ダークナイトのレビュー・感想・評価
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敵が魅力的であればあるほどヒーローものは面白い
ジョーカー2を見て、猛烈にヒースレジャージョーカーが見たくなり、久しぶりに鑑賞。
冒頭の銀行強盗から、最後まで何回クライマックスあるの?と思うぐらい見せ場が何度もある。
やっぱりおもしろい!!!
ジョーカーの人間の心理を読んで、先手先手を行く心理攻撃が本当に怖い。
ジョーカーのシナリオ通りに自然と進められている恐ろしさに、バッドマン…勝てるのか?と何度も思わせられる。力が強い敵よりも、こういう敵が1番やっかいだし怖いんだよね。
ジョーカーの人間の弱い心にスッと入り込み、恐怖心や欲望や憎しみでの人心掌握術や、仕草や動作、話し方ひとつひとつがヴィランなのに魅力的すぎて困る。
あと崩れてハゲかかってるメイクがまた最高にかっこいい。
ジョーカーだけではなく、バッドマンのハイテクアイテムや、マット素材なスーツもカッコよくて好き。2008年の作品なのに、今見ても全く見劣りしないデザインだし、クールだなって思う。
人間は誰しも悪に染まると思っているジョーカーと、人間の正義を信じているバッドマン。
ふたりの信念が最後までぶつかり合い、挑み合うシーンに何度も手汗握った。
やっぱり私はヒースレジャージョーカーが1番好きだ。
二面性の演出とジョーカーの存在感。
◯作品全体
『バットマン ビギンズ』でも主人公・ブルースのセレブな富豪とバットマンという二面性が描かれていたけれど、表も裏もない「カオス」を持つジョーカーによって二面性の苦悩がさらに強く描き出されていた。
ジョーカーに対峙する陣営は誰しもが複数の顔を持っている。「光の騎士」であり続けようとしたハービーも公の「光の騎士」という立場と、レイチェルだけの騎士という感情によってその二面性が如実に現れる。ジェームズも警察側の中心人物として描かれるが、ラストシーンでは父親としてのジェームズが前に出る。
レイチェルの存在は特に面白い二面性を作り出していた。レイチェルは「ダークナイト」でなくなるブルースを待っている一方で、その日が来ないことを悟ってハービーを伴侶としようとしている。そのことにより、全ての真実を知るはずの主人公が「唯一知らない真実」を作り出す。
それぞれの二面性は等身大の登場人物たちを描くのにあたってとても大事な役割をしていたし、純粋なカオスに立ち向かう物語としての幅を広げるもので印象に残ったけれど、そのさらに上を行く強烈さは、やはりジョーカーの存在だ。
寸分の隙も見せない一貫したカオスと、ジョーカー役のヒース・レジャーの不気味な芝居が素晴らしい。いや、隙という意味ではジョーカー自らが作る場面もあった。自身の過去を語ったり、バットマンに固執する動きは隙ではある。隙ではあるのだが、その軸にはカオスがしっかりと乗っかっていて、その隙によってジョーカーの術中にハマってしまうような物語の展開だった。中盤でジョーカーが捕まってしまうのもそうだし、レイチェルとハービーへの罠に奔走させるためにバットマンと対峙するビルのシーンもそうだ。
「隙」という表現において、ヒース・レジャーの芝居がかなり活躍していた。銃を取り出すにもわざと余計な動きを入れたり、正義側を圧倒する場面でも視点が定まらずに不安定な印象を作る。隙だらけのようでいて、必ず意図を仕込んでいるような芝居だった。
こうした隙は、変幻自在なカオスを動かす動力源に「遊び」を作っているかのようだった。計算尽くされた隙として描写されていて、その描写が鮮やかだった。
個人的にノーラン監督作品の好きな要素である「物語の最後の最後まで終着点が定まらない」がジョーカーによって作られていたのも嬉しい。二面性の演出含め、ノーラン監督の良さがバットマンの世界で強く輝く作品だった。
◯カメラワークとか
・廃ビルのアクションでバットマンがビル全体を立体的に認識する演出があった。ああいうアクションの幅の広さはノーラン監督っぽいアイデアだなあと感じた。
◯その他
・美女連れてパーティ来る、みたいなザ・セレブな演出がどうしても子どもっぽくて笑ってしまう。
・トゥーフェイスが本当にトゥーフェイスになっちゃう展開は、二面性を持つ代償、みたいな感じに見えた。それによってその二面を背負うことの重たさや背負い続けることの強さを訴えているような。
身代わりとコイン
病院の爆破シーンがなんか既視感あったけど、ちゃんと拝見。
ジョーカーが最狂すぎた。
本作も「身代わり」が描かれているが、さらにコインの裏表も象徴的だ。善悪の裏表、バットマンと検事のデントの裏表、そして人物その人の裏表。
誰や行為、出来事が善悪になるのかは、偶然に左右されているし、どちらにも転じる。善の代わりに悪にも、悪の代わりに善にもなれる。だから不条理な死を迎えても仕方ないし、街が病んでいるのも、そういった時代なだけだ。
と、当たり障りなメッセージにならないのが本作の素晴らしい点だ。コインに細工がされているかもしれないし、味方は敵に寝返っているかもしれない。悪はもっと巧妙なんですよ。
だからといって私たち観賞者が善悪を霧散させたり「人間不信」に結論づけるのはよくないと思う。2艘の船に逃げ込んだ乗客が「偶然」にも参加させられる「爆破ゲーム」のように、ジョーカーの作為に満ちた悪に抗って、善を行使しないといけない。それは可能だ。
ジョーカーに警察署を襲撃されることはもっと重く受け止めた方がいいし、大衆娯楽作品としての軽さはある。でもやっぱりバットマンのアクションシーンは見応えがあるし、二転三転する物語も純粋に面白い。そんな軽さの只中で、シンボルの作為を疑いながら、それでもシンボルをかかげる重さを看取すること、それが重要だ。
IMAXレーザー/GTで「1.43:1」パートを初めて映画館で見られる喜び
IMAXレーザー/GT版の「ダークナイト」は、IMAXカメラで撮影した「1.43:1」パート(画面比率が正方形に近く、これまで見ることができなかった上下部分を見ることができる)を日本で初めて見ることができる貴重な機会です。リリースによると全体のうち約26分がIMAXカメラ撮影パートだそうで、冒頭の銀行強盗、中盤のカーチェイス、その他、各シーン頭の空撮シーンなどが「1.43:1」だったと思います。
109シネマズ大阪エキスポシティで「ダンケルク」を見たときもそうでしたが、冒頭から画面比率が違うとだいぶ印象が違っていて、「ダークナイト」でも画面に吸い込まれそうな、ちょっと不思議な感覚になります。「インターステラー」も「1.43:1」で見ると、宇宙に行ったときの印象がまったく違うそうなので、是非かけてほしいです。地響きのような体にくる音もこみで、映画館ならではの唯一無二の体験ができます。
2025年になっても本作を超える映画は無い🦇
本作が思い出の中にある人は、ビーズ・ジョーカーが凄い、レイチェルが可愛くない、サントラが良かった等としか挙げられないかも知れません。私がそうでしたが、2025年に改めて観た所、キャストさんは皆凄いし、拘りの脚本も魅力的で再び映画の世界に引き込まれました。1作目、3作目と違って最初から最後までバットマンが現役で活動するのが最高ですし、また今回は師匠であるラーズ・アル・グールの話題が出て来ないのも良いです。何年も観ていないと言う方は、充足感を得られますので是非観てみて下さい。終盤の船〜デント〜エピローグは、やや駆け足に感じますが、破綻が無くて凄いです。また1作目、3作目は現実の政治や政治についてもウーンと考えてしまいますが、本作はそんな余裕や暇はなく映画の世界に浸れますので、やはり別格です。欲を言えば死ぬまでにいつか、レイチェル役を前作のケイティ・ホームズに差し替えたバージョンも、観てみたいです。
本物のIMAX
公開最終日に鑑賞。
冒頭からのIMAXカメラでの撮影でスクリーンの隅々まで映像が広がるという凄まじさ。まさか2025年にIMAXスクリーンでヒース・レジャーの”Why so seriouS?"を聴けるとは!
2008年公開当時には近隣にIMAX劇場がなく梅田の劇場で鑑賞(それでもスクリーンは十分にデカく十分だと思っていました。)映像、ストーリー、演出、ワキからメインをはる全ての役者さんの演技全てにおいて120点。今回のIMAXでの効果でさらに50点プラス。
ラストでのJ・ゴードンと彼の息子の会話 ”He is not our hero. He is a silent guardian. A watchful protector. A Dark Knight"というセリフの後、スクリーンに”THE DARK KNIGHT”と出る。ノーラン監督、天才です!
さらにこの息子との会話が次作のラスト近くのバットマンとゴードンの会話 ”Even a man doing something as simple and reassuring... As putting a coat around a young boy's shoulders to let him know the world hadn't ended" とオーバーラップして感動が止みません。
改めて、「ノーラン3部作」の偉大さを認識しました。近々に自宅で3本イッキ見したいと思います。
満を持して💜
#『バットマンの日』 (2025年は9/20らしい)を意識したIMAX再上映をしてくれるグラシネさんのお陰で初の『ダークナイト』を劇場で鑑賞できるという最高の環境で✨
うわーーーーーもーーーーーーー
IMAX GT最高ーーーーーーーーー
ってなった。
リアルタイムでDCコミックスを読んできてたうちの父親が言うには『バットマン(1989)』でジャック・ニコルソン演じるジョーカーが原作に登場するオリジナルそのものだと聞かされてきた。確かにあのジョーカーは何処か憎めないワルとして大好きなキャラではあるけど……ヒース・レジャー演じるこのジョーカーには敵わないと思ってしまった。もはや演じてない。Mr.ジョーカーがそこにいた。もーこれはうちの父親にも勧めなきゃならんやつだな💜
(疑問)
あの乗り物、どういう原理で動いてるんだ⁉️🤔
アメコミ界だけでなく、映画界のマスターピース⭐️
バットマンの日にIMAX再上映で鑑賞。
17年前に劇場で観た時の衝撃を再び思い出したい‼️
あの頃の自分に戻りたい‼️
記憶を消してもう一度観たいと思った作品の一つ。
勧善懲悪のアメコミ映画に飽きてしまった人達に見て欲しい。バットマンはヒーローではない。常に悪と正義がスウィングしてギリギリの綱渡りをしている。
ジョーカーはバットマンのことを"狂人"と呼ぶが、バットマンはそれを否定しない。スパイダーマンのようにヒーローの大原則である人助けをする事はほとんどなく、犯罪者と闘うことだけにコミットしている。それゆえに、"ヒーロー"ではなく"ダークナイト"としてゴッサムシティを守っている。
00年代の不朽の名作ここにあり!!ノーランがアメコミを撮ってくれてありがとうございました😊
纏まってるようで、アラが目立つ
敬愛するノーラン作品の中でも、根強い人気のダークナイト。
ハードルを上げすぎたせいもあるかも知れないが、正直期待以下。
まず良い点として、映像やカット、音楽は相変わらず素晴らしいノーランクオリティ。
しかし圧倒的違和感が2点。
一つはバッドマンとジョーカーの最初の激突。
バッドマンがバイクでジョーカーに突撃する時、何故か避けてその後転倒しピンチをゴードンが救うシーン。
ゴードンが生きていたのは良いのだが、バッドマンの自滅が意味不明。
原作など背景がわかっている人には意味のあるシーンかも知れないが、映画単体で見ると全く謎の自爆だった。
二つ目は、デントの闇落ち。
最後にまとめられるように、ジョーカーの真の意図や、バッドマンをヒーローではなく暗黒騎士(ダークナイト)として締めくくるための必要要素だとしても、さすがに無理があり過ぎる。
普通に考えて、デントの怒りの矛先が「そこにはいかんやろ!」と言わざるを得ない。
「アメコミらしい」と言えばそれまでかも知れないが、映画単体で見た日本人の感覚としては、かなりアラの目立つ作品だった。
人を決めるのは内面じゃなく、どう行動したか
この映画本当に面白い
語り切れないから好きなシーンだけ紹介したい
互いの船にしかけられた爆弾の起爆装置を持った市民と囚人
起爆装置を押して、相手の船を爆破すれば自分たちは生き残れる
市民は囚人に恐怖するし、囚人は市民に怒りを抱いている。どちらも「相手が引き金を引くはずだ」と思っていたわけだ
そしてジョーカーは、人間は究極の状況では「自分を守るために他人を殺す」と信じていた
でも、誰もスイッチを押さなかった
内心がどうであろうと、行動のみが善悪を決める
バットマンビギンズで登場したセリフだけどこのシーンはそれを表しているんじゃないかな
「殺したくない」と言いながら殺す者と「殺したい」と思っても殺さない者どちらが善か?
答えは一つ、「行動しなかった方」
市民は「正しい側」として描かれがちだが、自らの命を守るために他人を殺すかどうかを選ばされているし、囚人は「罪人」とされる存在だが、あの場面では明確に道徳的な選択をとっている
善悪の判断は属性ではなく、行動によってなされる。「行動主義」の視点が、ここで描かれているんじゃないだろうか?
市民は実際に、誰かが代わりに押してくれれば…と願っていたかもしれない。
でも、その手を動かさなかったという事実がすべてを物語っている。市民と囚人の行動は、どちらも善だったと言えるわけよね
ここでヒーローの啖呵がシビれるんだよな。「何を証明したかった?誰もが心の奥底は醜いと?」と
ただまだジョーカーの揺さぶりは続いて、結局バットマンは悪を引き受けなきゃならなくなる
「彼はヒーローじゃない。沈黙の守護者。闇の騎士(ダークナイト)だ」
ハービー・デントが正義の象徴として死ぬことで、ゴッサムは希望を保つことができる。
でもそのためには、バットマンが「ハービーを殺した犯人」「堕ちた英雄の真実」を隠さなければならない
あえて自分が悪人になることで、ゴッサムの秩序と善を守った
内面では「正義」のために動いた
だが、社会から見れば「ハービーを殺し、罪を隠した男」
そしてバットマンという存在自体が、都市の中での「悪の象徴」として扱われていく
「正義のための悪」「善意から出た偽り」
行動によって人間は定義される
だけどその行動の意味は、常に視点によって変わるというジレンマを最後の最後で正面から突きつけてくる
何が正解で何が間違いなのか答えが出ないというか、視聴者に委ねられているんじゃないかなこれは
ダークナイト・トリロジーが何かこう、伝説じみた作品としてヒーローオタクから評価を受けているのも頷ける
……と、色々長々書いたけれども、重苦しくて暗い雰囲気のヒーロー映画が苦手な人でも、本当に面白いというか、噛めば噛むほど味が出るから、1度は見てほしい
バットポッドで闇に消えていくバットマンとエンドロール入る瞬間の「THE DARK KNIGHT」っていうタイトル回収シーンだけでもホント痺れるから
暗黒の騎士 正義の本質とは何か
感想
脚本・演出◎
映画としてのバットマンシリーズは80年代より10年単位でその時代の人気監督により作品が多数製作されており、21世紀に入り全く新しい要素を内包するバットマンの創出が製作会社から強い要求として制作サイドにあった事は間違いない。
本作はそれまでの既成のコミックス・ヒーロー映画の概念を根本から覆し破壊してしまう程の革新的な話の内容となっている。脚本も兼任したクリストファー・ノーラン監督の考えるプロットには物語の根本において人間の本質論が色濃く反映されており、人間心理に於ける正義と悪の捉え方には百人百様、人の立場により変わる身勝手な大小の感情の波があり問題に関わった人それぞれが持つ倫理観が時には立場を超えて浮き彫りにされる。それまであったコミックスとしての勧善懲悪的なバットマンの明るいヒーロー像が霞んでしまう程の衝撃を映画を観た観客に与えてしまったのである。
ここまで映画を観る者の感情を人間的に揺さぶる脚本と是々非々の行動を取るキャラクター設定と複雑な人間関係を描いたアメコミ映画は後にも先にも無く、本作含む全三部作の登場は、それ以降制作されるアメコミ映画の制作意図を根本から大きく揺るがし、「マン・オブ・スティール」など後に製作される全作品に脚本と物語の描写方法の再改編が為された事は明らかである。
配役◎
特にその演技力が秀逸であり死亡後アカデミー助演男優賞受賞の栄冠に輝いたヒース・レジャー扮するジョーカーの社会のシステムを破壊する悪事≒至上の幸福感、金品にも変え難い偏りのある多幸感、悪事を働く事が彼の生きがいであり、その極めて屈折した異常な人間心理を垣間見せ、心が屈折した人間が持つ鋭く恐ろしい程の観察眼と悪魔の様な誘惑を克明に表現している。人間の心底にある物欲に始まる私利私欲、猜疑心、嫉妬心、反抗心を巧みに利用して心を揺さぶり犯罪に誘導する行動や言動等、的確で秀逸なヒース・レジャーの演技表現が誰でもその状況と立場に置かれれば過ちを犯してしまうのでは?という恐怖の感覚を観客に意識させストレスに満ちた落ち着かない心理状態にさせる効果を創り出す事にも成功していた。それだけにヒース・レジャーの突然の訃報は更に驚きを持って人々に受け止められ、本作の最後にその名が追悼されクレジットされる事にまでになったと感じる。
ブルース・ウェイン=バットマン(クリスチャン・ベール)は孤高の幼少期を経て執事のアルフレッド(マイケル・ケイン )の含蓄ある助言と今や強大な政治的社会悪にもなり得る程の軍産複合体であるウェイン産業の技術部門を取り仕切るフォックス(モーガン・フリーマン)の技術助力を受けゴッサム・シティに蔓延る悪を実力行使を以って殲滅していく。
本作の他本作と同監督のバットマンに成るまでの前日譚である「バットマン ビギンズ」でクリスチャン・ベールは不慮の犯罪に親子で巻き込まれ孤児となったブルースの身体的、精神的成長を深い人間性を持って演じている。
更に最終話である同監督作品「ダークナイト ライジング」では正義の本質はこの身をsacrificeする事も厭わない行動が最も重要な事で、のちにロビンとなるジョン・ブレイクの出現などその行動から自身の屍を超えていく真の「暗黒の騎士」(新しいヒーロー)が誕生する事を確信するも、世界から悪は決して滅びる事はないという社会的・精神的矛盾と絶望に悩む人間的なヒーローをまさに身体を張った演技で表現していた。
ゴッサムシティの警察官ジェームス・ゴードン
(ゲイリー・オールドマン)は汚職が蔓延る組織の中でも法と正義を重んじる優秀な警察官であるが、ある日突然コンタクトを取ってきた正体不明のコウモリの姿をした男(バットマン)から有力な情報を得る。手段と方法を選ばない悪への対処を断行するバットマンに対して当初は懐疑的であったが、法の元でも裁けない不祥の悪事を強く意識した後にバットマンの掲げる正義と悪の殲滅の実践を「暗黒の騎士」の行動として応援していく立場となる。自身と家族を含めて犯罪に巻き込まれるも、自分なりの正義を貫きバットマンからも信頼されている。物語の最後に実はゴードンが災難と不幸のどん底にあった若き日のブルースに施した何気ない優しさが後にブルース自身が正義を掲げ悪を殲滅することを志す切っ掛けとなっており身体、精神的な成長を遂げてバットマンとなったエピソードが涙を誘い感動する。
レイチェル・ドーズ (ケイティ・ホームズ、マギー
・ギレンホール Wキャスト)はブルースの幼馴染。頭脳明晰、聡明な悪を憎む検事である。バットマンと深く関わるうちにブルース本人である事を認識。やがて恋仲になるも立場の違いから別離。正義を標榜し行動するハービー・デントとの交際をはじめる。様々な悪人にデントのアキレス腱として命を狙われる。
ハービー・デント(アーロン・エッカート)検事はゴッサムシティの正当な正義を擁護出来る指導者となり得る事をブルースは予見しバットマンとして自らの身を引く覚悟を一旦は考える。悪を憎み法による裁きと社会的秩序を重んじる人物であったが、汚職に塗れた組織の裏切りにより最愛の人であるレイチェルを失い更に顔面に酷い傷を負う事で助け出す事が出来無かったバットマンに個人的な憎しみを抱き、さらに自分を裏切った近親者に死に依る復讐を果たす行動に出る。彼の犯した罪はバットマン=「暗黒の騎士」が全て被る事となり、その瞬間に真の正義が持つ資格を失ってしまった悲劇の英雄となる。
サイコパスであり二重人格者のクレイン博士/スケアクロウ(キリアン・マーフィー)は初期のバットマンを心理操作と薬物で苦しめる。ジョーカー、ベインの元で悪の手先として働く。オッペンハイマーでアカデミー主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィーが印象的に演じている。
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監督・脚本 クリストファー・ノーラン
脚本 ジョナサン・ノーラン
ブルース・ウェイン=バットマン
(クリスチャン・ベール)
アルフレッド (マイケル・ケイン )
フォックス (モーガン・フリーマン)
ゴードン (ゲイリー・オールドマン)
ジョーカー (ヒース・レジャー)
スケアクロウ (キリアン・マーフィー)
ハービー・デント(アーロン・エッカート)
レイチェル・ドーズ
(ケイティ・ホームズ、マギー・ギレンホール)
セリーナ・カイル/キャットウーマン
(アン・ハサウェイ)
ベイン (トム・ハーディ)
ジョン(ロビン)・ブレイク
(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)
ラーズ・アル・グール(リーアム・ニーソン)
影武者ラーズ・アル・グール(渡辺謙)
クリストファー・ノーランの監督したバットマン三部作は全作を通してコミックスのヒーロー物エンターテイメント要素をきちんと持ちながら描きつつ、さらに想像を遥かに超えた深い人間的洞察と心理描写がなされておりその制作意図に感服した。
三部作全ての総合評価として
⭐️5
う〜ん……。
ハッキリ言って、"80後半〜'90前半のティム・バートン監督のシリーズの方に影響を受けてきた世代なので、クリストファー・ノーランのこのシリーズは『話の展開がいかにも暗い…』。
但し、CG合成や各種機械系アイテムの進化の面から言えば、此方のシリーズに圧倒的な分が有るのも事実で…、
と、手放しで喜べない複雑な感想だった。
1作目の「ビギンズ」はまだ〈初戦〉と云う感じでフレッシュさや楽しさも有ったが、今作に至ると最早『ジョーカーのやりたい放題』で、逆にバットマン側がスッテンテンに追い込まれると云う展開で「どうしてジョーカー側の作戦は、事前準備から何からことごとく上手く行くのに、バットマン側はやること為すこと後手後手に廻るの?!」と、観ていて正直ストレスだった。
但し、ジョーカー役のヒース・レジャーは、正に〈この役を全うするが為に、生命を召された〉様な迫真の演技で、これには「恐れ入りました」。
又、検事のハービー・デントが後半逆ギレして、警察も市民もシッチャカメッチャカに振り回される展開は、ただでさえ明るくないバットマンがドンドン暗く成って虐げられてしまい、最後の終幕は「こんな終わり方して観客は爽快なの?!」と、イヤ〜な気分で観終わった。
いくら「トータル3作で評価を…」と言っても、此処までバットマンが振り回される物語は正直観たくなかったなぁと云うのが正直な感想。
それからレイチェルの代役、もう少し○人な女優さん、選べなかったのかな?主人公のウェインが《デント検事に嫉妬する程の○しさ》が有って欲しかった(ルッキズムじゃ無くてねw)。
評価は厳しいですが、ド派手なアクションは健在だったので、出来自体は悪く無い。但しストーリーが陰鬱過ぎたのが残念。それから、ヒース・レジャーが死ななかったら、3作目もジョーカー出る予定だったのかな?
これほどの《ワル》が、2作目だけの出演と云うのはちょっと惜しい気もした。。
ヒース・レジャーのジョーカーに+0.5
ジョーカー役が、私たちからヒース・レジャーを奪った、そんな気がする。
それほどに悪を体現したヒース・レジャーだった。
本来のヒースは心優しい大人しい青年で、ジョーカーを演じるために
無理を重ねて、未だかつてない悪役を演じた。
そう思うと切ないし俳優とは?演じるとは?
自分さえ見失うことなのか!!
演じる、その魅力こそ陥穽なのだと思う。
ジョーカーを演じた俳優は私は3人しか観たことがない。
ジャック・ニコルソン。
ホアキン・フェニックス。
そしてヒース・レジャー。
もっとも恐れべきジョーカーはヒース・レジャーのジョーカー。
まったく情け容赦ない。
このクリスファー・ノーランの「ダークナイト」は、
「ダークナイト・ライジング」との前後編で圧倒的なスケールの破壊力、
圧倒的な悪、が描かれている。
愛するもの(レイチェル)を惜しみなく奪い、
奪われたもの(デント)を悪のダブルフェイスに変え、
史上最高に美しいバットマン(クリスチャン・ベール)の弱々しさを
見せつける。
怖い映画である。
この世には、こんな悪が、地獄があるんだよ、
そう言われるようだ。
「ジョーカー」を観てやって来ました。
ヒーローものはスーパーマンの第一作くらいしか観たことがなかったので、最近の作品はこんなにカッコ良くなっているのかと感心した。名前はよく分からないがバッドマンの変身する黒いバイクの質感や重量感がイケてる。
2隻のフェリーに爆弾が仕掛けられ互いの良心が試されるところは名シーンだ。バッドマンの「心の奥底が醜いのはお前だけだ」というセリフでたたみ掛けるのも良かった。
それにしてもジョーカーは「悪」であるだけでなく「悪意」がすごい。人が嫌がることを思いつく究極の天才。ジョーカーほどではないが、こういう人、よく居る。身近にメフィストがいた時には、気に入られないよう注意しなければ。
しかしジョーカーが捕まったのかどうかはっきりしないオチはモヤモヤする。文字通り“宙ぶらりん”ということなのだろうが。やはりキリスト教圏では、日本の大岡裁きのような勧善懲悪という考えの方が稀有なのかもしれない。ジョーカーはサタンで、正義は勝つ…とは限らないのか。
精神病でも未来があると思わせてくれる映画
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