ブリキの太鼓
劇場公開日 1981年4月18日
解説
1920~40年代の激動のポーランドを舞台に、3歳で自らの成長を止めた少年の視点から大人の世界を描き、第32回カンヌ国際映画祭パルムドールと第52回アカデミー外国語映画賞を受賞した作品。後にノーベル文学賞を受賞するドイツの作家ギュンター・グラスの長編デビュー作を原作に、ニュージャーマンシネマを代表する監督フォルカー・シュレンドルフがメガホンをとった。ポーランドの港町ダンツィヒ。3歳の誕生日を迎えたオスカルは、大人たちの醜い世界に嫌気が差し、自らの成長を止めてしまう。それと同時にオスカルは、誕生日プレゼントにもらったブリキの太鼓を叩きながら奇声を発するとガラスが割れるという不思議な能力を身につける。ナチスの台頭によって町の平和が脅かされる中、オスカルの家族を悲劇が襲う。
1979年製作/142分/G/西ドイツ・フランス合作
原題:Die Blechtrommel
配給:フランス映画社
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かなり高等な知識と議論を要する脚本だった。
嫌いではないが、鑑賞後に感想を分かち合える人がいて良かったと思う。
映画を観ていた時はピンとは来なかったのだけれど、先日コレの演劇を観た。
深作健太演出「ブリキの太鼓」
……素晴らしかった。
俺は演劇よりも映像派だ。
色々理由はあるけれど、映像の方が楽しいと思ってる。なのだが…この演劇「ブリキの太鼓」に関しては、映像が霞む程の完成度だった。
50人程の劇場だったのだけど、その空間に最適な演出の目白押しだった。
映画も少年の視点を通して語られるけど、舞台の方は1人芝居だった。
解釈は違うのかもしれないけれど「3歳で成長を止めた」その理由と、大人にならざるを得ない苦渋がヒシヒシと伝わってくる。
誰かのダイレクトな解釈に身を任せるってのも、いいもんだ。
2022年4月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
不気味で衝撃的な映画。
オスカルが生まれるシーン、気持ち悪いスープを飲まされるオスカル、魚を貪る母親の姿、マリアとの戯れなど悪寒の走る場面が多かった。
大人にならないオスカルの眼を通して描かれる大人は愚かで哀しい。
2021年10月31日
iPhoneアプリから投稿
公開時から気になっては居ましたが、長年観ずにCSで録画したディレクターカット版も1年以上放置したのは時間が長過ぎるため。
昔の話題作ですが、今お勧め出来る様な点はありません。世界対戦に関わるエピソードを増やしたいマニアの方くらい。
悲劇の物語の中で奇妙な力を持つ事が、後半にも役に立つ所で、主人公の活躍につながる明るい材料なのかと思って表題としました。
40年の便秘が解消した感じ、失礼しました。
2020年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
約半世紀(1899年から第二次世界大戦終戦まで)のポーランドを舞台に少年オスカルの生前から成人までが描かれている歴史巨編。第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に挟まれた激動の時代を背景に史実とファンタジーが巧く絡み合ったストーリーが絶妙な面白さ。太鼓と超能力と成長の放棄w、主人公オスカルというキャラクターの面白味が強烈に印象に残る。祖母や祖父に母や父、そして母の愛人ヤンや玩具屋のおやじやベブラ団長など、その他にも多彩なキャラクター達がたくさん登場し、その豊かな個性がどれも魅力的。大人達の言動を見て大人になることを放棄した少年の物語。しかしいつまでもファンタジーの中にこもってはいられない。上質なブラックコメディ。原作ではオスカルは精神病院に収容されていてそこで半生を語るという設定らしい。この後の話も描かれているらしいので原作も読んでみたい。
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