プリティ・ベビー
劇場公開日:1978年10月7日
解説
1910年代のニューオリンズの赤線地区を舞台に、淫売の子として生まれ、育った12歳の少女が、頽廃にまみれながらも、愛情を求めて生きてゆく姿を描く。製作・監督は「ルシアンの青春」のルイ・マル、脚本は「スター誕生」のポリー・プラット、原案はポリー・プラットとルイ・マル、撮影はスヴェン・ニクヴィスト、音楽はジェリー・ウェクスラー、編集はスザンヌ・フェンが各々担当。出演は「ナッシュビル」のキース・キャラダイン、スーザン・サランドン、ブルック・シールズ、フランセス・フェイ、アントニオ・ファーガス、マシュー・アントンなど。
1978年製作/アメリカ
原題または英題:Pretty Baby
配給:パラマウント=CIC
劇場公開日:1978年10月7日
ストーリー
1917年のニューオリンズ。ここには大きな赤線地区があり、なかでも、マダム・ネル(フランセス・フェイ)が経営する女郎屋は金持ばかりが集まる老舗である。黒人のピアニスト『教授』(アントニオ・ファーガス)がピアノを弾くと開店だ。この店には今年12歳のバイオレット(ブルック・シールズ)という幼い娼婦がいた。バイオレットの母はハティ(スーザン・サランドン)という淫売で、淫売の子は淫売になるということを当り前のことと考えていた。こうした環境で育ったバイオレットは、すでに男と女の営みのすべてを知っていた。ある日、この家にベロック(キース・キャラダイン)という若い写真家の男がこの界隈の女たちの写真を撮りにやってくる。ベロックはハティをはじめ店の女たちとなじみを深め、よく顔を出すようになるが決して店の女には手を出さなかった。これまで、そういう男を知らなかったバイオレットは、いつしかベロックに特別な感情を抱くようになっていた。そして、バイオレットの『水揚げ』の日がやってきた。着かざって大きな輿に乗せられたバイオレットは400ドルという値段でせり落とされ、2階に連れていかれる。階下に残された者たちのやりきれぬ後めたさにも関わらずバイオレットは立派な稼ぎ手として勤めを果たす。ある日突然、ハティが、常連の客だった男と結婚すると言い出し、バイオレットを残し、その男の住むセントルイスに発ってしまう。母がいなくなってもバイオレットの生活は変わらなかった。ある日、黒人の少年にいたずらしたところをマダム・ネルに見つかりひどく叱られる。この仕打ちに腹をたてたバイオレットはマダム・ネルの家を飛び出しベロックの下宿におしかける。いつの間にかバイオレットに魅かれていたベロックの心は乱れ、その日2人は結ばれる。しかし、2人の同棲生活は長続きしなかった。子供扱いにされたことを怒ったバイオレットがマダム・ネルのもとへ帰ってしまったのだ。そして、繁昌していたマダム・ネルの店も赤線の衰退にともなって、遂に閉鎖することになる。さすがに心細い思いをしているバイオレットの前にベロックが現われ、正式に結婚を申しこむ。教会での結婚式が済んで2人の新婚生活がはじまるが、その生活も思いがけぬ方向から崩される。音信不通だったハティが夫と連れだって、突然バイオレットをひき取りに来たのだ。彼女をセントルイスへ連れていき、学校へ通わせ世間なみの子供として育てたいというのだ。母の腕に抱きかかえられるようにして連れ去られるバイオレットを、ベロックはただ茫然と見守るだけだった。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第51回 アカデミー賞(1979年)
ノミネート
編曲賞 | ジェリー・ウェクスラー |
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