ターザンの猛襲
解説
「類猿人ターザン(1932)」以来4本目のターザン物で、例によってジョニー・ワイズミュラーとモーリン・オサリヴァンが主演している。エドガー・ライス・バロウズの「ターザン」物語とは関係なく脚色したもので、前作「ターザンの逆襲」と同じスタッフ、すなわちシリル・ヒューム脚色、リチャード・ソープ監督、レナート・スミス撮影で制作された。新顔の子役ジョン・シェイフィールドが共演する他、「流行の女王」のアイアン・ハンター、「米国の機密室」「僕の脱走記」のヘンリー・スチブンスン、「モヒカン族の最後(1936)」のヘンリー・ウィルコクスン、「沙漠の朝」のフリーダ・イネスコート、メトロの新人女優ラレイン・デイが助演している。
1939年製作/アメリカ
原題または英題:Tarzan Find's a Son
ストーリー
英国の貴族ランシング夫妻と、2人の間に生まれた赤坊を乗せた飛行機がアフリカのジャングルに墜落し、奇跡的に赤坊だけが助かったのを、ターザンと妻のジェーンが寵愛している猿のチータが助けて樹上にあるターザンの住みかへ連れて来た。ジェーンの喜びに引かえ始めは驚き起こっていたターザンも、次第にジェーンを妻と呼び赤ん坊をボーイと呼ぶようになった。かくて数年は過ぎ、6才になったターザン2世は父を恥しめぬ立派な身体を持ち、ターザンの従者である獣たちにも敬愛された。ある時英国の貴族トーマス・ランシングと彼の血を引くルチャード夫妻が原住民の一行を連れて付近へ来り、キボニ族に襲われて危機に面したところをターザンに助けられた。彼らは5年前に飛行機で行方不明になったヘンリーを捜索するために来たのである。ジェーンは子供を自分たちの実子だと紹介して彼らを墜落現場へ案内した。リチャード夫妻はヘンリーが世継ぎを残さず死んだのを喜んだ。莫大な遺産がそのため彼の物となるからである。しかしトーマスはジェーンの子供に疑いを抱いて、到頭彼女を説伏せた。リチャードは始めそれに反対だったが、子供をロンドンへ連れていき、自分が保護者になる考えで賛成した。けれどもターザンが頑強に反対したので、リチャード夫妻は彼を谷底へ突き落として出発した。夫妻の悪辣なつ奸計を知ったトーマスは、ジェーンに子供を連れてターザンの許へ帰れと勧める。これを知ったリチャードはトーマスを殺し、ジャングルを進む途中ザンベリズ族に襲われる。ジェーンはようやく子供だけを逃がすことに成功した。少年は樹間を翔びつつターザンの許へ駆けつけたので、ターザンは象の大群を率いて到着したが、すでにリチャードは殺されていた。彼の妻を帰国せしめたターザン夫妻は、再び子供を抱いて樹上の楽しい我が家へ帰った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- リチャード・ソープ
- 脚色
- シリル・ヒューム
- 製作
- サム・ジンバリスト
- キャラクター創造
- エドガー・ライズ・バロウズ
- 撮影
- レナード・スミス