不思議惑星キン・ザ・ザ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

1986年、ソビエト連邦時代のジョージア(グルジア)で製作され、当時のソ連で大ヒットを記録した脱力系SFコメディ。ある日、建築技師のマシコフは、「あそこに自分は異星人だという男たちがいる」と困った様子の学生ゲデバンに助けを求められる。異星人など信じられないマシコフが、その男たちが持っていた空間移動装置のボタンを押すと、次の瞬間、マシコフとゲデバンは地球から遠く離れたキン・ザ・ザ星雲のプリュク星へとワープしていた。そこでは何故か地球のマッチが超貴重品で、2人はマッチの価値を利用してなんとか地球へ帰ろうとするのだが……。日本でもカルト的人気を誇り、89年に都内の劇場で行われた「ソビエトSF映画祭」で初めて紹介された後、2001年にニュープリント版、16年8月にデジタルリマスター版で公開。21年5月にはアニメ版「クー!キン・ザ・ザ」の公開にあわせ、実写版の本作も4度目の劇場公開を果たす。

1986年製作/135分/ソ連
原題または英題:Kin-dza-dza!
配給:パンドラ
劇場公開日:2021年5月14日

その他の公開日:1989年(日本初公開)、2001年7月21日、2016年8月20日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

4.0ガラクタのような惑星で

2024年3月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「この不快な砂の惑星に来た最初の人類だ」
作中の台詞(字幕から)の一言ですが、この台詞が作品の概要全てを表しているように思える。ガラクタのような惑星で奇妙な風習に支配された異星人、そこに訪れた地球人二人も加えて、何の魅力も無い登場人物達。嘘つきとハッタリとでまかせの連鎖。そこから抽出された純粋無垢な友情が輝かしい。そんな映画でしょうか。廃材を組み立てて作られた異世界ぶりが面白い。低予算映画かと思ったら、エキストラを集めて作った大規模シーンもちゃんとある。オカルト映画に見えて、始まりから結末まで伏線も判りやすく意外と綺麗な構成で見応えがあった。異世界での心細さにもめげず、駆け引きに挑む主役達にもハラハラさせられる。
 ただ、異文化で表すことで、「お前達の習慣や日常はどうでも良いことだ」という痛烈な皮肉を感じる。それを面白いと思えるかどうか。アルファ星での経緯はエコロジストにチクリと言いたかったんだろうか。
 ともすれば、不快とも思えるデザインであればこそ、純粋な何かが絞り出されたかのような、そんな映画だと言えなくもありませんでした。

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猿田猿太郎

4.0タイトル通り不思議な作品

2024年9月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

意味わからんくて笑える

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まるるるるるるる

4.0クセになる珍味

2024年9月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

自国を風刺する場合、国によってはなるべく歪曲しなければならない。粛清されてしまうから。
現代でも中国などは規制が厳しい。日本のようにエロ、グロ、ドラッグなどの規制ではない。言論の自由が規制されるのだ。
最近観た映画だと、ベトナム映画の「走れロム」が規制されて中々上映できなかったときいた。古いところだとスペイン映画の「ミツバチのささやき」などもある。
昔から今でも政権や国への批判が難しいところもあるのだ。それがソビエト連邦ならば?ちょっと想像しただけでもヤバそうだと分かる。

そこで作られたのが本作「不思議惑星キン・ザ・ザ」であるが、その隠し方がぶっ飛んでる。何をどう考えたらこの作品になるのか。
高校の文化祭でももう少しいいもの作れそうなほどのチープなセット。わけのわからない物語。そして、わけのわからないキャラクターと、わけのわからない風習。
これらはすべてソビエトの風刺であるが、一番最初に言う「資本主義国か?」のセリフだけで躱しきる強引さもある。

わけのわからない星でわけのわからないことを見せられて、ソビエトでヒットしたことを考えても当時のソビエト連邦の人には丸わかりのソビエトへの皮肉を誤魔化しきった手腕。そして何より、そんなことがわからなくても一定の娯楽性を有していることに驚く。
もちろん、爆笑の傑作、とまではいかないが、上等なクセになる珍味なのだ。

現代のロシア人監督アンドレイ・ズビャギンツェフの作品(「裁かれるは善人のみ」など)を観ても思うのだが、国や政府を批判していても、母国を愛しているのだなと伝わってくる。批判の先に愛がチラチラ見えるのだ。
本当に嫌なら国を出ればいいのにそうしないわけだし、規制を受けても自国で映画を作ろうとする愛国心があるんだな。もちろん本作の監督であるゲオルギー・ダネリヤのことだ。
邦画で国や政府への批判的な作品だと、愛国心など欠片も感じなくて、ただ破壊したいだけなんだなと考えてしまうが、この点において本作は全く違って好感がもてる。

近々観る予定の「クー!キン・ザ・ザ」も楽しみだ。まだ観ていないので断言できないが、ソビエト連邦からロシアに乗り換え再構築したある種のセルフリメイクだ。
この想いは、ただ「クー!」のポーズが見たいだけかもしれんが。

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つとみ

1.0クー

2024年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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odeonza