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ー 私は、チームスポーツが好きである。ご存じの通り、駅伝は個人競技でありながらチームスポーツでもある日本が産んだ素晴らしい競技である。
故に、三浦しをん氏の原作は読んでいたが、まさか映画になっていたとは・・。不覚である。-
■高校時代に、致命的な故障でエリートランナーの道を諦めたハイジ(小出恵介)は、高校時代に天才ランナーと呼ばれていた新入生のカケル(林遣都)を自分が寮長を務める寛政大学の竹青荘に入居させる。
竹青荘には陸上部に入部して毎朝5キロ走るという入居条件があり、そこにはハイジのある野望があった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・10人のキャラが立っているのが、まず良い。超漫画好きの王子(中村優一)。司法試験に受かっている冷静なユキ、双子のお茶目なジョータとショージ、山道を走っていた神童。
それぞれが、ハイジの計略に嵌りつつも、走る喜びに目覚め、不可能と思われる箱根駅伝を目指す姿が眩しい。
・取分け、驚くのはカケルを演じた若き林遣都さんの、上半身が全くブレない正に天才ランナーの如き、驚異的な走りのスピードである。
どれだけ練習をされたのか、天性のものなのか。
身体が、正に長距離ランナーなのである。
・予選会をギリギリ9位で本戦に出場が決まるシーンも、ムネアツだが、本戦は更にムネアツである。ハイジは5区を走った神童が、風邪が治ったばかりで走り順位を下げるも、彼に対し実家に電話を掛け、母親と話しをさせるシーンが沁みる。
”アンタ、頑張ったね。けれども、皆で止まれと言っていたんだよ。”
・今作では、勿論勝負にこだわるシーンもあるが、走る事の尊崇左に焦点を当てているのが良いと思う。
故に、裏の2区と呼ばれる9区でカケルが区間新の快走するシーンを見事に描き、10区でハイジが走るシーンでは、彼の古傷解離骨折が起きるも、彼は走るのを止めないし、皆も足を引きずって走るハイジをゴールで応援するのである。
<今作は、怪我、高校時代の事件により駅伝から離れていた天才ランナー二人と彼らの仲間がたった10人で箱根駅伝に挑むムネアツムービーなのである。>