ブルワース

劇場公開日:

解説

選挙活動のノイローゼから自分の暗殺を依頼した上院議員が、それをきっかけに過激に本音をブチまけ始めて大騒動を巻き起こす様を描いた諷刺コメディ。監督・主演は「レッズ」「ディック・トレイシー」(監督も)「めぐり逢い」(製作・脚本も)のウォーレン・ベイティで、彼の監督第4作。脚本はベイティの原案を元に、彼と「レッズ」のジェレミー・ピクサーが共同で担当。製作はベイティと「ヒート」のピーター・ヤン・ブルッグ。製作総指揮はローレン・シュラー・ドナー。撮影はベイティとは「レッズ」以来コンビを組む名手ヴィットリオ・ストラーロ(「タンゴ」)。音楽はスコアを巨匠エンニオ・モリコーネ(「めぐり逢い」「Uターン」)、サウンドトラック製作総指揮を「グレイス・オブ・マイ・ハート」のカリン・ラクトマンがそれぞれ担当。美術は「ゴッドファーザー」(シリーズ3作)「ライジング・サン」のディーン・タヴーラリス。編集は「めぐり逢い」のロバート・C・ジョーンズと「イレイザー」のビリー・ウェバー。衣裳は「ディック・トレイシー」のミレナ・キャノネロほか。共演は「エグゼクティブ デシジョン」のハル・ベリー、「アウト・オブ・サイト」のドン・チードル、「ドクター・ドリトル」のオリヴァー・プラット、「ノックオフ」のポール・ソルヴィーノ、「誘惑のアフロディーテ」のジャック・ウォーデン、「ゲット・オン・ザ・バス」のイザイア・ワシントン、「バニシング・ポイント」(監督)「バウンド」のリチャード・サラフィアン、さらに有名司会者のラリー・キング、ウィリアム・ボールドウィン、ジョージ・ハミルトンらが本人としてノー・クレジットで顔を見せる。

1998年製作/106分/アメリカ
原題または英題:Bulworth
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1999年6月12日

ストーリー

1996年3月。カリフォルニア州予備選挙。現職のクリントン大統領の対立候補として出馬した民主党上院議員ブルワース(ウォーレン・ベイティ)は、マスコミや選挙民から無視されて3日間何も食わず、一睡もできないノイローゼ状態に陥った。絶望の末、彼は17歳の娘を受取人に、自らに1000万ドルの生命保険をかけて、選挙運動最後の週末に殺し屋に自分を暗殺させることを決意。顧問ダイヴァース(ジャック・ウォーデン)の知り合いだというギャングの大物ヴィニー(リチャード・サラフィアン)をひそかに呼び、取引を結んだブルワースだが、死ぬとわかればこわいものはないとばかりに、これまで言えなかった本音を遊説する先々でブチまけ始めたからさあ大変。ただでさえ難題続きで頭が痛い選挙参謀のマーフィ(オリヴァー・プラット)がパニック状態になるのを尻目に、サウス・セントラル地区の黒人教会で見初めた美女ニーナ(ハル・ベリー)と、ヴォランティアをかって出たその友人シェリルとターニャに連れていかれた先のクラブでは黒人に囲まれてラップに興じる。翌朝、演説会場のホテルでお歴々を相手に、演説原稿を無視してラップでいきなり放送禁止用語いっぱいの辛辣な本音の社会批判を大展開。ブルワースヘの多額の献金のみかえりに保険業界に不利な法案の廃案を約束させていた悪徳保険屋のクロケット(ポール・ソルヴィーノ)は怒りを隠せない。突如豹変したブルワースにマスコミが殺到するが、人込みの中にあやしげなサングラスの男を見つけた彼はその姿からしきりに逃げまどう。そばにいてくれるのはニーナだけだったが、実はそれもそのはず、彼女は兄ダーネル(イザイア・ワシントン)の借金返済のためにヴィニーからブルワースの暗殺の協力を命じられていたのだ。ヴィニーが発作で倒れてしまい、暗殺依頼のストップが事実上難しくなった状況のなか、ニーナはサウス・ブロンクスの自分の家にブルワースを連れてきた。汚れたスーツを脱いでグラサンに短パンと黒人ファッションに着替えたブルワースは夜に通りに出て、ストリートギャングのリーダー、LD(ドン・チードル)と彼の手下になっている子供たちから、街の現実を教えられる。直後、彼はそのまんまの格好でクリントンやドールの他の候補と議論を交わすテレビの特番に出演、そこでも強烈なメッセージを吐いた。ニーナの元に帰ってきたブルワースを隠れ場所に案内してから、ニーナは芽生え始めた彼への愛のため真相を告白した。口づけを交わすふたりだが、ブルワースは何日もの不眠のあとようやく心の平安を得たのか、そのまま眠りについてしまった。ブルワースが眠り続ける間に、なんと彼への支持が集まり、ついに上院への指名を受けると同時に、大統領候補の可能性まで出てきた。マスコミの注視のなか、目を覚ましたブルワースはふたたびスーツを着込み、見違えたようなさっぱりした姿で登場。マスコミのマイクの放列を縫って、彼はニーナの姿を探して愛を告白。だが、リムジンに乗り込もうとした彼は、クロケットが物陰から放った凶弾に倒れてしまうのであった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第56回 ゴールデングローブ賞(1999年)

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) ウォーレン・ベイティ
最優秀脚本賞 ウォーレン・ベイティ
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映画レビュー

4.0ビーティー選手独壇場

2022年10月27日
PCから投稿

ビーティー選手が言いたいことやりたいことを誰にも遠慮せずに熱演というか怪演というか規格外な演技でグイグイ引き込みます。
コメディ調なので、むしろメッセージ性が伝わったような気がしますね。

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越後屋

4.0監督の語る〈階級〉の存在

2019年10月25日
Androidアプリから投稿

不眠の上院議員ブルワース(ベイティ)が壊れ始め
ラップも交えて本音を垂れ流す
疲労した中高年男性の姿も重なる

が、爆発的魅力のニーナ(ハル・ベリー)に出会い
気力回復するオッサン… 崩壊と再生(再構築)
発情しちゃうみたいな処が、自らのプレイボーイ振りを 茶化しているようで 可笑しい

操り人形から 脱皮し始めたところで…

面白いが、展開にひとひねり足らない様な気も
でも、主人公の語る言葉は 監督の意見

民主党も共和党も金の出所は同じ
メディアもその手先
保険業界からの献金で黒人層は助けない
医療費の24%は保険業界へ
社会主義 バンザイ… 等々

1998年の映画だが、現在では更に深化か?
フランスの黄色いベスト運動を見ても、隣の中国を見ても(英米だけでなく)世界中で〈階級〉の存在を思い知らされる
そして日本も着々と…

ベイティ、来日時に態度が悪くて メディアは怒っていたが、今なら少し理解出来るね

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jarinkochie