アラビアのロレンス 完全版のレビュー・感想・評価
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圧倒的な映像の説得力
左から右へオレンツたちが無垢の無慈悲の砂漠を行軍する。
その行軍の繰り返しの中で変わっていくのは、弱い我々人間だけで、不変なのは砂漠と愚かな行軍だけ、という映像の説得力。
変わらない砂漠とどんどん虚ろになっていくロレンツの瞳。
一つ上の存在の、あの腐った匂いのする老人たちに私たちはなりたいだろうか。
今まで愛した映画たちの参照元がたくさんあって大興奮の約4時間でした。
あのスター・ウォーズも、もののけ姫も、マッドマックスも、DUNEだって、このカットを参照していて、きっとこの映画だって何かを参照していて、その大きいハブを観られて大変感動しました。
人間の業
人生は分からない
砂漠がすごいー
227分(途中10分休憩あり)
午前十時の映画祭で鑑賞。
有名だからというだけで、内容も知らずに観たけれど
こんな映画だったのかー!!
最初は軽妙なロレンスが砂漠でアラブの民を率いて
戦ううちに葛藤を抱え、そして段々狂気じみてくるところや
上役たちは前線に出ず、楽して自分の引退後のことしか考えてないとか
砂漠の景色が雄大なのに対して、結構ひどい状況
戦争映画よね、これって
映画はロレンスがバイクで走る中
前からくる自転車を避けて転倒して死ぬところから始まる
普通の暮らしがしたい、と
アラビアから戻りたいと訴えていたロレンス
普通の暮らしに戻れて、精神は休まったのだろうか
アリさんのほうがまともでは。。
リバイバル上映されていたので、長いけどインターバルもあるということで見てみました。
中東、アラビア半島のあたりは学生時代に専攻していてアラビア語を第二外国語で選択していた身としては、ロレンス中尉(後に少佐、大佐)がなんか途中で傲慢な人になってしまい、また人をあやめることをなんか楽しむ?みたいに「捕虜はいらないーー!」とかってなっちゃうのが残念でした。
勿論最後のほうでもっと普通の勤務でいられるように異動届は出してるけど、アリさんから「ここまで部隊を引き連れてきて投げ出すのか!!」と言われるのも当然。。
自らは身を引くというなら、イギリス人が率いるより現地の人にもう任せる、引き継ぎたいとしてもタイミング遅いし。うーん。ロレンスさんに全然共感出来ない。
アラブの民を混乱させないでくれよ、って思ってしまいました。そんな名作なのかなぁ、ごめんなさい、この映画の良さがよく分からなかったです(涙)
まぁ同情すべきは、前半で命がけで助けたガシムさんを部族間の大きな争いにしないため自ら手にかけなければならなかった虚しさ、無念さ。
そして従者になってくれた若者2人を1人は砂に飲み込まれるのを助けようもなく、1人は事故による大怪我でそのまま捕虜にさせられずまたしても自ら。。。という出来事。
ガシムさんの件だけでも平常心でいられないのに追い打ちをかける出来事が心をおかしくしてしまったのかな、と思いました。
途中アリさんに「私がただの人間だと思うか?私を誰だと思ってる?」という傲慢発言も、自分を神格化でもしないことには心を安定させられなかったのかなぁ。。とも。
まぁ、自分が単なる普通の人間であることには気付いてくれたので良かったですけど。。
冒頭のバイク事故は、ようやく祖国に大佐として帰還出来たのに結局バイク事故で亡くなるという、人生の虚しさを伝えていたのでしょうか。
アリさんがギリギリまでそばにいて、ロレンスを真っ当な生き方に少しでも補正しようと尽力してくれて良かったです。
領土争いはいつでも悲しいものですね。。
映画としてはエキストラやラクダ、馬の凄い数に、スケールの大きさはめちゃめちゃ感じました。
先人達へリスペクト
昔に何かで見てた(テレビ放送かVHSかは覚えていない)が、オリジナ...
昔に何かで見てた(テレビ放送かVHSかは覚えていない)が、オリジナルより約20分長いこの "完全版" は初鑑賞だったので「ならば映画館で」と言うことで午前10時の映画祭にて最前列で鑑賞。休憩10分を挟んで4時間の着座。
壮大なスケール感、現代ではCG無しでは難しい撮影、特殊なレンズを付けたカメラ等など解るが やはり長く感じました。
『プロメテウス』(2012)でマイケル・ファスベンダー演じるアンドロイドのデヴィッドがロレンスの喋り方をまんま真似てるのが、改めて分かった。見た目は "男性型" だが性別の無いデヴィッドに "中性" のロレンスを当てはめた演出なのだろう。
『アラビアのロレンス』撮影中にラクダの大行進のシーンでピーター・オトゥールが落ちてしまい、監督たちは後続のラクダの群を見て「あっ、これは踏まれて駄目だろう」と覚悟したらしい。しかし、ラクダには人が落ちたら覆い被さる様な習性がある(もしくは訓練してた)のか ピーターは無事だった。近づいてデビッド・リーンが言ったのは「ピーター、次のテイクは行けるか?」だったとか。
後のインタビューでピーターに「冒頭のオートバイは実際にあなたが乗って撮影してるが危なくなかったですか?」と聞くとピーターは「危なかったので最後に撮影したんだ」と答えた。(トム・クルーズの『M:I-2』の岸壁登りのシーンも確かそうだった。)
ちなみに長尺映画で長く感じなかったのは『ベンハー』(1959年 222分)、『ドクトル・ジバゴ』(1965年 197分)、『ゴッドファーザー PARTII』(1974年 202分)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年 205分)、『シンドラーのリスト』(1993年 205分)、『バビロン』(2022年 185分)、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023年 206分)など上げればきりがない。
現代に通じる歴史を描いた一大叙事詩
映画史に残る名作である「アラビアのロレンス」ですが、これまで観る機会を得ずに来ていました。それが「午前十時の映画祭」で上映するというので、観に行って来ました。
ただ有名な映画であるということは知っていたものの、内容については殆ど知識がありませんでした。実際映画を観たら、第1次世界大戦当時の話であることは分かりましたが、鑑賞後にググったら、なんとロレンスが実在の人物であることを知り驚きました。まさに無知の知というか厚顔無恥というか・・・
いずれにしても本作は、第1次世界大戦当時に実在したイギリス人士官であるロレンスが、現在のエジプト、イスラエル、ヨルダン、サウジアラビア、シリア付近の中東地域で八面六臂の活躍する様子を映画化した一大叙事詩でした。そしてそのスケールのデカさ、映像美、壮大な音楽、出演者たちの熱演はもちろん、実在の人物に寄せた役者の容貌、さらには砂漠の中での大迫力の戦闘シーンなどなど、どの切り口も驚嘆すべきものがありました。
主人公のロレンスはと言えば、中東地域の歴史やアラビア語にも通じた博識で正義感溢れる人物ではあるものの、礼儀作法がなっておらず、上官に疎まれる相当な変わり者として描かれていました。そんな彼の任務は、イギリスが属する連合国と戦っていた中央同盟国に属するオスマン帝国の力を削ぐため、当時オスマン帝国が支配していたアラブ民族の反乱を援助するというもの。そういう意味ではスパイ映画と言ってもいいものの、現代風のスパイ映画とは全く趣を異にするところが本作の特徴でした。
そして本作を一介のスパイ映画ではなく、一大叙事詩に押し上げたのは、やはり主人公ロレンスが背負ったものが、まさに歴史そのものだったからのように感じられました。ロレンスは、(オスマン帝国だけでなく、イギリスなど欧州勢からの独立も含む)アラブの独立を助ける義勇溢れる人物として描かれており、大戦後にオスマン帝国から分捕ったアラブ地域を、イギリスとフランスで分割統治するという密約であるサイクス・ピコ協定の存在を知らずに活動していたという前提で描かれていました。その前提に従うと、祖国イギリスが裏で仁義にもとる密約を交わしていたことを知り、義憤にかられるシーンは、本作最大の見せ場であり、暗黒色をした国際政治のリアリズムを嫌が上でも感じさせるところが実に印象的でした。
そして本作で描かれた中東における紛争は、現在進行形で行われているパレスチナ・ガザ地区におけるジェノサイドにも通じている訳で、百年以上続く紛争がいつになったら終わるのか、思いを至らせざるを得ない思いになったところでした。
そんな訳で、映画史に残る本作の評価は★4.8とします。
力強く美しい、実写の魅力満載
何でもありの壮大な歴史絵巻
先日観た「愛を耕すひと」(23)のニコライ・アーセル監督のインタビューで、「今回の映画を作るに当たって、『アラビアのロレンス』を参考にした。スピルバーグはこの映画を初めてみたとき、もう映画なんて作らなくていい、この映画を超えるのは無理だからと言ったというが、私もその気持ちが分かる。年に1回は観ている」と話しているのを知って、観てみました。壮大なスケール感、先の読めない展開、複雑な人間模様…。確かに圧倒的で他の追随を許さない大作でした。CGのない時代に、過酷なヨルダンの砂漠で3年もかけて撮影された映像美や迫力、そして、モーリス・ジャール作のテーマ曲も名作を美しい調べとともに脳裏に焼き付けてくれます。それはそれとして、今作を手本として、スピルバーグ監督やアーセル監督が傑作を生み出してきたことにも深く感銘を受けます。
映画館的な あまりにも映画館的な
砂漠を知らないのに、砂漠を経験しているような臨場感。圧倒的な映像美。
砂漠の様々の顔。
目も眩みそうな蜃気楼。
灼熱地獄。
その合間の泉。あんな汚い水を、それでもありがたく、命をつなぐものとして、守っているのか。
駱駝のかわいらしさ。
馬の美しさ。
響くコダマ。
移動式のテント。そのしつらえ。
語りつくされるシーンの数々。圧巻。
この映画に浸るだけで、死生観さえ、変わってしまいそうな…。
そんな大地を背景に描かれる人間模様。
王子が、騎乗して飛行機に立ち向かおうと、周りを鼓舞する姿に、竹槍で戦おうとした日本人を見て、悲しく空しく…。
そして…。
今のパレスチナ・イスラエル問題の種を巻いた頃の話と聞く。
アラビアは、多くの部族が存在していて、それぞれ、相いれずにいたと聞く。
この土地の利権を巡って、様々な欧米諸国が絡んできたとも聞く。
付け焼刃では理解が追い付かないくらい混とんとしている時代(今もだが)。
だが、映画は、トルコの背後にいるドイツを叩きたいイギリスがアラビアと接触してと、単純に描く。フランスも、交渉相手として名前が出てくるくらい。
アラビア側も、最初の案内人の部族は名だけで、王子と、ハリト族のアリと、ハウェイタット族のアウダ・アブ・タイくらいしか、活躍する人物としては出てこない。
しかも、アラビア史を描くのではなく、ロレンスの伝記として、ロレンスの行動を追っているので、イギリス側や、王子たちの政治的駆け引きは、あとで”実は”と知らされるくらい。
おかげで、この時期の欧米やアラビアの歴史にとんと疎い私でも、映画についていける。
当時の欧米人の、欧米以外の国への見方としては当然なのだろうが、コーランを諳んじ、アラビア人に同化したいロレンスでさえ、「だからアラビアはダメなんだ」という意識はぬぐえない。上官の指導どころか、アリの助言も受け入れない。
砂漠の恐ろしさを知らないが故の奇策で功を奏すが、あの灼熱地獄の渡り方を知っているアリがいなかったら、成しえなかった奇策。
ハウェイタット族を味方に引き入れるのも、ほとんど詐欺のような…。アラビアの部族をまとめてとは程遠い。
ロレンスは英雄?確かに、一種の英雄ではあるのだろう。
毎日新聞1993年7月18日に載っていた『名作映画を歩く アラビアのロレンス ワディ・ラム(ヨルダン)』を読むと、USAの記者によって、USAの人々をアラビアに向けるために、”偶像”と祭り上げられた面もありそうな…。
”長”となるべく育てられ、自分がまとめるべき民の利益をまず考え、感情を抑え、動く王子、アリ、アウダ・アブ・タイ。
だから、アリはガシムを助けに行かない。命を懸けた使命が達せなくなるから。命すら危ない使命に一緒についてきてくれた大勢の部下達を率いることが優先。
アウダ・アブ・タイは、自分についてくる人々の実入りをまず考える。
王子は、あちらを立て、こちらを立てながら、目的を達する方法を探す。
それに対して、大局を見ているにも関わらず、一時の感情で動いてしまうロレンス。
リスクは考えない英雄的行動を、何の根拠もなく、遂行する。
予言者モーゼに自分をなぞらえ、無謀な行動をし、従者を死なす。
身近な人の死に耐えられず、砂漠に戻ることを拒否するのに、祭り上げられて、コロッと変更。
周りが自分と同じ理想を持たないと空回りした挙句、心配するアリの言葉を無視して、”透明人間”と、敵地にわざわざ赴くロレンス。誰も自分の命令を聞かないことに失意して”透明人間”と自虐しているのか、もう一人の従者も死んで自暴自棄になっているのか、それとも”神”に愛でられ”透明になるマント”でも持っている気になっているのか?
だが、透明人間であるわけがない。その時の傷つきが導いた”大量虐殺”?
人気者で、アリや従者をはじめ、アラビアの人々から慕われいているロレンス。だが、ロレンスにとって大事なのは彼らの心ではなく、ロレンスの理想であり、自分自身の気持ち。そのためには、簡単にアリをはじめとする人々の気持ちを裏切る。
貴族の婚外子として生まれたロレンス。このような生まれでは、イギリスの中では、ロレンスが求めるような”自分を認めてくれる”場所からははじかれ(到底爵位は継げず、中枢には入れない)、アラビアに自分のアイデンティティを求めても、仲間には入れてくれるが、居場所が見つからず。常に苦悩しているロレンス。
部族連合でダマスカスを制したにも関わらず、相変わらずの勢力争いに、ロレンスは失意を覚えてという解説書もあるが、あのくらいの会議の混迷は、今の国会でも繰り広げられているシーンでもあり、第2次大戦の戦後処理だって、昔から今にかけての国連だって、似たようなものではないかと、今一つ、この映画では私にとっては腑に落ちない。
それよりも、王子の元への案内人を簡単に殺したアリにあんなに怒りを見せていたロレンスが、己の変わりように、失望しているように見える。
ガジムのこと以来、ロレンスを信頼して、一番の協力者であったアリ。敵地にも一緒に付き添ったアリ。そのアリが、だんだんと、ロレンスと距離を置き始め、ダマスカスの会議での別れでは、他人行儀な挨拶をしていたのが、とても悲しい。
トリックスターとしての役割を果たしたロレンス。その無軌道ぶり、自滅ぶりに対して、理路整然と、自分が大切に思う相手へ信義を尽くせるアリやアウダ・アブ・タイ、王子の方が品格が上に見えてしまう。
なので、鑑賞後感が多少、もやもやしてしまう。
★ ★ ★
映像の迫力を開口一番に称えたいが、役者もすごい。
舞台俳優として活躍していたオトゥール氏。エジプトでは有名だったシャリフ氏。でも、映画界ではまだ無名だったので、有名人気俳優のクイン氏を起用したとか。
理想に空回りするロレンスを、繊細かつ大胆に演じたオトゥール氏。
そのロレンスに振り回されるアリを、凛とした格好良い友人として演じたシャリフ氏。
アウダ・アブ・タイを、豪放磊落、コメディパートを醸して演じたクイン氏。
王子を、思慮深く、老獪でありながら、父と民のためには誠実な人物として演じたギネス氏。
彼らが演じていなければ、また違う味わいになっていただろう。
映像の美しさだけでなく、ロレンスの軍服をあえて体に合わないものした、アラビアの部族の衣装も現地の方からのアドバイスを取り入れたと上記の記事に載っていたけれど、それだけでなく、表現したいことに合わせたという。
大胆、かつ、繊細な演出にも唸ってしまう。
☆ ☆ ☆
砂漠の地。灼熱・乾燥・砂嵐・流砂。
この映画を観ていると、その衣装、家の作り、コーランの教えでさえ、この地に叶ったものであることを実感する。
頭を覆う布。最近の夏の酷暑で、頭をこんな感じで覆う人が増えた。風通しがよく、それでいて重ね着もできるから、気温が下がった夜にも対応できる服装。女性が駱駝に乗っていた時は、ミニ箱をかぶっていたが、日差し除けには最適。でも見通しが効かず動きに制限があるから、動く役目の男性には不適であろう。休む時のミニテントは真似したい。
家。あれだけ砂嵐が飛ぶなら、固定の家など建てたら、すぐに砂に埋まってしまいそうだ。移動式に限るのだろう。
そして、「アッラーの思し召し」。「運命」。あれだけ、死のフラグが立ちやすいのなら、そうでも思わなかったら、心が折れてしまうのかもしれない。
かつ、強力なリーダーシップ。力を合わせなければやっていけない環境ゆえか。
今までの死生観が覆されたような気分になった。
アリさんがサリーちゃんのパパにしか見えない…
🍄2024年の野望🍄
《アカデミー賞作品賞》受賞作品制覇✨ 全95作品中記念すべき4作目✨✨
1963年作品賞受賞
『めちゃくちゃ長いよ〜しかもずっと砂漠の映像😂』となんだか観る気を無くさせる評判ばかり周りから聞いていたのでこれまで挑戦しなかった本作品。それでもアカデミー賞作品賞コンプを目指すなら避けては通れない道……ということでWOWOWさんの放送を録画してお家でゆっくり〜と思っていたら新文芸坐さんがまたしても超絶タイムリーに上映してくれるとな✨✨これはお家で観るより劇場のやつだろー!と観て参りました📽
まず冒頭から驚きの暗転、有名なテーマソングのオケ音楽のみ4分半の演奏。事前の場内アナウンスで聞いてなかったら“あれ?映像無いの??”と映写機の故障を疑ってたよ、絶対😂
基本的にこの映画ってこの超有名曲をいろんなテンポ、曲調、楽器使用で何度も繰り返し使用するから最初に刷り込んでおくつもりでこの4分半使ってるのかな??確かに効果覿面だったー。
英国軍の中では変わり者として知られるロレンス氏だったけど、砂漠の民たちの心を掴むのが上手かった。距離の詰め方、信頼を勝ち取る方法、その辺りをナチュラルにやってのける。途中、『VIVANTで観たヤツやーん!』となる場面も多いけど、砂漠のシーンが素晴らしい🌟
砂漠って砂砂砂の印象だったけど、いろんな表情を持つと知ってあたしもロレンス同様砂漠に魅せられてしまった(´∀`艸)♡♡
“There are only two kinds of creatures who find fun in the desert, bedouins and gods, and you are neither. ”と言われてたけど、あたしもロレンスも楽しめるタイプかとww
いや〜他にも書こうと思ったら次々と出てきてしまって収拾つかないからこの辺で。
歴史上の出来事、実在の人物、そして1962年に発表された作品でありながら壮大なスケール、今でいうブロマンス(やBL含む)なんかも織り交ぜられてて盛りだくさん。『2001年宇宙の旅』以来となる久々にインターバルのある作品観たけど、こっちは長さをあまり感じさせられることなく(イビキかいて寝てるオヂサンは結構居たけどw)もう一度でももう二度でも観たい作品。
大好き💕そして『イングリッシュ・ペイシェント』が観たくなったー🍀
大画面で観るべき映画‼️
まずこの作品の一番の見所は、砂漠という大自然の圧倒的魅力を70ミリの大画面に描いたところです‼️といっても、今時70ミリの上映方式を採用している映画館なんてありませんから、普通の映画館の大画面で観れば充分だと思いますが、常に映画館で上映しているわけではありませんので、なるべく大きなインチのテレビの大画面で観ましょう‼️ちなみに今地球上で最大のテレビサイズは370インチです‼️30年以上前に初見した際、四角テレビのブラウン管で鑑賞、後にワイドサイズで鑑賞した際、その画面の構図設計の緻密さに驚愕したものです‼️砂漠の向こうに、まるで蜃気楼のように一つの影が浮かび、それがだんだんと人の姿だとわかってくるロングショットにまず引き込まれます‼️このシーンは砂漠というものはどういうものかを我々に教えてくれる名シーンです‼️そしてラスト近く、ロレンスがオマー・シャリフ、アンソニー・クインとラクダの大部隊を従え "ダマスカスへ!"と進撃するシーンの高揚感はホント素晴らしい‼️そしてロレンスを演じるピーター・オトゥール‼️ロレンスというアウトサイダー的な人間が、理想と現実のギャップに突き当たって人間性がどんどん変化していくその過程が、この作品の一番のテーマだと思います‼️そして大画面にふさわしい迫力のあるモーリス・ジャールの音楽‼️ほんとに素晴らしいですね‼️
美しく恐ろしい砂漠の風景
午前十時の映画祭で鑑賞しました。この有名な映画、タイトルだけは知っていたものの見るのは初めてでしたが、こういうストーリだったのね。強く印象に残ったのは、前半部分の美しい砂漠の風景でした。美しくそして恐ろしい砂漠の風景は、冷房の効いた映画館のなかではあっても、夏に鑑賞すると砂漠に水を持たずにいることの恐ろしさが、なにやらうっすらと感じられます。
最初は、なにやら軽くてフワフワした印象のロレンスですが、段々と戦士の顔になってくるところは興味深かったですね。実在のロレンスの評価はさまざまだったようですが、映画をみた感想も同じような感じです。彼も苦悩していたのでしょうな。それにしても、砂漠の民は苛烈な環境で文化を育んでいただけに、その価値観や正義感も現代の日本に住む私には、到底理解できるものではありませんでした。
映画館での拘束が4時間近い大作でしたが、長さは感じませんでした。名作と言われる映画を鑑賞出来て幸せと思える時間でした。
雄大な砂漠と細か過ぎる人間模様
これぞ!
クソ長い映画
午前十時の映画祭で観た。
ジョジョ3部のジョセフのセリフ「わしゃ あのクソ長い映画「アラビアのロレンス」を3回も観たんじゃぞッ!」っていうのが大好きで、いつか観たいと思ってた。
長いってどんだけ長いのかと思ったら、227分だって。確かに長い。最もこれは完全版で、オリジナル版は207分。ジョセフが観たのはオリジナル版だろうなあ。
でもちゃんとインターミッションがあって、ちゃんとトイレ休憩できたのは良かった。ディズニーの「ファンタジア」はインターミッションがあるのに休む時間が無かったからなあ…。
あと、この映画1962年に公開!? こんな昔にこんなすごいスケールの映画がつくられてたなんて…。今観ても全然面白い。
広大な砂漠、英雄とされた人間の悲劇、人間の愚かさ、戦争や殺し合いの悲惨さなどを味わうように鑑賞した。現代の映画と違って演出やカメラワークが素朴なのが妙に生々しい。
歴史とか政治とかよく分からないので正直ストーリーがはっきりしないところがいろいろあって、観たあとにwikiで調べて、あー、そういう話だったのね、といろいろ気づいたりした。
ロレンスがアラブ独立に貢献したっていう単純な成功話なのではなく、どちらかというとうまくいかなかった失敗話、悲劇の話といえる。結局、この時代にうまくいかなかったことが種になり、ずっとアラブは近代化がうまくいかなくて、現代に至るまでずっと中東は政治的に不安定なまま。ロレンスがいなかったらもっと悲惨な状況だったのかもしれないが…。
一歩間違えれば、日本もアラブのようになっていたのかもしれない。幕末から明治にかけて、様々な人間の無私の功績があって、現代の安定した国家が存在しえているのかもしれない。欧米列強はたしかに脅威だけど、それ以上に平和や安定の障害になるのは「無知・無学」「短期的思考」「家意識・部族意識」だということがよく分かった。
史実のロレンスがどんな人物だったかは知らないけど、少なくともこの映画におけるロレンスは高い理想、広い視野を持ち、それゆえにその高い理想を理解できない周囲の人間に絶望する。
日本には日本国全体のことを考えられる人間が多くいたから、近代化に成功したのではないかと思う。現代の平和に感謝したい。
風とライオン
「驚いただろう?君たちはアラブを野蛮で残酷だと罵る。だがこれを見ろ、本当に残酷なのはどちらだね?」
午前十時の映画祭で鑑賞。
我が歴代映画ランキング第6位を20年間守り続けている本作。
完全版のDVDを買い与えられたのは13歳のときだった。以来お気に入りの1作で、それこそ嘗めるように観てきたものだ。高校では世界史を選択したが、最も試験の点が良かったのはイスラーム史だった。当然、背景にはこの作品がある。
では何故観たって?劇場で見たことがなかったからだ。音を楽しみに行ったと言うべきか。モーリス・ジャールのスコアが聴きたかったから行った。
これは…もし映画が好きならば好き嫌いに関わらず観ないといけない作品だと改めて実感した。しかも劇場で。太陽を、熱砂を、TVで目にして理解したつもりになっていたのが何とも情けなかった。こんな作品、二度と人類には製作出来まい。
サウンド以上の収穫は歳をとったからこその「見方の変化」に利息として現れた。初めて観たとき、僕にとってロレンス(演:ピーター・オトゥール)は「理想に燃えた悲劇のヒーロー」として映った。だが今回は真逆。(ナチス・ドイツを除けば)世界史上類を見ない最低最悪の偽善国家である大英帝国の魂胆を知りながら看過し、大言壮語でアラブを焚き付けたロレンスは「己を過信したペテン師」として映った。恐らく大英帝国の中でも1,2を争う悪行である「三枚舌外交」の片棒を担いだのだから、その罪は重く、「僕は知りませんでした」では到底済まされない。唯一の救いは終盤に彼自身がそのことに気付く点にあるが、時既に遅し、個人の力ではもはやどうにもならない局面まで事態は悪化していた。
キャストで見てみると、この作品は典型的なまでの「フットボール型」。もちろんロレンスはピーター・オトゥール以外考えられないくらいのハマり役なのだが、不滅の1作たらしめたのはアリ首長(演:オマー・シャリフ)とアウダ・アブ・タイ(演:アンソニー・クイン)の2人によるところが大きい。最後に点を決めるのはロレンスだが、この両翼がサイドを駆け上がるからボールは運ばれ、ロレンスのゴールへと結び付く。
このフォーメーションをチェスの如く組み上げたデヴィッド・リーン監督に改めて脱帽し、心からの敬意を表する。
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