アラビアのロレンス 完全版
劇場公開日:2008年12月20日
解説
1962年に初公開され第35回アカデミー賞7部門を制覇した名作。監督は「大いなる遺産」「ドクトル・ジバコ」のデビッド・リーン、主演は「おしゃれ泥棒」「ラ・マンチャの男」のピーター・オトゥール。アラブ国民からも英雄と称えられるイギリス人考古学者であり軍人のT・E・ロレンスの半生を描いた壮大なスペクタクルの歴史映画。初公開から20年以上を経た88年にオリジナルより約20分長い完全版が製作され、日本では95年に劇場公開。2008年にはデビッド・リーン生誕100周年、コロンビア映画創立85周年を記念してニュープリント版がリバイバル公開された。
1988年製作/227分/アメリカ・イギリス合作
原題:Lawrence of Arabia
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
日本初公開:1995年2月
スタッフ・キャスト
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2023年5月14日
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2023年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD
■1916年。イギリス陸軍少尉・ロレンス(ピーター・オトゥール)は、オスマントルコ帝国からの独立を目指すアラブ民族の情勢を確かめるため現地へ向かう。
反乱軍の現状を目の当たりにした彼は、アラブの種族をまとめ上げてゲリラ戦を展開。
拠点をめぐる激戦に勝利するまでになるが…。
◆感想
・ご存じの通り、今作はオリジナ版(207分)と、1995年に公開された227分の完全版がある。私が学生時代に名画座で観たのは、年代的にもオリジナル版である。
ー インター・ミッションて何々??と言いながら、WCに駆け込んだなあ・・。
それにしても、私がコロナ禍以降に劇場で観た「ベン・ハー」「風と共に去りぬ」などは、皆3時間を超える長尺である。
インド映画ではないが、1960年代の傑作映画は皆、インターミッションがあったのかなあ・・。更に言えば、今作同様「ベン・ハー」でも、本編がナカナカ始まらない・・。
“放置プレイか!と思ってしまったぞ!”-
・ロレンスを演じた当時30歳のピーター・オトゥールの金髪、碧眼の美しさには、今でも惹かれる。
ー 因みに、ピーター・オトゥール氏はアイルランド人である。この辺りも、是非、伊丹十三氏のエッセイで、お楽しみ願いたいところである。-
・冒頭のロレンスが、バイク事故するシーンはピーター・オトゥールの友人であった、伊丹十三氏のエッセイをそのまま記す。
- ”スタンド・インなど使わなかった。””そりゃ、随分危ないじゃないか!””勿論危ないさ、だからあのシーンは撮影最後の日にやらされた・・。”-
・又、今作ではロレンスが難攻不落のアカバを内陸から攻め落とし、彼の名を高らしめるシーンがあるが、このシーンでのピーター・オトゥールの発言も興味深い。
ー 何千頭の駱駝が全速力で掛けるシーン。ピーター・オトゥールは先頭に立っていたそうであるが、落ちてしまったそうである。誰もが彼が死んだと思っていたら、駱駝はそういう場合、上に被さって守る性質を持つ生き物であるそうである。
で、ピーター・オトゥールが、ゴソゴソと駱駝の下から這い出した時に今作の監督である、デヴィッド・リーン監督が彼に掛けた言葉が、相当凄い。
”どうかね、ピーター。次のカットは取れるかね?”
ピーター・オトゥールは”こいつは、鬼だ!”と思ったそうである。
彼が、未だ大スターになる前であるが、当時の映画製作の現場の状況が見えて来るようである。ー
<勿論、今作の砂漠の彼方に沈む数々の夕日のシーンや、ロレンスの想いがアラブの部族を越えた民に認められ、彼が”エル・オレンス”と呼ばれ、慕われて行く姿や、彼の理念が大英帝国の思惑に会わずに、彼が失意の中、事故死する冒頭のシーンとの連想性も見事なる作品である。>
■オリジナル版と完全版を鑑賞。
命をかけて自ら前線の渦中に立ちトルコと戦い中東諸国の独立に尽力したイギリスの軍人T・E・ローレンスさんの波乱の人生を描く歴史超大作
主人公のちょっと変わってるけど、学問に長け、軍規や上官への反骨精神を持ち、そして何より大きな戦果によって中東の現地人から絶大な信用を勝ち取り独立活動を成功に導く英軍人ローレンスをピーター・オトゥールさんがエネルギッシュに熱演し魅力的です
そしてなんと言っても本作の最大の見所は巨匠デビッド・リーン監督など作り手が徹底的にこだわった映像美、
・真っ白な砂漠と真っ青な空の美しいコントラスト
・砂漠に浮き沈むサンライズとサンセットの息をのむカット
・荒野に巨大な渓谷がそびえ立つ自然の彫刻美
・ラクダや馬に乗って大群衆が砂漠を疾走するのは、同時代に生まれた名画"ベン・ハー"の戦車競技シーンに勝るとも劣らぬダイナミックなド迫力映像
・列車襲撃の大爆破シーン
と、現代では簡単にCGで済ませてしまうであろう映像を全てライブで撮りきる徹底したこだわりぶり
しかも本作は、それらの見事な映像を70mmフィルム方式の作品として残すべく製作されたため、ただでさえ撮影機材が大きい上に砂漠の熱波でダメージを受ける大型フィルムを保護するために食料保存機器に保管するなど、スタッフの並々ならぬ努力で苦難を乗り越え後世まで語り継がれる歴史超大作の誕生という偉業を残しました
とにかくベン・ハー同様に人も時間も巨額な金もありったけ注ぎ込んだ映画史上に燦然と輝く金字塔的作品、1962年に製作されたとは思えない圧巻のクオリティ、227分があっという間に過ぎていき、終わった直後にまた始めから観たくなる魅力的な名画中の名画です!
2022年7月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
内容は第二次世界大戦前の1910中頃の中東を統治するオスマントルコが無くなりトルコとして🇹🇷領土を拡大しようとする最中、横槍を入れ植民地化しようとするイギリス🇬🇧とフランス🇫🇷の政治的側面と中東独立に一役買いヒーローとなったイギリス人でありアラブ人の一人の男(T.E.ロレンス)の視点から描かれる物語。好きな言葉は『私が敬愛し恐れた男は己を恐れ憎んでいる』ダマスカスを攻略しアラブ国民会議がイギリス🇬🇧やフランス🇫🇷よりも早く占拠したにも関わらず纏まりのないアラブ国民会議に挫折し、虎視眈々と中東資源を狙う欧州の政治に振り回されながら『政治は汚い!』といった主人公に対して一番の側近が積年の思いを主人公に重ねて振り絞る言葉の重みが良かった。『平和は老人の様に醜い、あるのは不信感と警戒心の渦巻く駆け引きだけだ…』最後の最後に大佐となったロレンスにアラブの国王となる人に掛けられる乾きにも似た事実と現状。その時のロレンスの力亡き顔とスッキリしない表情は外面と内面の矛盾に苦しんでいるようで非常に感慨深いものがありました。歴史的にあった事実に即した物語で結果ロレンスはイギリス人でもアラブ人でも何人でもない存在となり結局は要が済めばどちら側からも迷惑な存在と使い捨てられる所が何とも言えない。それにしても砂漠の雄大な🏜景色や登る朝日に沈む夕日ラクダの🐪大群に馬の🐴荷台など素晴らしいロケーションとカメラワークで圧倒され唖然としていまいます。この景色を映画館で観ることができなかった事を後悔しました。