ヒトラー 最期の12日間

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劇場公開日:

解説・あらすじ

独裁者アドルフ・ヒトラーの最期の12日間を克明に描いた実録ドラマ。ヨアヒム・フェストによる同名研究書、およびヒトラーの秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの証言と回想録「私はヒトラーの秘書だった」を基に、「es エス」のオリバー・ヒルシュビーゲル監督がメガホンをとった。1942年、ミュンヘン出身の若い女性トラウドゥルは、ナチス総統ヒトラーの個人秘書として働くことに。1945年4月20日、ベルリン。ヒトラーは迫りくるソ連軍の砲火から逃れるため、側近たちとともにドイツ首相官邸の地下要塞に避難する。その中にはトラウドゥルの姿もあった。誰もがドイツの敗戦を確信していたが、もはやヒトラーは客観的な判断能力を失いつつあった。「ベルリン・天使の詩」の名優ブルーノ・ガンツがヒトラー役を熱演。トラウドゥル役に「トンネル」のアレクサンドラ・マリア・ララ。

2004年製作/155分/ドイツ
原題または英題:Der Untergang
配給:ギャガ
劇場公開日:2005年7月9日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第77回 アカデミー賞(2005年)

ノミネート

外国語映画賞  
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映画レビュー

4.0悪夢のような大戦禍と、悲哀に満ちた「最期」。

2022年10月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

○作品全体
ヒトラーの描き方が独特な作品だ。
ナチスドイツの終わりの時期に焦点を当てることで、快進撃の根幹にいたヒトラーの姿は一抹も感じさせない。「カリスマ性」とか「煽動力」といった、ヒトラーを語るうえでよく出る単語からはほど遠い姿が印象的だ。

構成やセリフから「悪夢」という単語が浮かんだ。
ドイツという国そのものが「悪夢」の真っ只中である12日間だが、ファーストシーンが真夜中で、ラストシーンが夜明けである本作の構成そのものも「悪夢」を想起させる。ユンゲが地下へと潜って行くのも悪夢という眠りの淵へと向かって行くかのようだ。そしてラストシーンでユンゲが語る「目を見開いていれば…」という言葉が、瞳を閉じて見続けている悪夢の世界を印象付ける。

そして悪夢だと感じているのはドイツ国民だけではない。親愛なる国土を蹂躙され、なすすべもなく喚くも状況が変わらないヒトラーも悪夢の中を過ごしている。「偉大な総統」だった頃こそが夢であったかのようなヒトラーの姿は、作中では癇癪持ちの疲れ切った老人でしかない。時折ユンゲたちに見せる優しい表情が、むしろその悲哀を助長させる。
夢破れ、夢から醒めた老人という部分にスポットをあてていることが、「最期」の無情さを最大限に感じさせていた。ヒトラーが総統でなく、ただの老人になってしまったことがナチスドイツの「最期」で、その描き方はベルリンの大戦禍とは裏腹に、穏やかな老衰死のような、なだらかな死のように描いていたのがまた印象的であった。

○カメラワークとか
・地下施設の映し方が上手だった。狭苦しい環境のはずだけど、ヒトラーからすると心許せる人物が少ない場所。時折ガランとした空間を映すことでヒトラーの空虚に接近する。

・最初のヒトラー激怒シーン。怒る直前、メガネをゆっくりと外すのはシンプルにカッコよかった。怒ってからヒトラーの背中をなめて、奥に立つ将軍たちを映す。意見の決定的な乖離が際立つカメラ位置だった。

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すっかん

4.5私にとって価値ある作品〜戦記好きは必見だが、万人向けではない。

2025年2月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

単純

2004(日本は2005)年公開、ドイツ・イタリア・オーストリア映画。

【監督】:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
【脚本】:ベルント・アイヒンガー
【原作】:
①ヨアヒム・フェスト〜『ヒトラー 最期の12日間』、②トラウドゥル・ユンゲ、メリッサ・ミュラー〜『私はヒトラーの秘書だった』

主な配役

【ヒトラー】:ブルーノ・ガンツ
【トラウドゥル・ユンゲ】:アレクサンドラ・マリア・ララ
【エヴァ・ブラウン】:ユリアーネ・ケーラー

1.ヒトラーの最期を描く伝記映画として一級品

様々な映画やドラマに「ヒトラー役」が現れる。
喜劇王チャプリンの『独裁者』は代表的なひとつだろう。

だが、本作でヒトラーを演じたブルーノ・ガンツはまさに憑依の域に達している。
もちろん、私はナマのヒトラーを見たわけではないが、記録映画やニュースに残されたヒトラー像に完全に符合する。

2.私にとって価値ある作品

◆ヒトラー
◆その愛人エヴァ・ブラウン

そして、ヒトラーを取り巻く重鎮たち、つまり、

◆ゲーリング元帥
◆カイテル元帥
◆ヨードル大将
◆ゲッペルス宣伝相とその家族
◆シュペーア軍需相
◆ヒムラーSS指導者
◆エヴァの義弟でもあるへーゲラインSS中将
などなど、

大物たちが、ナチスドイツ臨終の間際にどのような行動をとっていたのかを活写している。
ヒトラーとエヴァ・ブラウンのやりとり(会話)についても、かなり具体的に描写していて興味深い。
もちろん、
映画ゆえの割愛やデフォルメ、一面的な描写もあるだろう。

だが、ナチスドイツ、アドルフ・ヒトラーの落日を描いた映画で、本作を超える作品に出会ったことはない。
(知らないだけかもしれないが笑)

3.まとめ

本作が公開されて20年がたつ。
まったく色褪せない。

陰気な地下室にこもり、
怒鳴り散らしたり、
気弱になったりした独裁者の最期。

実話だということが、まだ信じられないような気さえする。
戦記好きは必見だが、万人向けではない。
☆4.5

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Haihai

3.5生々しく痛切な、実録ドラマの傑作だ。

2024年11月24日
PCから投稿

ドイツの歴史家ヨアヒム・フェストによる同名の著作、および、本作では狂言回し的な女性秘書、トラウドゥル・ユンゲの回想録と証言をもとに、ベルリンの地下壕で過ごしたヒトラーの最期を描く。

ヒトラー役はドイツの国民的俳優、ブルーノ・ガンツ(本人はスイス出身)。人種差別や誇大妄想に取りつかれ、最後まで狂気じみていた独裁者を、見事な存在感で演じ切っている。

物語の舞台は地下壕という閉鎖的な空間だが、非常によく練られた脚本で、実に手堅い室内劇としての魅力もある。また、戦火に巻き込まれたベルリン市民にも光を当てている。

第三帝国の終焉が迫る中、ヒトラーをはじめ、子どもたちを毒殺した上で夫婦で自害した宣伝大臣ゲッベルスや、国防軍の軍人やSS(親衛隊)の幹部がそれぞれ選んだ終末の姿を、生々しく痛切なタッチで描き出した、実録ドラマの傑作だ。

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共感した! 6件)
瀬戸口仁

4.0動画でよくネタにされて笑って観てたけど、本物はシリアスだった

2024年10月15日
PCから投稿

悲しい

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