われら女性
劇場公開日:1954年7月24日
解説
アルフレッド・グワリーニが一九五三年に製作したオムニバス映画で、各エピソードにおいて主演者は実名で登場する。「終着駅」のチェザーレ・ザヴァッティーニが、全挿話の脚本をかいている。音楽は「終着駅」のアレッサンドロ・チコニーニの担当。 〔第一話〕この映画の製作者アルフレッド・グワリーニが監督した。撮影はドメニコ・スカラ。新人エンマ・ダニエーリ、アンナ・アメンドラが出演する。 〔第二話〕「終着駅」のルイジ・キアリーニが脚本に協力、わが国初登場のジャンニ・フランチョリーニが監督した。撮影は「七つの大罪」のエンツォ・セラフィン。「パラダイン夫人の恋」のアリダ・ヴァリが主演する。 〔第三話〕「ヨーロッパ一九五一年」と同じく、ロベルト・ロッセリーニが監督し、イングリッド・バーグマンが主演する。脚本協力は第二話と同様ルイジ・キアリーニ、撮影は「アンナ」のオテッロ・マルテッリ。 〔第四話〕前記ルイジ・キアリーニと、同じく「終着駅」のジォルジォ・プロスペリがザヴァッティーニの脚本に協力、「白い国境線」のルイジ・ザンパが監督した。撮影はドメニコ・スカラ。「七つの大罪」のイザ・ミランダが主演する。 〔第五話〕「美しき幻想」(公開予定)のルキノ・ヴィスコンティが監督する一篇。「懐かしの日々」のスーゾ・チェッキ・ダミーコが脚本に協力している。撮影は「懐かしの日々」のガボール・ポガニーの担当。「噴火山の女」のアンナ・マニャーニが主演する。
1953年製作/イタリア
原題または英題:Siamo Donne
配給:イタリフィルム=松竹
劇場公開日:1954年7月24日
ストーリー
〔第一話〕ローマの映画製作会社ティタヌスが、この映画のためにニュウ・フェイスを募集した。全国から二千人の娘たちが集り、コンテストの結果、エンマ・ダニエーリとアンナ・アメンドラの二人がえらばれた。 〔第二話〕我が子をハリウッドに残してローマに帰ったヴァリは、淋しさをまぎらわすため、自分の使っているマッサージ女の許婚者を誘惑してみようかという気になった。彼女は、或る晩、祝賀舞踏会の招待をすてて、マッサージ師の婚約披露パーティに出かけた。ヴァリは婚約者と踊った。大スターと踊る彼の緊張と興奮を彼女は見逃さなかった。--だが、突然、婚約者の顔に苦しみとも悲しみともつかぬ表情が走るのを彼女は見た。自分のはしたない行為を深く恥じたヴァリは、パーティを辞して、自分を待つ祝賀舞踏会へと向うのだった。 〔第三話〕バーグマンは別荘の庭にバラを育てていた。だが、隣の鶏が入ってきて荒すので、ある日、その鶏をとうとう捕えた。ところが、うるさ型の隣の奥さんが、憤概してのりこんできたからさあたいへん-- 〔第四話〕イザ・ミランダは、女優としてのエゴイズムから子供を生まなかったことを後悔していた。ある日、自動車にのってローマ郊外を通ったとき、怪我をした子供に逢い、治療をうけさせ、子供の家に連れて行った。労働者アパート街では子供たちが騒ぎ廻っていた。暫くその姿を眺めて孤独を忘れていたミランダは、帰宅して自分の部屋に入り、自分の孤独を改めて痛感するのであった。 〔第五話〕アンナ・マニャーニがまだレヴュウに出ていたころ。犬を連れてタクシーに乗った彼女に運転者は割増料金をいただきたいという。ここで、負けず嫌いのマニャーニと運ちゃんとの痛快な応酬が展開される。