重力ピエロ

劇場公開日:

重力ピエロ

解説・あらすじ

人気作家・伊坂幸太郎の直木賞候補になった同名ベストセラーを映画化。大学院で遺伝子の研究をする兄の泉水と、自分がピカソの生まれ変わりだと思っている弟の春。2人は、仙台の街で起こる連続放火事件と、現場近くに必ず残されるグラフィティアートの関連性に気付き、事件の謎解きに乗り出すが、そのことで24年前から今へと繋がる家族の謎が明らかになっていく。監督は「Laundry」の森淳一。泉水役に加瀬亮、春役は岡田将生。

2009年製作/119分/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2009年5月23日

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(C)2009「重力ピエロ」製作委員会

映画レビュー

4.5強烈に刺さった

2024年12月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

人によって意見が分かれる典型的な作品かも知れない。突っ込みどころは多々あるが、まあ細かい事はどうでもいい。この世界観が好きか嫌いか、きっとそれだけの話なんだろう。とにかく僕にはめちゃくちゃ刺さったという事だ。

一つ一つの伏線が丁寧なため、どんどん先が読めてしまう。でもこれは伏線が安易という意味ではなく、わざと先読みさせてこれから何が起きるかを観る側にちゃんと予想させているのだろうと思った。これから嫌な事が起きるのがうっすら分かるからこそ何とも言えない「嫌な気持ち」にさせられるのだ。こういった展開のさせ方は実に上手いなあと思う。

何よりキャストが全員素晴らしすぎる。小日向文世さんはいつ観ても本当に素晴らしい。レイプされた妻が身籠ったと知って「産もうよ」と妻に提案する。妻が亡くなった後に「俺達は最強の家族だ」と息子達に語りかける。あんなに柔らかい物腰なのにどこか「陰」があって「芯」があって「凛」としている。その佇まいに心がめっちゃ揺さぶられるのだ。また加瀬亮君も鈴木京香さんも吉高由里子ちゃんも渡部篤郎さんのクソっぷりも(笑)、とにかく皆が素晴らしかった。そして兎にも角にも岡田将生君の美しさですよ!もう「神がかってる」としか言いようがない。おっさんの僕ですら思わず吸い込まれてしまいそうな彼の憂いを帯びた表情…。これはもうやば過ぎるでしょ。

そして映画を観終わった時、何と表現したら良いか分からない気持ちにさせられる。悲しくもあり切なくもあり美しくもある、胸を締め付けられるような家族の愛の物語。原作を読んでいないから何とも言えないが、これが「伊坂ワールド」ってやつなのかと思いながら余韻を噛み締める。すると最後に「あの曲」が流れるわけだ。S.R.Sの「Sometimes」だ。これはもう完全にやられる。染みるなんてもんじゃない!この作品全体に纏い続ける「もの悲しさ」にハマり過ぎてるじゃないか。こんな奇跡あるんだろうか。曲が流れている間、鳥肌が止まらない止まらない。

確かに突っ込みどころは多々ある。でもそんなのどうでもいい。演者、脚本、演出、音楽、それら全てが完全に一体となり同じ方向へ向かって出来上がった「奇跡の作品」。僕はそう思わずにはいられなかった。実はこの余韻がずっと続いており、正直に言うと今でも思い出すだけで胸がぎゅっと苦しくなるのだ。こんな作品にはなかなか出会えるものではない。

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luna33

3.5伊坂幸太郎の伏線回収と螺旋状に交わり繋がる真実に涙

2024年7月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

I'm sad.かな。その悲しみの螺旋をただ憂鬱に、優しく観ていた。

劇的な伏線を回収する伊坂幸太郎の華やかさを抑え、淡々と家族の表情が変わっていく様を重厚な役者で綴る。

結構諸々受け止めるに重く、観るにはなかなかハード。それでも待ち受けるはきっとハートフル。

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たいよーさん。

3.0自首しない決断

2023年12月31日
PCから投稿
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プライア

3.5面白い!けど・・・

2023年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

難しい

原作を読んでいないのであくまで映画だけの感想、という事を前置きいたしますが、そもそも普通の感覚ではレイプされて身籠った子どもを産もうと思うのは母性として普通の感覚なのだろうか。母体が何らかの病気で中絶をしたら体に影響があるって話なら別だけど。。
そのような子を産んでしまっていつか真実を知ってしまったら不幸でしかなくない?てなわけでこの物語はある意味必然のような気がしてしまって納得感が先立ち映画としての面白さが半減してしまった。

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カンガルー