砲艦サンパブロ

劇場公開日:

解説

1942年にベスト・セラーとなったリチャード・マッケナの小説『サンパブロ号乗組員』を原作に、ロバート・アンダーソンが脚色、「サウンド・オブ・ミュージック」のロバート・ワイズが製作・監督した。撮影は「荒野の悪魔」のジョー・マクドナルド、音楽はジェリー・ゴールドスミス。出演は「ネバダ・スミス」のスティーヴ・マックィーン、「グループ」のキャンディス・バーゲン、「飛べ!フェニックス」のリチャード・アッテンボローのほかリチャード・クレンナ、マラヤット・アンドリアン、マコ(岩松信)など。

1966年製作/アメリカ
原題:The Sand Pebbles
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1967年3月18日

ストーリー

1926年。中国統一を夢みる中国人の排外思想が激しくなり、デモが暴徒と化していた。列国は揚子江沿岸の権益と人命財産を守るため艦艇を出動させていたが、アメリカの砲艦サンパブロ号もその1つであった。ある日その砲艦にホルマン(スティーヴ・マックィーン)という1等機関兵が赴任して来た。彼は旅の途中、伝道学校の教師としてアメリカからはるばるやって来た美しい女性シャーリー(キャンディス・バーゲン)と親しくなった。そして彼女の魅力にひかれたが、そのまま別れてサンパブロ号の一員となったのである。彼は意外にも砲艦が中国人の支配下にあり、コリンズ艦長(リチャード・クレンナ)でさえままならぬ状態にいることを知り、機関室だけでも自分が責任を持とうとしたが、中国人乗組員は彼に非難の目を向け、それを阻止した。ホルマンが艦内で親しくなったのはフレンチー(リチャード・アッテンボロー)だけで、ふたりはよく一緒に上陸しては酒場へ出かけた。フレンチーは酒場の女メイリー(マラヤット・アンドリアン)が好きになり、何とか彼女を見受けしたいと考えた。そんな時揚子江沿岸の事態が急に悪化しアメリカ宣教師ジェームソンが阿片を栽培した罪で国民軍に捕らえられた。アメリカ側と中国側との折衝がなって、彼は許されたが伝道団の人々は軍に保護されることを拒絶した。艦は彼らを残し上海へ引揚げることになった。一方フレンチーもホルマンの協力でライバルたちを一蹴し、メイリーと結婚した。いよいよ中国民の示威運動が激烈になり、サンパブロ号もついに動けなくなってしまった。何カ月もそんな状態が続いた。暴徒の手は身重のメイリーの上にも及び彼女は空しく死んでいった。そして蒋介石が南京を占拠、米海兵隊の上海上陸の報が入ると、コリンズ艦長は名誉回復をせんものと宣教師たちの救出に向かった。しかし団長のジェームソンは伝道団は絶対中立だと主張して動かなかった。激しい戦闘のなかでコリンズ艦長は戦死し、ホルマンはひとり最後まで踏みとどまり、シャーリーたちを艦内に避難させた。そして彼は敵弾をうけて栄光の死をとげた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第39回 アカデミー賞(1967年)

ノミネート

作品賞  
男優賞 スティーブ・マックィーン
助演男優賞 マコ
撮影賞(カラー) ジョー・マクドナルド
編集賞 ウィリアム・レイノルズ
作曲賞 ジェリー・ゴールドスミス
美術賞(カラー)  
音響賞  

第24回 ゴールデングローブ賞(1967年)

受賞

最優秀助演男優賞 リチャード・アッテンボロー

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) スティーブ・マックィーン
最優秀助演男優賞 マコ
最優秀監督賞 ロバート・ワイズ
最優秀脚本賞 ロバート・アンダーソン
最優秀作曲賞 ジェリー・ゴールドスミス
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映画レビュー

3.0中立な場所など存在しなかった

2023年6月12日
PCから投稿
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はむちん2

3.5かもめの水兵さん

2021年5月17日
スマートフォンから投稿

原作がしっかりしていて反戦メッセージも明確でそれなりの秀作ですが、植民地の上海を舞台にとった3時間の大作にしてはどうも風格にかけるようです。リーン君に任せたらスケール感やダイナミズムが出て正に超大作になったのでは?
敗因は、ドラマ描写中心で、せっかくの舞台を生かすダイナミックな映像が殆ど見当たらないこと。そしてなんと言ってもマック君が主役に合っていないと感じます。大脱走とか7人とかブリットとかのイメージが強烈なので、今更カモメの水兵さんの格好されても戸惑います。尤もあの帽子、元がかっこ悪いから似合う人いませんけどね。

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越後屋

3.5スティーブン・マックイーンとキャンデス・バーゲンの代表作

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

ニコラス・レイの「北京の55日」に続く混乱の中国を舞台にしたハリウッド映画。満州事変の数年前の時代背景で、西洋列強の植民地争いが激しいとき。
この企画は、スペクタクル映画に活路を見出す興行目的が最優先だったと想像します。でも監督がロバート・ワイズの御蔭で社会派映画の佳作になった。
マックイーンとバーゲンが素晴らしい。「荒野の七人」や「大脱走」のアクション映画のマックイーンも颯爽とかっこいいが、男らしさに独特の寂寥感の漂う「シンシナティ・キッド」や「パピヨン」のマックイーンもいい。その中でこの作品のマックイーンが一番役柄にマッチしているのではないか。デビューしたてのバーゲンは、この時二十歳の若さながら、確かな演技力を身に付けています。鼻から顎にかけてのラインが美しい、横顔美女の第一人者。後に監督業も兼ねたリチャード・アッテンボローと日系アメリカ人俳優マコ岩松も存在感ある好演を遺して、大味になりがちな当時のハリウッド映画大作では魅力的な作品だ。歴史の真実より、人間ドラマの価値がある、好きな作品。

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Gustav

4.0骨太な映画

2019年6月1日
Androidアプリから投稿

骨太な映画

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もーさん
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