「シリアスすぎる、DCユニバース出身かよ。 辛気臭いスーパーマンなんて誰が見たがるんだ…?」マン・オブ・スティール たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
シリアスすぎる、DCユニバース出身かよ。 辛気臭いスーパーマンなんて誰が見たがるんだ…?
DCコミックスのスーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」の第1作にして、最強のヒーロー“スーパーマン“の活躍を描く『マン・オブ・スティール』シリーズの第1作。
地球育ちのクリプトン人、クラーク・ケント/カル=エルは、自身のルーツを探す為に放浪の旅を続けていた。
そんな中、宇宙空間に幽閉されていたクリプトン人のゾッド将軍が地球へと降り立つ。彼は母星を再興するために地球を犠牲にしようと考えていた。それを知ったクラークは…。
監督は『300 〈スリーハンドレッド〉』『ウォッチメン』のザック・スナイダー。
主人公クラーク・ケント/カル=エル/スーパーマンを演じるのは『人生万歳!』『インモータルズ -神々の戦い-』のヘンリー・カヴィル。
デイリー・プラネット新聞社の記者、ロイス・レインを演じるのは『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『魔法にかけられて』の、名優エイミー・アダムス。
クラークの育ての父、ジョナサン・ケントを演じるのは『アンタッチャブル』『パーフェクト ワールド』の、レジェンド俳優ケビン・コスナー。
デイリー・プラネットの編集長、ペリー・ホワイトを演じるのは『マトリックス』シリーズや『ミッション:インポッシブル3』の、名優ローレンス・フィッシュバーン。
クラークの実父、ジョー=エルを演じるのは『ビューティフル・マインド』『レ・ミゼラブル』の、オスカー俳優ラッセル・クロウ。
製作/原案は『ダークナイト』トリロジーや『インセプション』の、後のオスカー監督サー・クリストファー・ノーラン,CBE。
音楽は『ダークナイト』トリロジーや『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの、巨匠ハンス・ジマー。
皆さんご存知、「鳥だ!飛行機だ!いや、スーパーマンだっ!」でお馴染みのスーパーマン。アメコミ業界の老舗DCコミックスが1938年に生み出した(おそらく)最古のスーパーヒーローです。
何度も映像化されていますが、本作は新たなスーパーマンを描くというリブート作品なので、過去作を観ていなくても何の問題もありません。
スーパーマンといえば、やはりあのクソださいスーツ!
本作では現代風にアレンジされていますが、やはり青いスーツに赤いマントという星条旗カラーのコスチュームは変わらないので、正直カッコ良くはない。
このコスチュームを着て、コスプレ感を出さないというのはなかなかにハードルが高いと思うのですが、主演のヘンリー・カヴィルはこのハードルを楽々クリアーしています。ここは素晴らしい。
あの驚くべき胸筋と甘いマスクは、まさにスーパーマンといった感じ。
クリプトン星人同士の、ドラゴンボール感溢れるバトルも迫力があって良かった。
アクションシーンはアトラクションのような映像で、劇場の大スクリーンで観ればさぞ興奮したことだろう。
迫力のある映像と再現度の高いスーパーマンを観れたので、まぁ最低限の課題はクリアーしているとは思うが、個人的にはあまり好きになれなかった。
とにかく暗いんだよっ!
ウジウジするんじゃないよ、あんたスーパーマンだろがっ!
そのくせ長いんだよ!絶対120分以内に纏められた内容だろうこれは!
ダークな世界観のアメコミヒーロー映画にも傑作は存在します。『ダークナイト』(2008)とか『LOGAN ローガン』がその良い例。
しかし、それをスーパーマンでやる必要あるのか?
この映画公開時にはすでに「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」は存在しており、観客は明るく楽しいアメコミ映画を謳歌しているわけです。
そんな中、数あるアメコミの中でも最も“アメコミ的“なスーパーマンで、あえて王道を外してダークにした意味がわからない。
DC映画なら、ダークな物語はバットマンで展開すれば良いじゃない。そうすれば光のスーパーマン、闇のバットマンみたいな感じで対比的に作品を作り出すことが出来て「DCエクステンデッド・ユニバース」に深みと広がりが出るというのに…。
映画の冒頭から謎の用語がバンバン出てきて全然頭に入らなかったのもハマらなかったポイントの一つ。
無駄に複雑にしないと気が済まないのか?
納得できない点として、クリプトン星人は星と心中するが、その他の惑星をテラフォーミングできるほどの科学力があるなら、さっさと他の星に移住すれば良いのでは?
そうしないのは何故?宗教上の問題?
ケビン・コスナーが死ぬところとかなんか釈然としないし、最後のゾッド将軍殺してウワッーてところとか、いやいやあんたらの戦いでめちゃくちゃ人死んでるから今更やでとか思ったし、なんかダークにしようとしすぎているせいで逆にアホッぽくなっている。
ただ、クライマックスでクラーク・ケントがお馴染みのメガネ姿になったのは結構好きです。こういうお約束をやるのは大事でしょう。
まぁ退屈はしないが好きな映画ではない。
エンドロールでジョン・ウィリアムズのテーマ曲が鳴り響きけば評価爆上がりだったのになー。