RENT/レント

劇場公開日:

解説

NYイースト・ヴィレッジに集うボヘミアンたちの愛と苦悩に満ちた1年間を描くミュージカル。伝説のブロードウェイ・ミュージカルの映画化。監督は「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のクリス・コロンバス。撮影は「クローサー」のスティーヴン・ゴールドブラット。音楽(作詞・作曲)はオリジナルの舞台の台本も手掛けたジョナサン・ラーソン。編集は「ボーン・スプレマシー」のリチャード・ピアソン。衣裳は「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」のアギー・ゲラード・ロジャース。出演は「シン・シティ」のロザリオ・ドーソン、(以下はオリジナル舞台にも出演)「閉ざされた森」のテイ・ディグス、「フローレス」のウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア、「レストラン」のジェシー・L・マーティン、「KISSing ジェシカ」のイディナ・メンゼル、「スクール・オブ・ロック」のアダム・パスカル、「ビューティフル・マインド」のアンソニー・ラップほか。

2005年製作/135分/アメリカ
原題または英題:Rent
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル
劇場公開日:2006年4月29日

あらすじ

1989年ニューヨーク、クリスマス・イヴの夜。イースト・ヴィレッジのロフトに住むルームメイト、HIVウィルスに侵された元人気ロック・バンドのメンバーであるロジャー(アダム・パスカル)と、ドキュメンタリー映像作家を目指すマーク(アンソニー・ラップ)は、家賃を滞納して電気を止められていた。今は資産家となったかつての仲間ベニー(テイ・ディグス)が家賃を催促に来るが、彼は実は、若き芸術家たちのためにスタジオを作ることを計画している。そんな夜、ロジャーは階下に住む麻薬中毒のダンサー、ミミ(ロザリオ・ドーソン)と出会って、心を惹かれ始める。その頃、強盗に襲われた哲学教授のコリンズ(ジェッセ・L・マーティン)は、ドラァグ・クイーンのエンジェル(ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア)に助けられ、お互いエイズという病気を抱えていることを知り、すぐさま恋に落ちた。クリスマス。ベニーの進める立ち退き計画に抗議するため、パフォーマンス・アーティストのモーリーン(イディナ・メンゼル)がライヴを行なっている。彼女はマークの元恋人だったが、今は女性弁護士のジョアンヌ(トレイシー・トムス)と付き合っていた。そしてロジャーは、ミミもHIVに感染していることを知り、2人は恋人同士となる。大晦日、ついにロフトは閉鎖され、仲間たちの環境は徐々に変化していった。そして1年経ち、発病していたエンジェルが死亡。残された仲間たちは、今この時を精一杯生きることを改めて決意するのだった。

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映画レビュー

1.5ヒャッハーへの苦手意識

2025年5月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

ミュージカルとしての「RENT」を知らないのでなんとも言いづらいのだが、映画としての出来は傑出したところもなく、ごく普通のミュージカル映画の枠を出ていない。
そうなるとストーリーにどれだけ感情移入できるかが鍵となりそうなものだが、いかんせん登場人物の誰にも惹かれないのだ。
強いて言うなら早々にボヘミアン暮らしを脱したベニーくらいか。
いつまでも子供じみた万能感を持たず、現実の社会に適応し、職を得てRENTを滞納する側からRENTを取り立てる側へまわったベニー。彼の立場になれば、「あの頃は貧しかったけど楽しかったな」という気持ちになるのもわからんではない。

曲が良かった、という感想も結構見かけるが、「Seasons of love」がかろうじて思い出せるくらいで、他は特に思い出せない。「Seasons of love」だって、不意に耳にして「RENT」の世界に引きずり込めるようなパワーがあるかと言われたら答えは「No」だ。
背景にHIV感染や薬物中毒などの社会問題も苦難の一つとして描かれているが、そもそも「困難の中でも毎日を懸命に生きよう」の象徴としてボヘミアン暮らしが描かれるのが違和感バリバリなのである。
そんなに懸命に生きてるかなぁ?

そこまで考えてふと気づいた。「RENT」はミュージカル映画であるが、基本は青春モノ。そして私はアメリカの青春モノが苦手なのだ。
日本の青春モノが「何かを頑張る系」であるのに対して、アメリカの青春モノは「とにかくヒャッハーする系」である。「フェリスはある朝突然に」や「アメリカン・グラフィティ」なんかもそうだが、あの「ヒャッハー」したテンションについていけないのだ。全く共感出来ないのでどんなに名作だと言われていても感動したことがない。
多分「RENT」も同じ。

音楽の力を持ってしても、それは打開できなかったということのようである。

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つとみ

4.0思ったよりも無骨な感じが逆に良い

2025年4月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ミュージカル映画の傑作として度々耳にしてきた作品だがなかなか観る機会がなく、結局何気なく配信で観た「Tick,tick...BOOM!」つながりでいよいよ鑑賞。クリス・コロンバス監督がメガホンを取ったということでも期待は高まる。
観てみると思ったよりも良い意味でラフ。ミュージカルとはいえ、イースト・ビレッジの街並みをバックに繰り広げられるちょっと無骨な感じの楽曲がある意味馴染みやすく、これはこれで意外に心に響く。そしてちょっとレトロでちょっとカラフルな映像も、結構ノスタルジックで良い。
思えば登場人物達は私と同年代、随所々で共感できるシーンがあり一気に引き込まれる。
そしてあっという間にラストシーン。「あるのは今日という日だけ」からの、往年の名作「ニュー・シネマ・パラダイス」を彷彿させるようなフィルムカットの連続に、がっちり心を掴まれる。
できれば2005年の公開当時のクリスマスシーズンに劇場で観れたならば、もっともっと共感し感動できたと思う。

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いけい

2.5

2025年1月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

歌はよかった
生き方については、国と時代の違いもあり、共感できず

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jyojyo4649

3.0芸術家としての生き方に乾杯!

2024年11月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

もしも仮に世の中を「持てる者」と「持たざる者」とに二分して考えたと仮定するとレント(家賃)は、「持てる者」が「持たざる者」から一方的に取り立てる「資本家側」の象徴なのかも知れないと思います。

決して富裕とは言えず、否むしろ家賃も満足に支払えず、食べるものにも事欠くような生活が垣間見えても、芸術家(≒ボヘミアン)としての自由な生き方を選びとろうとする彼らにしてみれば、経済合理性(のみ)に価値を見いだす資本の論理とは、そもそも相性が悪いのでしょう。

本作で、性別に関わらず「本当に愛する人」と結婚式を挙げるモーリーンが企画する「ダウンタウンの再開発に反対するライブ」も、その経済合理性に対する反骨そのものなのかも知れません。
(滞納家賃の棒引きをチラつかせなが、抗議ライブを封じ込めようとすることは、正しく、その経済合理性の権化とも言うべきなのか。)

芸術家仲間との死別があり、路上生活に疲れ果てる者もあり、そして芸術家(映像作家)としての生活に見切りをつけての就職のために転居しようとする者など、彼・彼女らの激動の(?)一年間(52万5,600分)を描く本作は、そのまま、彼・彼女らの「生き様」を(いかにも芸術家らしく)ミュージカル仕立てで、少しも飾るところなく浮き彫りにしている点で、またそこに、彼・彼女らを愛(いと)おしむかのように捉えるクリス・コロンバス監督の目線の温かさも感じられる点で、充分な佳作だったと思います。

(追記)
本作は別作品『フェーム』にも一脈通じるかと思います。
同作は、学び舎で芸術家としての一歩を歩み始めた若者の物語。
本作は、実社会の中で「芸術家」としての明日の開花を目指す若者の物語として。
どちらも「若さ」の清々しさを感得できた作品でした。評論子には。

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talkie