Dr.パルナサスの鏡

劇場公開日:

Dr.パルナサスの鏡

解説

「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアム監督によるファンタジードラマ。人々の隠れた欲望を形にする魔法の鏡「イマジナリウム」を出し物に一座を率いて旅するパルナサス博士は、かつて一人娘を16歳の誕生日に悪魔に差し出すことを条件に永遠の命を手に入れていた。娘の16歳の誕生日が3日後に迫る中、博士は新たに一座に加わった青年トニーとともに最後の賭けに出る。出演はパルナサス博士にクリストファー・プラマー、トニーに本作撮影途中で急死したヒース・レジャー。

2009年製作/124分/PG12/イギリス・カナダ合作
原題または英題:The Imaginarium of Doctor Parnassus
配給:ショウゲート
劇場公開日:2010年1月23日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第82回 アカデミー賞(2010年)

ノミネート

衣装デザイン賞 モニク・プリュドム
美術賞  
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(C)2009 Imaginarium Films, Inc. All Rights Reserved. (C)2009 Parnassus Productions Inc. All Rights Reserved. 

映画レビュー

4.5監督vs.観客の奇妙なギャンブル

2024年1月31日
PCから投稿

【監督vs.観客の奇妙なギャンブル】
考えてみればおかしなこと。
作り物の映画を観に来て「なんか作り物っぽくてつまんない」と不満げに帰っていき、しかも、懲りずにまた劇場に来る人種なのだから。私たち映画ファンは(^^;)。

さらにときどき、ニセモノの人生に本物の涙を流したり、本物の笑い声をあげたりする。「やられた/負けた」とつぶやいて。

Dr.パルナサスは、想像で作り上げたファンタジーワールドに人々を招き入れ、想像力こそがあなたの人生をより良きものにすると説く。自分のイマジネイションでたくさんの人を救おうとする彼は映画監督の化身。

パルナサスにつきまとう黒い影。
想像力など必要悪=贅沢品に過ぎず、所詮は一時しのぎの清涼剤とうそぶき、現実の生々しいインパクトの前には吹き飛んでしまうよとせせら嗤う悪魔は、私たち観客そのもの。

パルナサスは素晴らしいイマジネイション世界=映画で、悪魔を感服させようとやっきになる。自分の健康や、愛する家族の生活を担保にして賭博にのめりこむ。でも、持ち前の癇癪やワガママをついついぶちまけてしまい、いつも映画を壊してしまう。
パルナサスはいつまでも悪魔を降参させることができない。
一方、悪魔の目的は、勝敗をつけることではなく、賭けをなるべく長引かせること。ときどき勝たせてやったり、1000年の寿命を与えて「さらに俺様を悦しませろ」と仕向ける。
不躾で浅慮。監督の気苦労などおかまいなしに、新作映画をせびり続ける"たかりや"なのだ。

この蜜月なギャンブルに、私利私欲で頭がいっぱいのプロモータが絡んできて「もっと大衆にアピールできるようモダンに!」とテコ入れを提案し、パルナサスの娘に媚薬を嗅がせ・・・・・この攻防も秀逸。嘘つきは嘘をつかれるのに弱い。

ラストシーンで彼らが浮かべる表情、もう最高だわ。みんなにみてほしい(笑)。
ひどいなぁギリアム、私ら、悪魔ですか(^^;)。
いいでしょう、そっちがその気なら、生涯付きまとってやりますよ。
あなたの周りをね。
ほれほれ、ドンキホーテ早よw

「このお話はハッピーエンド?」
「まったくお約束できませんな、マダム」

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雨丘もびり

3.0大風呂敷広げて、これから面白くなりそうというところで失速。意外に教訓的。

2023年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

諸星氏の『暗黒神話』に匹敵する世界観を期待したけど、教訓映画?になっちゃった。グリム童話だってもっと多義的で生活に根付いた寓話なんだけどな。

しょせんは一神教の世界の方が作られた映画。
 悪魔との賭けにまつわる物語。そして鏡の向こうは、鏡に入った人の欲望が展開し、欲望に負けるか、欲望に翻弄されずに”正しい”選択ができるか、善か悪かというニ者選択の二面性しかない寓話。
 世界はもっと多義的なんだと思うんだけどな。残念。

心の内面を映し出すと言うので楽しみに観たが、結局、欲望に負けるか、勝つかだけの選択。
 心ってそんな単純なものではなく、重層的。フロイトやユングの夢分析だって、ニ重三重の多義的な意味がいろんな顔して現れる。意味を掴んだと思えば、たちどころに姿を変えて別の顔・層・面を含んで表れる、というように。
 確かにね、日々の”選択”が人生を形作っていくのではあるが、物語的には単純な展開になってしまってつまらない。あの時の選択が数年後意味を持って再び目の前に現れるなんて良くある事だのに。選択しないでおく”間”というのは西洋文化にはないのかな?

拝火教+仏教の導師と悪魔を出してきて、壮大な世界観を展開するのかと思ったら、アレレ?
 トリックスター(他のサイトの、あるレビューではタロットカードの「吊るされる人」を重ねていた)のトニーを絡ませて、どんなふうに話を膨らませていくのだろうかとワクワクさせておいて、アレレ?ヒース氏が亡くなったからかしら?
 そして特に後半、突然のなにそれの展開…悪魔の提案(ネタばれになるので詳しく書きません)。このあたりから物語が精彩を欠く。たんなる教訓物語になってしまって面白くなくなった。

ドタバタ人間があがいてみても、しょせんは全て悪魔の手の内の中ということなのかな?(孫悟空がお釈迦様の手の中で暴れたようなもの?)

現実世界はセピア系の、欲望の世界はポップな色調でまとめられている映像は見応え抜群。三月兎の世界かくやという感じで面白い。
 リリー・コールさんはある場面では人魚?セイレーン?という怪しさ満載だし、悪魔役のトム・ウェイツ氏もいかにもという悪魔を醸し出している。婦人の心の中の世界は、ゴージャスそうでいてのチープ感やコブラの悪魔の顔とか秀逸。
 反面、拝火教と仏教の説話を混ぜている?という場面はあまりにも陳腐。後半の崖崩れや砂漠もやっつけ仕事?いろいろとファンを楽しませるネタは出してきているけど、前半はもっと凝っていたような…。

トム・ウェイツ氏とか役者を揃えているのだから、もう少し役者で見せてほしかった。ヴァーン・トロイヤ―氏も何気にいいアクセントでした。

それでも、繰り返しますが、映像の美しさは観る価値あります。サーカスのような馬鹿馬鹿しさに魅かれる方ならハマると思います。

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とみいじょん

1.0意味ぷー

2021年6月19日
iPhoneアプリから投稿

ジョニーデップがもったいない。
ストーリーはいい雰囲気だが編集がクソ。

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チキン南蛮

2.5夢の世界

2021年1月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

人の頭の中を可視化したら、こんな感じなのかな。その人の好きなもので占められ、悪いものは排除される。だけど、最後の方は夢だか現実だか、よくわからなかった。何を描きたかったか、ピンと来なかった。残念。

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ぷにゃぷにゃ