肉の蝋人形(1933)

解説

「ドクターX」「春なき二万年」のマイケル・カーティズが監督した恐怖映画で、チャールズ・S・ベルドン作の舞台劇の基づいて、ドン・マラリーとカール・エリクソンが共同して台本を作った。撮影は「ドクターX」のレイ・レナハンの担当。主演者は「ドクターX」「動物園の殺人」のライオネル・アトウィルで「キング・コング(1933)」のフェイ・レイ、「仮面の米国」「生の創め」のグレンダ・ファレル、「犯罪都市(1931)」「落下傘」のフランク・マクヒュー、「海底マラソン」のエドウィン・マクスウェル、「ドクターX」のアーサー・エドモンド・カリューおよびトーマス・ジャックソン、「ロマンス」のギャヴィン・ゴードン、アレン・ヴィンセント、マシュー・ベッツ等が共演。全編テクニカラーの極彩色を施したもの。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Mystery of the Wax Museum

ストーリー

アイゴールは蝋人形作りとして素晴らしい腕を待った男で、ワースという金主と共同してロンドンで展示場を開いて居たが、彼の芸術家気取りが金儲けにならんと言ってワースは一夜放火して火災保険金を詐取した。そのときアイゴールは自作の歴史上の人物の蝋人形を救おうとして大火傷を負った。それから数年経って1933年ニューヨークで、ロンドンの蝋人形館が開かれた。ところが約一年前からニューヨークでは失踪した人々や屍体置き場から盗まれた死体が全然発見されない、という事実があった。女新聞記者のフロレンスは親友シャーロット・ダンカンの愛人が雇われている蝋人形館をある日シャーロットと共に訪問した。アイゴールはシャーロットに深く心を惹かれた様子であった。フロレンスは人形をみて歩くうちにジャンダークの像を見て、最近死骸が紛失したコーラス・ガールのジョーン・ゲールと容貌が酷似しているのを発見した。そこで彼女は館に雇われているスパロウという男の跡をつけて廃虚に似た家に入ったのを見届け、地下室へ忍びこんで、ゲールの死骸が入っているらしい箱を発見したが、人間とは思えないような醜怪な容貌をした男が現れたので魂消て逃げだし警察に事の次第を知らせた。警官が調べると怪人は居らず、箱の中には密造酒が詰められているのみだった。がスパロウは捕らえられ尋問を受けた。フロレンスは蝋人形館へ行くと悲鳴が聞こえるので声を頼りに地下室を覗いて見ると、怪物がシャーロットを手術台に寝かせていた。一方スパロウは凡てを白状したので警官隊は蝋人形館を襲い、ついに怪物は警官の拳銃に射たれて、煮沸する蝋壷の中に落ちて最期を遂げ、危ういところでシャーロットは救われた。怪物こそは火傷したアイゴールで、彼は平生蝋の仮面を被っていたのだった。半狂の彼は手を火傷しているので、嘗て自作の人形に似た容貌の人や死人を凌ってきて熱蝋を被せて蝋人形を作っていたのだった。この特ダネを得たフロレンスは編集長と結婚する幸福を掴んだ。

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