妖獣都市 香港魔界篇

解説

菊地秀行の同名伝奇SFの映画化。二〇世紀末の東京と香港を舞台に“闇ガード”と呼ばれる特殊工作員と妖獣たちとの死闘を、SFXを駆使して描く。製作は「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のツイ・ハーク。監督は本作が長編七作目となるマック・タイ・キット。脚本はハークとロイ・ゼトー。撮影はアンドリュー・ラウ。SFXは新視覚特技工作室(シネフェックス・ワークショップ)が担当。日本劇場公開版に限り荻野清子が音楽を担当している。

1992年製作/香港
原題または英題:The Wicked City

ストーリー

人間界を侵す妖獣を抹殺する“闇ガード”の一員、滝(レオン・ライ)は日本での妖獣蜘蛛女(葉山麗子)を退治する任務を終え、妖獣の巣窟である香港へと向かった。彼は上司の加山から、妖獣たちが最近街に流れ始めた麻薬“ハピネス”を使って、人間界の支配を企んでいると知らされる。それを阻止するため、滝は同僚のケン(ジャッキー・チョン)と共に、黒幕と思われる一五〇歳の妖獣、元大宗(仲代達矢)に近づく。が、大宗はハピネスを流したのは決して自分ではなく、それどころか自分は人間たちとの平和共存を望んでいると滝に訴える。本当の黒幕は大宗の息子シュドー(ロイ・チュン)であった。平和主義を訴える大宗は妖獣に襲われ瀕死の重症を負い、彼の愛人でかつて滝が思いを寄せていた美しい妖獣、幻姫(ミシェル・リー)はハピネスを注射されてしまう。シュドーの罠にはまり体を奪われてしまった幻姫は彼の巧妙な策により滝に毒を口移ししたばかりか、自分もその毒に犯されてしまった。加山は二人の解毒に成功したが、幻姫を元の妖獣の姿に戻そうと決意。その姿を見ることが耐えられない滝は幻姫を逃がすのだった。その頃、シュドーが闇ガードの一員で局を裏切ったシーラ(カーマン・リー)に妖獣を制御している磁場の電源を切らせたため、束縛を解かれた妖獣の魔力が都市を覆った。滝は妖獣たちが続々と集結している高層ビルへ向かう。壮絶な闘いが繰り広げられ、滝はシュドーを倒すのであった。

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