サマーウォーズ : インタビュー
学校の憧れの先輩に頼まれ、夏休みに彼女の田舎へ行くことになった内気な主人公・健二が、世界滅亡の危機を救うために奮闘することになる映画「サマーウォーズ」。健二役は、役者として着実に成長を遂げている神木隆之介。その先輩・夏希の声を演じたのは、08年のデビューからわずか1年ながらも、すでに人気急上昇中の桜庭ななみ。劇中同様、1歳年上の桜庭を神木が「ななみ先輩」と呼ぶ和やかな雰囲気の中、2人に語ってもらった。(取材・文:鴇田崇)
神木隆之介&桜庭ななみ インタビュー
「映画の健二と同じように、可能性に賭けて生きていきたいです」(神木)
「周りに話せないことでも、家族なら話せますし、頼ってこその家族ですよね」(桜庭)
――最初に完成した「サマーウォーズ」を観たときの感想はいかがでしたか?
神木:「想像以上の面白さでした。音楽や映像がすごくて、スッキリした終わりかたも心地よかったです!」
桜庭:「『サマーウォーズ』のテーマの1つになっている、家族の絆に感動しました。わたしは家族と離れて暮らしているので、あらためて家族パワーってすごいなと思えた作品でした。わたしも夏休みに親戚みんなで集まってバーベキューとかするので、映画と同じ光景に懐かしく思いました。あそこまで大人数ではないですけどね(笑)」
神木:「僕の親戚も夏休みには集まります。映画のようにみんなでご飯を食べたり、お正月も一緒ですし、映画の栄おばあちゃんと同じように、誰かの誕生日に集まったりします。陣内家と似ています(笑)」
――細田守監督との仕事はいかがでしたか?
桜庭:「わたしは声優初挑戦だったので、何度もテイクを重ねてしまい、周りの方にはご迷惑をおかけしましたが、監督は少しだけでもいいところを見つけて、ほめてくださる素敵な優しい監督です。細かい演出も分かりやすかったです」
神木:「僕も緊張しましたが、細田監督が怖いぐらいにほめてくれるんです(笑)。たまに失敗をしたとしても『いまの感じよかったけれど、もう1回行ってみよう!』みたいな感じなんですよ。ななみ先輩もおっしゃったように、僕もテンションが下がることなく、アフレコを乗り切れたと思います。僕はコミカルなシーンもあったので、絶対にテンションが下がったらいけなかったんです。それと、健二は最初はひ弱ですが、後半はどんどん強くなり成長していく主人公なので、声に芯を持たせて演じるように言われました」
桜庭:「神木君は気を使ってくださって、私が1つ年上なので、ずっと『ななみ先輩』って呼んでくださって、緊張しているわたしをリラックスさせてくださって、すごいやりやすかったです(笑)。実はそう呼ばれるまで、最初は全然話せなかったんです」
神木:「最初は『桜庭さん』だったけれど、距離があるような気がして(笑)。途中から『ななみ先輩』って呼ぶようにしました。そうしたらすんなり話せるようになったんです」
桜庭:「私がいつもテレビで見ていた大先輩の神木さんから『ななみ先輩』だなんて、不思議な感じでした(笑)」
――「サマーウォーズ」にはいろいろなメッセージが託されてますが、今回一番学んだことは?
神木:「あきらめないことです。無理だと思うことでも、可能性が1%未満でも残っていれば、トライする価値があると思い直しました。映画の健二と同じように、可能性に賭けて生きていきたいです! そして、やるからには、最後までやり遂げたいと思いました。いままではあきらめてしまうことが多かったのですが(笑)、絶対に無理でも、何か手はあるはず! そういう考え方を持ちたいと思いました」
桜庭:「この『サマーウォーズ』を通して、家族がいれば乗り越えられるという、家族のパワーや大切さをあらためて感じました。周りに話せないことでも、家族なら話せますし、支え合ってこその家族ですよね」
神木:「それと、映画に描かれているOZ(オズ)みたいなインターネット上の仮想空間の世界については、インターネットの良い部分と悪い部分を描いた上で、基本的にはいろいろな人たちと関われるという意味で、いいこととして描いていると思いました。全否定はせず、でも、危険な部分もあるよって。わかりやすく描いているところがいいと思いました」
桜庭:「わたしもそう思います。わたしは悪いサイトや悪い人たち引っかかっちゃうような予感がするので、ちょっと怖いですけど(笑)。ただ、インターネットには良い部分がたくさんあると思うので、勉強したいと思います。そういうことも含めて、この映画は家族の大切さや、あきらめない気持ちなど、たくさんのことを学べると思うので、みんなで観てほしいですね」
神木:「すべての世代の方たちが共感するテーマと、物語がスピーディーに進んでいくので、熱い夏にはピッタリの作品になっていると思います。ぜひご家族で観に行っていただきたいと思います!」