歩け走るな!

劇場公開日:

解説

ロバート・ラッセルとフランク・ロスの共同ストーリーをTV・舞台のライター、ソル・サクスが脚色し、「不沈のモリー・ブラウン」のチャールズ・ウォルターズが監督したロマンティック・コメディー。撮影は「マイ・フェア・レディ」でアカデミー色彩撮影賞を獲得したハリー・ストラドリング、音楽はモダン・ジャズの大御所クインシー・ジョーンズが担当。出演は「がちょうのおやじ」のケーリー・グラント、「死刑台への招待」のサマンサ・エッガー、「ビッグトレイル(1965)」のジム・ハットンほか。製作は「アルバレス・ケリー」のソル・C・シーゲル。

1966年製作/アメリカ
原題または英題:Walk, Don't Run!
配給:コロムビア
劇場公開日:1967年2月14日

ストーリー

英国の実業家ラトランド(ケーリー・グラント)は、商用で東京へ来たが、予定より2日前の到着のためと、折りしも東京オリンピックの賑いでホテルは超満員である。しかし、英国大使館の世話で、若い女性クリスチーヌ(サマンサ・エッガー)の、アパートの隣室を借りることになり、ふたりの奇妙な共同生活が始まった。ラトランドは、建築専攻の学生で、オリンピックの競歩レースに参加しているスティーヴ(ジム・ハットン)と知り合いになる。彼が部屋のないことを聞くと、ラトランドはさっそく借りている部屋の半分を、彼に貸した。ただでさえ図々しいラトランドに手を焼いているクリスチーヌは、また1人男がやって来て頭にくる。しかしスティーヴがとても魅力的な青年だったので、2人を放り出すのを思いとどまるのだった。スティーヴとクリスチーヌはラトランドがいないと、きまって衝突した。そんな微笑ましい2人を見て、ラトランドは結びの神を演じようとする。クリスチーヌには、英国大使館のハバーザック(ジョン・スタンディング)という婚約者がいたのだが……。いよいよ距離30マイル、東京の街を歩く競歩レースの当日。ラトランド、クリスチーヌ、ハバーザックの3人は、人混みをぬいながらレース中のスティーヴを追う。この時ラトランドはスティーヴとクリスチーヌが結婚すれば万事うまくいくと思い、いろいろと骨を折る。レースが終わり、ハバーザックはあっさりクリスチーヌをあきらめる。ラトランドもスティーヴとクリスチーヌのむつまじい姿を見て、肩の荷をおろすのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0時は64年オリンピック開催期。東京の街で3人の外国人男女がルームシェアする物語

2019年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

幸せ

2020年を迎えるまでに、なんとかこの映画を観ておきたかった。というのも、本作は1964年のオリンピック開催期周辺に東京で居合わせた3人の外国人たちが織り成すハートウォーミングなロマンティック・コメディだからだ。

作品内では、案の定、東京が深刻なホテル不足に悩まされる状況が描かれる。そうやって泊まる場所のない男二人がひょんなことから若い女性の部屋でルームシェアを始めることからドラマが巧妙に展開していく。

「北北西に進路を取れ」などで知られる名優ケイリー・グラントが老紳士を飄々と演じ、あとの若き男女を自ずと結びつける恋のキューピッド役を担うのが何とも素敵だ。

おかしな日本描写が登場するのもご愛嬌。50年前に想いを馳せながらじっくり楽しみたいところ。また、冒頭に表示される「オリンピックに向けての大変な時期に撮影協力してくれた日本の関係者に心から感謝します」という言葉にほろっとさせられる。

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牛津厚信

3.0ディテール

2021年5月20日
Androidアプリから投稿

1964年 東京オリンピックの直前
ホテルが取れなくて、クリスティン(エッガー)の部屋にラトランド(グラント)
スティーブ(ハットン)が転がり込む

この三人を中心としたコメディ、ドタバタ劇なのだが、いまいちノレなかった
欧米の笑いのツボが イマイチわからない時があるが、そんな感じ
時代の違い(1966年公開)もあるだろうか

ただ、あの頃の東京の風景や(ちょっといい加減な)ディテール、外国人目線が面白かった

ラトランドの取引先
割烹着を着るクリスティンと大使館の掃除のオバサン
前後にダイヤルのついた(?)大使館の電話
クリスティンの部屋が木造店舗の二階にしては広い
(しかも他の部屋もあるらしい)
また二階にゆく曲がり階段も立派過ぎる
(三階もあるのか?外から見ると二階建てみたいだが?)
内部は外国人向け改造か?

グラントが「シャレード」のテーマ曲を口ずさんでいることは指摘されているが「めぐり逢い」も?

クリスティンの部屋はなかなか快適そうで
ホテル住まいより良さげ

ケーリー・グラントは初老の紳士を演じているが、さすがの貫禄だった
やっぱり端正なんだな

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jarinkochie

3.0ベンチャーズの「ウォーク・ドント・ラン」が聴けるかと思っていたら・・・

2020年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 最初に見たのが中学生の頃だったのですが、陸上部の友人が全国大会まで勝ち上がったこともあり、なぜだか競歩に興味を持っていた。また、中学生の頃って何かとエレキサウンドに憧れ、ベンチャーズをこぞってコピーしていたものだ。だから、この映画も当然・・・と思ってたら、全く登場しない!しかも音楽はクインシー・ジョーンズだよ!内容はコメディだよ!てな感じで呆気にとられた40数年前。今見て、また同じ感覚を味わった・・・記憶力ねぇな。

 ケイリー・グラントは俺の頭の中ではグレゴリー・ペッグとごっちゃになっているので、冒頭のコメディパターンから、こんなに強引でがさつなおっさんなのか?!と驚いてしまいます。いやはや見知らぬ若い女性の家に強引に泊まっちゃダメでしょ。などと思っていたら、さらに上を行く若いオリンピック選手が現れた。スティーブ・デイビス。俳優名を調べてみると・・・

 ジム・ハットン‼

 ジム・ハットン、ロンドンにこの名前がどれだけあると思ってんだ?いや、それは『ボヘミアン・ラプソディ』の台詞です(多分)。

 そんな男二人と女二人のラブコメディになるわけですが、どうも展開が強引男二人によって紡がれていく不可思議なもの。不可思議といえば、当時の東京の銭湯って、女性が体を洗ってくれる?いや、それって、スタッフが何か勘違いして特殊公衆浴場に下見に行ってしまったのでは?と疑問に思う。

 そういや、洋風の階段のある和風アパートも所々不思議なものがある。アパートとその周辺だけはスタジオ内のセットなのだろうけど、ハリウッドで作ったんだろうなぁ。それでも変な日本描写が多いB級作品よりはまし。日本語もまともだし、おばちゃんも親切だし。

 しかし肝心のストーリーが強引な同居生活からスパイ疑惑や偽装結婚など、とんでもない方向に進むし、新聞記者が競歩に参加してるのも不自然。まぁ、神父と証人と指輪があれば結婚できるんだし、バツイチにならないからいいのか・・・

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kossy