ロープ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

アルフレッド・ヒッチコック監督が、アメリカで実際に起きた「レオポルドとローブ事件」をもとにした舞台劇を映画化。物語の全編をワンシーンで繋げ、映画内の時間と現実の時間が同時進行するという実験的な手法で描いた。ニューヨークのとあるアパートの一室。大学を出たばかりの青年フィリップとブランドンが同級生を絞殺し、その死体を衣装箱に入れる。殺害の動機は、自分たちが他者より優れていることを証明するためだけだった。2人はさらなるスリルを求め、被害者の父や恋人、恋仇、伯母、そして恩師である大学教授を部屋に招いて晩餐会を開く。犯した罪の恐ろしさに次第に冷静さを失っていくフィリップと、大胆にも死体を見せたい衝動に駆られるブランドンだったが……。教授役に「素晴らしき哉、人生!」のジェームズ・スチュワート。

1948年製作/80分/アメリカ
原題または英題:Rope
配給:MGM
劇場公開日:1962年10月12日

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写真:Album/アフロ

映画レビュー

3.5A One Act Play Film, Disturbing in Simplicity

2020年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

Rope is a talky one-room house party presented in almost real time. The bourgeois villain protagonist pair pull a demented stunt under their guests noses for their own self-pleasure. A brief homosexual undertone as a hint of motivation might make the film seem a little homophobic in the Zizekian sense, but it's easy to look past that for Hitchcock's genuine craft of decently portrayed vulgarity.

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Dan Knighton

4.0ワンカット撮影を語る上で欠かせない伝説の一作

2020年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ワンカット撮影にまつわる歴史を遡ると、必ずヒッチコックの本作が顔を出す。舞台を高級マンションの一室に限定して繰り広げるこの密室劇は、全編がリアルタイムで進行し、映像に一切の途切れはない。が、当時のカメラやフィルムの技術では10分程度しか連続して撮影することができず、そのために用いた登場人物の背中を大写しにした状態で次のフィルムへと入れ替えるトリックは今や伝説として語り継がれるほどだ。

とはいえ、長回しのみに注目すると、我々は本質を見失う。本作はそれ以上に極上のミステリーであり、人間ドラマだ。舞台作品を見ているかのようなリアルタイムの臨場感を堪能しつつ、ジェームズ・スチュワート演じる恩師が名推理によって教え子の心理を暴くスリリングさや、そこに漂う焦燥や後悔の深さに打ちのめされる。また教え子の怪物性もまた、のちの『サイコ』へ連なる流れの源流の様にも感じられる。何度見ても妙味が尽きない秀作だ。

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牛津厚信

2.0時代を考えると凄いんだろうけどね

2024年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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背中にエンジン

5.0ヒッチ異色の倒叙もの

2024年4月6日
PCから投稿

コロンボと同じく初めに事件が起きて犯人を追い詰めてゆく倒叙ものです。
全編1ショットの実験作ですがヒッチ自身は、自分の最大の武器であるカットの積重ねやモンダージュを犠牲にしたのは間違いだった、と述べていますが倒叙ならではのサスペンスを一貫して感じることができる傑作です。
ただ脚本的には、真相を知るに至る経緯がやや飛躍し過ぎで若干の疑問が残ります。

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越後屋