緑色の部屋

劇場公開日:

解説

結婚後わずかの間に事故で死んでしまった若妻の肖像や遺品で飾られた“緑色の部屋”で生活する男の死者への愛情を描く。製作はマルセル・べルべールとローラン・トゥノー、監督は「恋愛日記」のフランソワ・トリュフォー。ヘンリー・C・ジェームズの数篇の単篇小説を基にトリュフォーとジャン・グリュオーが脚色。助監督はシュザンヌ・シフマン、撮影はネストール・アルメンドロス、音楽はモーリス・ジョーべール、編集はマルティーヌ・バラーク・キュリー、美術はジャン・ピエール・コユ・スヴェルコ、衣装はモニーク・デュリーとクリスチャン・ガスクが各々担当。出演はフランソワ・トリュフォー、ナタリーバイ、ジャン・ダステ、ジャン・ピエール・ムーラン、アントワーヌ・ヴィテーズ、ジャーヌ・ロブル、ジャン・ピエール・デュコス、アニー・ミレールなど。

1978年製作/フランス
原題または英題:The Green Room La Chambre Verte
配給:東宝東和
劇場公開日:1980年2月9日

ストーリー

第1次世界大戦から10年後の1928年、フランス東部の小さな町。ジュリアン・ダヴェンヌ(フランソワ・トリュフォー)は、友人ジェラール(ジャン・ピエール・ムーラン)の夫人の葬儀に出かけ、悲しみのあまり泣きうなだれる友人を心から慰めた。彼ジュリアンも又、若くして妻を失った不幸な身だった。以後40代になった今も独身を続け、老家政婦と甥で聾唖の少年ジョルジュ(パトリック・マレオン)とともにひっそりと暮していた。ジュリアンの家の中には、彼以外誰にも入ることのできない秘密の部屋があった。それは最愛の妻ジュリーの“霊堂”としてしつらえられた“緑色の部屋”で、ジュリーの肖像や遺品が置かれていた。彼にとってこの部屋で過ごすことが彼女との交感と語らいの方法だったのだ。しかし、ジュリアンは表向きはまったく普通の生活を送り、地方紙“グローブ”社の編集部に勤めていた。彼には1人だけ許すことのできない人間がいた。それはポール・マシニーという政治家で、かつてはジュリアンの親友だったが、非情にも彼はジュリアンを裏切ったのだった。ある日、ジュリーの実家のヴァランス家の家具や調度品などが競売に出されていることを知ったジュリアンは、妻の思い出の形見を求めてそこに出かけていった。そこで彼は、指輪を探しているのを快く手助けしてくれたセシリア・マンデル(ナタリー・バイ)という女性に会った。死を崇める心、死者を大事にする気持ちがふたりを親しく結びつけ、ふたりは互いに強く心ひかれた。ジュリアンは基地の中に廃虚となった古い礼拝堂を見つけ、そこに彼の“緑色の部屋”を死者たちの祭壇として築くために、修復する椎利を買い取った。その礼拝堂には妻だけのものでなく、彼の心に残る死者たちのすべてを集め、ひとりひとりのためにロウソクをともした。しかしポール・マシニーだけは別だった。ジュリアンはセシリアにその祭壇の共同管理を依頼し、彼女をこの上なく信頼していた。そしてセシリアもジュリアンを愛していた。だが、ジュリアンは、彼女のアパルトマンに飾られているポール・マシニーの写真を見てショックを受けた。彼女こそポール・マシニーの愛人だったのだ。そして彼女の愛する死者とはポール・マシニーだったのだ。ジュリアンは絶望のあまり部屋に閉じこもって、餓死するがままにまかせた。セシリアは手紙で愛を告白し合うことを懇願した。彼は瀕死の体をステッキで支え礼拝堂までやって来て、ポール・マシニーのためにロウソクをともすようにと頼むとセシリアの前で息絶えた。セシリアは涙を流しながら祭壇のロウソクの最後の一本に火をともした。そして名前を発した。ジュリアン・ダヴェンヌと--。

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映画レビュー

3.0第一次世界大戦後

2021年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 死者を崇める真摯な行いに心打たれたのだが、ここまで執拗ななまでに美しい思い出に捕らわれてもいいものだろうかと考えさせられた。若く美人なセシリアに想われていても動揺すらしない主人公ジュリアン。戦争には憤りを感じるものの、未来を切り開くことを放棄しているかのように感じます。そして死者たちを敬うあまり、教会を買い取って霊を祀りとおす。。。しかし、死者たちの仲間入りするためにただ死を待つだけなんて、下手するとホラー映画に繋がってしまうような奇怪な行動でもある。う~む。

 それにしてもセシリア(ナタリー・バイ)は綺麗だ。ろう者の少年ジョルジュも雰囲気出しています。

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kossy

2.0死の消化。

2014年10月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

寝られる

早い段階から眠ってしまいました。。。

死者への思い溢れ、生身の人間と関係を結ぶことに支障をきたしている男のお話。

ラストシーン、安易に想定内の結末にもっていかない処はイイ。

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Nori