ラリー・フリント

劇場公開日:

解説

過激なグラビアが売り物のポルノ雑誌『ハスラー』を創刊した実在の人物、ラリー・フリントの一代記。その破天荒な半生を通してアメリカにおける自由の意味を意味を問うと同時に、彼に献身的な愛を捧げた薄幸の妻との愛を描くラブ・ストーリーでもある。「エド・ウッド」のコンビ、スコット・アレクサンダーとラリー・カラツェウスキーのオリジナル脚本を、「アマデウス」「恋の掟」のミロシュ・フォアマンの監督で映画化。製作は「ニクソン」のオリヴァー・ストーンと彼のパートナーで「ニュー・エイジ」のジャネット・ヤン、「恋の掟」のマイケル・ハウスマン。撮影は「王妃マルゴ」のフィリップ・ルースロ、音楽は「フェノミナン」のトーマス・ニューマン、美術は「アマデウス」「私に近い6人の他人」のパトリツィア・フォン・ブランデンシュタイン、編集は「アメリカの災難」のクリストファー・テレフセン、衣裳は「アマデウス」のセオドア・ピステックと「クロウ/飛翔伝説」のアリアンヌ・フィリップスが担当。主演は「キング・ピン/ストライクへの道」「心の指紋」のウディ・ハレルソンと「バスキア」のコートニー・ラヴ。共演は「真実の行方」のエドワード・ノートン、ウディの実弟で「心の指紋」のブレット・ハレルソン、「STAR TREK:ファースト・コンタクト」のジェームズ・クロムウェル、「カウガール・ブルース」のクリスピン・グローヴァー、「カッコーの巣の上で」「恋の掟」などフォロマン作品の常連であるヴィンセント・スキャヴェリほか。また、ラリー・フリント自身が判事役で特別出演。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第10位。

1996年製作/129分/アメリカ
原題:The People vs. Larry Flynt
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場公開日:1997年8月2日

ストーリー

72年、オハイオ州シンシナティ。ストリップ・クラブのオーナー、ラリー(ウディ・ハレルソン)は、弟ジミー(ブレット・ハレルソン)と経営する店の客寄せのためのヌード写真入り会報を発行。この成功を機に出版社を設立した彼は、男性誌『ハスラー』を創刊する。また、この頃、ラリーはクラブのダンサー、アルシア(コートニー・ラヴ)のエキセントリックな魅力にひかれ、同居を始めた。創刊号は返品の山だったが、ケネディ大統領夫人のジャクリーン・K・オナシスの全裸写真をスクープした号は200万部を売り上げ、ラリーはたちまち大金持ちに。76年、アメリカ建国200年の記念日の夜、ラリーはアルシアとの結婚を決意した。性器を露出した過激なグラビアとスキャンダラスなスクープ写真は、大物投資家キーティング(ジェームズ・クロムウェル)やリーズ検事(ジェームズ・カーヴィル)ら世の良識者たちの反感を買っていた。77年、ラリーは猥褻罪、及び組織犯罪容疑で逮捕される。弁護士のアイザックマン(エドワード・ノートン)の法廷での健闘も虚しく、ラリーは翌年、多額の罰金と懲役25年の判決を言い渡された。間もなく釈放されたラリーは「自由な出版を守る会」に招かれ、戦争とヌードの写真が交互に映し出される巨大なスクリーンを前に、「忌まわしいのはどっちだ!」と演説した。やがて彼は、カーター大統領の妹で敬虔なクリスチャンであり、彼を「性の抑圧からの解放者」と考えていたルース(ドナ・ハノーヴァー)の支持を受ける。彼女の影響でラリーがクリスチャンに回心すると、『ハスラー』もポルノと宗教が奇妙に混在したものへと変わったが、彼は周囲の誰の意見にも耳を貸さない。78年、ジョージア州の裁判所前でラリーは何者かに狙撃され、下半身不随になってしまう。信仰を捨てルースと訣別した彼は、ハリウッドへ移る。今や心だけで結ばれていたアルシアとラリーは豪華な寝室に閉じこもり、ドラッグに溺れる日々が続いた。83年、手術によって痛みから解放されたラリーはドラッグをやめ、仕事に復帰し新たな闘いを始めた。デロリアン・モーター・カンパニーの社長ジョン・デロリアンとFBIのコカイン取り引き現場を映したビデオ、つまりFBIの囮捜査の模様が収めたものを入手した彼は、CBSに売り込んだ。ビデオの出所を明らかにするよう求められたラリーはこれを拒否し、法廷で暴言をブチまけた挙げ句、精神科刑務所に収容を命じられる。そんな時、著名な伝導士フォルウェル(リチャード・ポール)が、彼と母親が近親相姦していたという『ハスラー』のパロディ広告に怒り、ラリーを告訴した。アルシアの懇願で一度はラリーに解雇されたアイザックマンが弁護をするが、裁判が始まるとまたしてもラリーは法廷で悪態の限りを尽くし、再び有罪判決を受ける。そんな折り、エイズに冒されたアルシアがバスタブで溺死する。最愛の妻を失ったショックの中で、ラリーはアメリカが自由の国であることを証明するため、そして共に闘ってきたアルシアの死に報いるため、最高裁で表現の自由の意味を争うべく上告する。やがて、在りし日のアルシアの姿を収めたビデオを見ていたラリーは、アイザックマンから勝訴の報せを受け取るのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第54回 ゴールデングローブ賞(1997年)

受賞

最優秀監督賞 ミロス・フォアマン
最優秀脚本賞 スコット・アレクサンダー

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ウッディ・ハレルソン
最優秀主演女優賞(ドラマ) コートニー・ラブ
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.0アメリカだなぁという物語

2021年12月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

アメリカのポルノ王の物語。破茶滅茶だけど、自由と性を貫く生き様は、後半の裁判シーンではアメリカという国の建国にまで遡り疑問を投げかける。裁判映画という側面でも興味深い。
名優ウディ・ハレルソンとエドワード・ノートンはもちろんだけど、主人公の妻役のコートニー・ラブが際立って良い演技だった。

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Iwarenkon

3.0ハスラー ワクワク

2021年8月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 風貌や言動も普通の男だった。ちょっとエロい程度。ベトナム戦争の時代ということもあって言論・表現の自由とか謳ってるのかと思いきや、単なる雑誌の売りあげを伸ばすための男だったりする。有罪判決も受けるし、銃撃戦で巻き添えを喰ったこともある。なんだか波乱万丈な人生のようだけど、共感もできない・・・

 撃たれて車椅子生活になってからのハレルソンの演技は独特の口調で面白かったけど、演技力としてはエドワード・ノートンのほうが上回ると思う。

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kossy

3.5ホントかネタか?

2021年4月30日
スマートフォンから投稿

アメリカ人には有名でも、日本人には殆ど馴染みがない人なので、日本人が評価すると誤解しているはずです。
アマデウスも、カッコーも同様に、大げさにデフォルメするのが得意な監督なので、例によってどこまで真実でどこからネタなのか、そこが面白いです。主役確かに熱演ですが奥さん役もなかなか良いです。

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越後屋

3.0ポルノ雑誌創刊者の常識をぶっ壊したような実話。 気が重くなった。 ...

2019年5月26日
PCから投稿

ポルノ雑誌創刊者の常識をぶっ壊したような実話。
気が重くなった。
鑑賞日:2015.3.21

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miharyi
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