第9地区のレビュー・感想・評価
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衝撃のラストが待ち受ける怒涛の社会派アクション
いやはや凄い映画だった。
『人類がエイリアンを難民として受け入れたら』という着眼点からして驚きだが、それをまるで報道ドキュメンタリーのように見せた点が凄い。
いや、ドキュメンタリーっぽく撮った映画なら幾らでもある。けれど徹底して報道番組っぽく仕立てて見せたのは珍しいんじゃないかしら。
荒唐無稽な話にリアリティを持たせるだけでなく、話の全体図が理解し易く、説明臭さも感じさせない。
実に巧みだ。しかもこれら報道シーンと物語の本筋を描くシーンの切り替えに全くぎこちなさが無い点も◎。
この映画がアパルトヘイトとエイリアン隔離政策をダブらせているのはもはや周知の事と思うが、この辺りの描写は相当に惨い。
エイリアン達の扱いはまるで虫ケラ同然。金儲けの道具か、銃の的にされる程度の利用価値しか与えられない。
主人公ヴィカスに協力する羽目になるエイリアンも“クリストファー・ジョンソン”なんて名前を付けられている。きっと本名は発音しづらいから、隔離した連中が勝手に呼び易い名前を付けたんだろうなぁ……そう思うと無性に泣ける。
エイリアン退去の事務処理を担当する主人公も、彼らをまるきり害獣のように扱ってみせる。その主人公がエイリアンと同じ立場に叩き落とされてから、映画はノンストップアクションに変貌。ここからすんげぇ面白くなる。
ほんの20年くらいで宇宙人と人間が言語交流できる?とか未知の道具をフツーの人間が簡単に使いこなせるか?みたいなツッコミは途中で幾つか浮かぶが、それらのツッコミ全てを「いいじゃねぇか面白いんだから!!」の一言で飲み込むその怒涛のエンタメ性!
アクションシーンの演出に真新しさがある訳では無いが、そこに感情を乗せるのが巧い。
特にクライマックスの主人公の凄まじい暴れっぷりは、惨い仕打ちを受けた主人公の怒り、そして監督自身が感じている怒りを思い切りぶちまけているかのようだ。
そしてラストシーン。
予測出来なかった、まさかこんな最後が待ち構えているとは。
衝撃に襲われた後、切ない気持ちが込み上げてくる見事な幕切れ。
ごみ溜めの鉄屑が、醜悪な怪物が、あんなにも美しく見えるとは。
人種隔離政策への痛烈な批判で始まり、「人や物事の美しさは外観やルーツだけで判断できるものではない」というストレートなメッセージで締める。娯楽性に満ちていながら、一本スジの通った気骨のある作品。傑作です。
<2010/4/10鑑賞>
もうひとひねり欲しかった
拙ブログより抜粋で。
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この映画が良質なSFであることは、つまらないうんちくを一切排除し、わからないことはわからないと割り切って観客の想像にゆだねていることからも伺える。
それでいて、「宇宙人の難民化」という一発ネタといっていいこのアイデアを、差別問題を扱った社会派映画にまで昇華させた煮つめも怠らない。
ヴィカスはヒーローではない。ありきたりの小市民だ。
人間の醜さも内包した平凡さが、より差別問題の根深さを浮かび上がらせる。
とは言うものの、そんな小難しい映画ではなく、あくまでエンターテイメントに徹したバランス感覚も素晴らしい。
社会的な裏付けがあっての、SF的お遊び映画。お遊びっていうのは、むろんいい意味で。
そんなわけで、エイリアン相手に差別する側のヴィカスが被差別側に転じる中盤まではワクワクさせられた。
もちろん、映画の中での差別的な行いは観ていて楽しいもんではないのだが、次はどんなアイデアを見せてくれるんだろうという映画的、SF的期待感に胸が高鳴るのだ。
しかし、その期待は終盤に向けて落胆に変わる。
普通のSFアクションとしてはなかなか見応えのあるクライマックスなんだが、前半の才知に満ちたセンス・オブ・ワンダーに比べると、少々平凡な落としどころという感が否めない。
ただ、唯一その終盤で巧いと感じたのは、最終的な結末を、やはり観客の想像にゆだねて終わったこと。
生活感
まさかの結末
面白いけど惜しい。
帰れる場所のありがたみをSF娯楽作品として描ききる
製作のピーター・ジャクソンは、もともとクリーチャーやウエポンにおいて決して独創的な人物とはいえない。「ロード・オブ・ザ・リング」で目を見張ったのも、第一部の冒頭、花火のシーンぐらいだ。今作も、宇宙船を含め、デザイン的な目新しさはない。ドキュメンタリータッチな映像もありきたりだ。
それでも、ルーカスやスピルバーグといった先人たちの創造物を踏襲しただけではない魅力が勝るのは、新鋭ニール・ブロムカンプ監督の脚本と演出による。
まず、宇宙人と地球人の力関係が拮抗しているところに、今までにない面白さがある。人類が絶体絶命ではないのだ。
自分たちの星に帰る術を失った宇宙人たちを難民として扱う発想も独創的で、先の読めないオリジナル・ストーリーが観る者を引き込む力を持つ。
単に設定によって好奇心を煽るだけでなく、頼りなさそうだった男が生きる強さを身につけていく過程も丁寧に描かれている。傷つきながらも最後まで戦う姿は武士のようで熱いものを感じる。
しかもロマンチック。キーパーソンは父と息子。物語の根底にあるのは家族愛。そして帰る場所。ラストは男の深い情愛にグッとくる。
ニール・ブロムカンプにあってピーター・ジャクソンにないものは明るさだ。
イライラするいい映画
全ての登場人物にイライラしてムカつく
人間の愚かさにあきれる
最後までイライラしっぱなしでした(笑)
それだけにいい映画だと思う。
高評価!
笑える演出もなかなかユーモアがあっていい。
エイリアンになって人間を観察した気分。
真面目で重くなりがちなテーマを、軽くみせた手腕に拍手喝采!
『アバター』と
どことなく似てるんだよね
アカデミー賞ノミネートよりも、
そちらの情報が気になり行ってきました。
映画館は、若い人からシニア層まで
幅広い年代で8割くらい席は埋まっていました。
公開初日の4回目でしたから上々の立ち上がりではないでしょうか(笑顔)
☆彡 ☆彡
なるほどね
たしかに『アバター』に
似ているかな。3Dじゃないけどね♪
製作費
『アバター』2億3700万ドル
『第9地区』3000万ドル
これだけの開きがあるのに、
対比作に『アバター』の名が挙がる。
それだけポテンシャルを秘めた作品と認められた証。
好き嫌いが、ハッキリとわかれそうな気もしましたが、
『アバター』の映像だけでなく、ストーリーも好きだった
私にとっては、今作も大いにアリ!でした(笑顔)
なんで舞台が南アフリカなんだろ?
アパルトヘイトへの警鐘へのメッセージも込めたのかな?
そんな疑問を元に
上映後、調べてみると、
ニール・ブロムカンプ監督。
南アフリカ出身のかたでした。
さらに、今作、
2005年に短編として作り上げた作品を
ベースに長編化したことも判明。一気に謎は解けました(笑顔)
3000万ドルで
これだけのCG、映像ができてしまう。
技術の進歩に驚きです。お世辞でもなんでもなく
かなり迫力がありました。特にストーリーの展開が
目まぐるしくなっていく中盤以降なんて、スクリーンに眼が釘づけ。
どうなっちゃうんだろう
まるで童心に帰ったかのように
ドキドキハラハラしっぱなし。
エンドロールが流れ始めたとき
え~~、もう終りなの
つづきをみせてよ~~
エンドロールが流れ始めるや否や
まるでおもちゃを泣きねだる子供のように地団太を踏んでしまいました。
監督、お願いです!
この先、どうなるのか、
続編でもいいから、教えてください!!
願わくは○ッ○ーエンドでお願いします(苦笑)
☆彡 ☆彡
南アフリカ
エイリアン
隔離
人間
人間のエゴ
作品から伝わるメッセージ性には、
『ハートロッカー』にも負けない
エッセンスを受け止めることができました。
が、しかし、
わたしは敢えて、そこはあまり意識せず、
エイリアンの姿に対し、かわいらしさすら
感じさせられたのもあって、ポップな気分で、
エイリアンが登場するのに、変な表現かもしれませんが、
時には笑みも交えながら、明るく楽しく鑑賞させてもらいました。
ラストシーンも好きだなぁ。
正しい表現は“グロテスク”なのでしょうが、
私流の表現は“とってもキュートで、切なくて、チャーミング”でした。
“アイデア勝ち”
そして、そのアイデアを
見事な、ストーリーに仕上げ、
映像を、作り上げた手腕に賞賛の拍手を贈りたいと思います(笑顔)
第9地区
予想外!
社会派の仮面を取り去ると、そこはアクションの地平線。
これって、本当に低予算なんですか!?
お金、掛かってますよね!?掛かってないの!?
嘘だよ、嘘!!
じゃあ、この脚本とこの面子で、もっとお金掛けたらどうなるの!?
…低予算ですか。本当ですか低予算ですかそうですか。
参りました。とにかく兜を脱ぎます。
超絶面白いです。
これ、観なきゃ損します。
舞台設定を南アフリカにして、宇宙人をアパルトヘイト状態に見立てる導入部分。
そこがメディア的にも取り沙汰されているから、社会派サスペンスな感じかと思ってました。
そこだけに重きを置いてる、所謂「アイデア一発勝負」映画だと。
アクションなんて、まるで期待してなかった。
いやいやいやいや…思っきり、アクションじゃないですか!!
D―9政策はあくまで導入部分としての取っ掛かり。
それから怒涛の展開に、観客はただただ口アングリ状態。
二転三転の窮地、裏切り、ギミック、バイオレンス、エクスターミネート…気が付くと映画は終了というw
心地よい疲労感に包まれ、劇場を後にするw
…訳は分からなくても、凄さは伝わったでしょ?
何だか、続編が作られてもおかしくない終わり方でしたが…どうなんでしょうか?
期待しても良いのですか?ヴィカス君!←主人公の名前
いやあ、なんつーか…
SFがダメとか、グロが苦手ってなら仕方ないと思うのですが…
もう一回言います。
「これ、観なきゃ損しますよ!?」
意外な結末です。
舞台は、今年ワールドカップサッカーが開催される南アフリカ共和国のヨハネスブルグ。突如姿を表した異星人の乗る宇宙船。宇宙船は、一向に立ち去る気配を見せず、宇宙船に乗っていた異星人達は、「難民」として“第9地区”に隔離・収容される。そしてそれから28年後、スラムと化していた異星人居住地区の “第9地区”からの異星人移送計画が発動され、事件は起きる・・・。
作品は、ドキュメンタリー風に描かれています。なので、しばしば“関係者のインタビュー”的画像が挿入されます。それが、多くの場合は、地球の科学力を軽く凌駕し、地球へ侵略してくると言う対象の異星人が“難民”として描かれていると言う、ともすれば荒唐無稽にも思える作品のプロットに、臨場感を与えています。
作品中で異星人は“エビ”と言われていますが、その“エビ”はshrimpではなく、prawnと呼ばれる方のエビなので、中型くらいのエビと言う事ですね。でもなぁ、私には“エビ”には見えないんですけどね:-p
ところで、映画の舞台が南アフリカ共和国と言うのは、日本で公開される映画としては珍しい設定です。作品中でも、「NYでも、ワシントンD.C.でも、シカゴでも無く、何故ヨハネスブルグ」と言う事を自虐的に(?)言っています。
内容的話ですが、スラムの居住者を強制移住させると言う行為は、嘗て南アフリカ共和国で実際に『第6地区』と言う地域に対して強制移住が行われたと言うことを下敷きにしているらしいです。また、第9地区(=スラム)で行われている数々の違法行為は、現在の南アフリカの治安状況を語っているようにも思えます。いろんな意味で、(過去と現在の)南アフリカ共和国を象徴している映画ですね。
ストーリーは、概ね、予想通りに進行します。って言うか、欲に目がくらんだ人間の汚い一面が、中々衝撃的です。しかし、結末は、そういう事なんですね。アカデミー賞の作品賞にノミネートされた理由が判る気がしました。
第82回アカデミー賞4部門(作品賞、脚色賞、編集賞、視覚効果賞)ノミネート。
突っ込みどころ満載で面白い!
3/24にジャパンプレミア試写会で、アカデミー賞にノミネートされた話題作、第9地区を見に行きました。
場所は、お台場メディアージュ。
試写会の前に、主演のシャルト・コプリーさんが舞台あいさつしてくれ、とてもゴージャスなものでした。
シネマメディアージュには、上記の写真のように第9地区の宇宙船が置いてあって写真を撮って来ました。
そんなに期待していなくて見に行ったのですが、これ、B急映画っぽいけど、とっても面白かったです。
たぶん、中野ダンキチ氏が得意とする「Z級映画」っぽい作りなんですが、グイグイ引き込まれて満足感のある映画でした。
Xファイルが大好きな人なら第9地区は大好物な映画でしょう!
私には、第9地区で主演のシャルト・コプリーさんが、Xファイルのデイヴィッド・ドゥカヴニーと顔が似てるように見えて仕方がなかったです。
エイリアンとのハイブリッド(?)になっていくと黒くてトロリとした鼻血が出たところなんか「あっ、Xファイルと一緒だ~」となんだがワクワクしました。
一緒に見に行った主人は、ところどころ、何かの映画で見た気がして、色んな映画を寄せ集めたみたいなんだけど、新しいタイプのSF映画でとっても面白かったねぇ~と大満足!
エイリアンのしゃべり方がブッシュマンのような話し方で気になりました。
それにしても、エイリアンの名前がクリストファーって・・・(笑)
エイリアンの大好きな食べ物が猫缶だったり・・・B級臭さ満点です(笑)
人間の武器より、エイリアンの武器の方がスゴイ作りだって映画の中で話しているのに、
人間武器にエイリアンがやられちゃうのってオカシイ。
一発で吹き飛ぶスゴイ武器を持っているんだから、人間より強いハズなんだけど・・・
なーんて、ところどころ、突っ込みどころはいっぱいの映画で見逃せません。
最初から最後まで、眠くなるなんてこれっぽちも無く、気が付いたらのめり込んで見入ってしまいました。
ただ、私の隣に座っていた若い女の子にはつまんなかったらしく、映画の最中にケータイを見るわ、隣の彼氏に映画中しゃべりかけまくって最悪でしたので、こういうジャンルの映画に理解の無い彼女とデートで見に行くのはお勧めしません。
判る人同士で行くと見終わった後映画の話で盛り上がること間違いなしです!!
プレミア試写会を観て!
お台場でジャパンプレミア試写会とレッドカーペットのイベントを観てきました。この作品は製作コストが安いと言ってましたが観たらそんなことは感じない位よく仕上がってます。むしろコストがかかってるように感じますが・・・キャストが無名で新人監督だし撮影場所が南アフリカだからそちらにコストがかかってないのかも知れませんが・・・
内容も台本など無かったようですが良い感じで良かったです。
ただ劇中で戦闘シーンでは子供にはちょっとリアルすぎるような感じでした。
(銃で撃たれたりするのですが肉片がかなり飛び散ったりでリアルすぎる感じです)
家族や恋人や友人関係を人間側とエイリアン側と両方からの気持ちがわかる
SF物ではまずまずの作品だと思います。
主役のシャルト・コブリーが来日して舞台挨拶やレットカーペットに来てくれたのですがファンサービス旺盛で1人1人にサインをしてくれたり笑をとってくれたりかなり好感度UPで良い人でした(笑)
ショッキング
宇宙人モノとしては良作
宇宙人が難民であり、侵略者でない点はこれまでのエイリアン映画と
はちょっと違う。
見せ方にも工夫はあるものの、全体的に微妙でした。
主人公の行動に統一感が感じられず、自分の置かれた状況化での心情
の変化を描けていないので、何がしたいのかわからんことになってい
る様に見えました。
また、説明不足な面も多く、宇宙難民飛来から20年経っているとは
いえ何故人々が彼らの言葉を理解できているのか、またストーリーの
要となるアイテムの使い道は分かっても何故主人公にあのような影響
を与えるのか。難民たちの武器には興味のある組織も何故母船には
全く手を触れていないのか。
インディペンデンスデイほどではないにしても突込み所が結構ある
のが少々残念でした。
ストーリーもそれほど捻りも無く、正直映像技術が現代ほどではない
10~20年前に同じあらすじで映画があっても面白くなかただろうな、
という程度。
ただ、個人的には子エビが可愛らしく、映画冒頭と後半で宇宙人の見
た印象が変わるほどでした。
映画館で観るほどではないけど、レンタルなら是非。
あと微グロ注意。
大迫力!
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