ルトガー・ハウアー 処刑脱獄

解説

極寒の地、アラスカを舞台に、ある事件がきっかけで知り合った狩猟に生きるサヴァイバリストと都会育ちの環境保護主義者の対立の物語を軸に展開されるアクション・ロマン。主演は「ブレードランナー」から「ビジター 欲望の死角」まで、暴力と神秘性を併せ持つキャラクターを演じさせれば天下一品の個性派俳優、ルトガー・ハウアー。今回の企画を気に入った彼は共同エグセクティヴ・プロデューサーとしても名を連ねている。監督はピーター・マスターソン、撮影は「トイ・ソルジャー」のトーマス・バースティン、美術は「告発の行方」ほかのリチャード・ウィルコックスが担当。共演は『本日はお日柄もよく ベッツィの結婚』(V)のディラン・ウォルシュ。男臭いムードの中、紅一点の形で新人リヤ・キールステッドが華を添えている。

1993年製作/アメリカ・カナダ合作
原題または英題:Arctic Blue

ストーリー

アラスカ。石油会社の依頼を受けた環境調査官として妻アン=マリー(リヤ・キールステッド)と同地で生活中のエリック(ディラン・ウォルシュ)は、ある日彼の地では恐れられるハンター、ベン・コルベット(ルトガー・ハウアー)と彼に従う荒くれの弟たちと知り合う。自分たちが定めた掟に従わない3人の素人ハンターを死なせた彼らは、以前から彼らの乱暴な所業を見かねていた保安官に追われる羽目になる。保安官と親しく、セスナ機のライセンスを持つエリックは、容疑者の代表として捕らえたコルベットを最寄りの裁判所まで送り届ける仕事を引き受ける。ところが、コルベットはスキをついて保安官を死なせ、さらに彼をセスナに乗せたのはいいが、コルベットによって飛行機は雪山に不時着させられてしまう。いがみあいながらも、生きて町へ戻るために、最後には協力関係をとりながら、2人は雪山を強行軍。やっとのことで町に着いたころ、2人の間にはどこかで共感が芽生えていた。しかし彼らが知らぬ間に、コルベットの弟たちはエリックの家を襲い、アン=マリーはからくも逃げた。一方、事件を利用してパイプラインの悪化など自らに都合の悪いことを隠蔽しようと図る議員ルメールが暗躍していた。この混乱に乗じる形で何とか逃げのびようとするコルベットをエリックは説得するが、彼は聞かない。やがてコルベットの仲間たちが彼を取り戻そうと襲撃をかけてくる。エリックは彼らを迎え討つ。その間にアン=マリーの連絡を受けた警察のヘリコプターが到着。そこへコルベットの弟とルモールがやってくる。コルベットは弟ともどもルモールを倒すが、自らも重傷を負う。ヘリコプターに乗りこまされたコルベットは裁きは自分でつけさせてくれとエリックに哀願する。それを聞いたエリックは機を地上に降ろし、彼を解放してやり、アン=マリーに「ここが彼の土地なんだ」と語るのだった。

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