、それに白を基調とした色彩の使い方で、派手さより抑えた色調が、なんとも血の濃い赤を感じさせるところは「シャイニング」を思い出す。
演技、映像、音楽、すべてがしっかり監督が吟味して作られてるところもキューブリックを彷彿させる。
アクションが(これほど日常のものを扱いながら)、華麗にハイスピードでしっかりと決まり、それ自体の映像だけでも、見ていて心地よい。子どもをプールに投げるとき、子どもが孤を描いてプールに落ちてゆく様は、ストーリーを超えて見ていて心地良い。 そんなシーンが随所に見られる。
それに音楽の使い方、効果音の使い方、どれも唸ってしまう。当然、子役を含め演技も、過不足ない。ラストの少年Aの叫びも素晴しい。
映像の陶酔感のある映画だった。内容よりも、その点が私には、この映画の凄さだと思う。
それで、内容-。
私は、映画を見終わってすぐに原作本を読んだ。
映画は、この原作をうまく、また原作の衝撃も余すことなく表現していたと思う。
原作は、この現代の教育、子育てを鋭く、寓話として描ききったことに感嘆してしまう。問題を提起した点も、その問題をストレートに伝わるのは、やはり原作だったというのが印象。原作はラストも、突き放した感じが凄い。
~~ 詳しく書くと、
「原作」では、最終章の前の章が、少年Aの告白なのだが、真相が分かる直前で、終わる。それで、最終章が担任だった森口先生の告白になるが、徹底的に少年Aを糾弾し、少年Aの反応はまったく描写されずに終わってしまう。その点が「突き放した感じ」がした。
「映画」は、当然映像でその両者を映し出しながら、描ききるので、少年Aの反応がそのまま映画的なインパクトとなる。それは、映画的だけれども、どこか、原作より救いがあるように思えた。その後の彼を想像できるように思えたから。~~
映画はあまりに映像の出来が良すぎて、メッセージ部分が華麗な映像美に心を奪われてしまい、弱くなってしまったのかなと思う。原作のほうがストレートに伝わると思った。
それでもこの映画は、身近な問題を扱った現代の痛い痛い、傑作だと思う。
3〜4度目 久しぶりに観たけどこれはすごい何度観ても 脚本から構成...
3〜4度目
久しぶりに観たけどこれはすごい何度観ても
脚本から構成から演技から全てがすごい
音楽で演出する映画嫌いだけどこれは音楽もすごい
完璧すぎて観終わった後の喪失感みたいなものがくる何度も観ているのに
この映画でしか味わえない感覚があるのは間違いないしこの先の人生でまた何度も観るはず
まじでやばい
みんな闇を抱えている
松たか子怪演
怖かった!
いや!ずーっと避けてました。湊さんの話は、えげつない。恐ろしい。松たかこさん、怖い。とことんやるな。
橋本愛ちゃん可愛い。のんは、干された時かな?
知ってる顔もありました。岡田将生が、うっとうしく演じてたね。
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