ブエノスアイレス

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劇場公開日:

ブエノスアイレス

解説

「欲望の翼」のウォン・カーウァイ監督のもと、レスリー・チャンとトニー・レオンが恋人役を演じ、アルゼンチンを舞台に繰り広げられる男同士の切ない恋愛や人間模様を描いたラブストーリー。

激しく愛し合いながらも別れを繰り返してきたウィンとファイは関係を修復するためイグアスの滝へ向かうが、途中で道に迷って言い争い、そのままケンカ別れしてしまう。その後、ブエノスアイレスのタンゴバーでドアマンとして働いていたファイのアパートに、傷ついたウィンが転がり込んでくる。仕方なくウィンを居候させるファイだったが、ケガから回復したウィンはファイの留守中に出歩くように。そんな中、転職して中華料理店で働きはじめたファイは、同僚の青年チャンと親しくなる。

第50回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した。1997年に劇場公開。18年2月、カーウァイ監督の「欲望の翼」デジタルリマスター版の公開にあわせて、Bunkamuraル・シネマで特別上映。2022年には4Kレストア版が「WKW4K ウォン・カーウァイ4K」(22年8月19日~シネマート新宿、グランドシネマサンシャイン、シネマシティほか)で上映。

1997年製作/96分/G/香港
原題または英題:春光乍洩 Happy Together
配給:アンプラグド
劇場公開日:2022年8月19日

その他の公開日:1997年9月27日(日本初公開)、2018年2月17日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第50回 カンヌ国際映画祭(1997年)

受賞

コンペティション部門
監督賞 ウォン・カーウァイ

出品

コンペティション部門
出品作品 ウォン・カーウァイ
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映画レビュー

4.0やり直そう、と彼は言った

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

ウォン・カーウァイ監督作品。

ウィンは「やり直そう」という。彼は魅力的だ。凄くアプローチをしてくれる。愛してくれているとも感じれる。だけど彼には配慮はない。愛は容易に暴力になり得る。病気で寝込んでいるファイに、料理を作れなんて言う始末だ。それでも二人は付かず離れず共にいる。束の間のダンス。倒錯した愛。

ブエノスアイレスの物語は、香港の出来事とも表裏一体だ。それは反転させた香港の情景が映し出されることで示唆的である。

中国本土は「やり直そう」という。彼は魅力的だ。経済的に成長しているし、男らしい。凄くアプローチしてくれる。愛してくれているとも感じている。だけど彼には配慮がない。愛は容易に暴力になり得る。一つになった時、香港の自由は奪われる。要求は激しくなる。そんな不安がありながら、中国本土と香港は付かず離れず共にいる。束の間のダンス。倒錯した自由。

フェイは一人旅をしているチャンと知り合う。彼らの愛ももちろん時限つきだ。だけど彼との愛は、ウィンとの愛とは違う。性愛ではなく、友愛と言えばよいのだろうか。
チャンは調理場の掃除をするように、フェイを気遣い、フェイもまたチャンを思いやる。対等で尊厳に満ちた愛なのである。

しかしその愛は記憶されない。フェイの愛のメッセージが記録されないように。

チャンは世界の果てに行ってしまう。だけど彼はいつでも香港に戻ってこれる。それは香港との関係を断ち切れないことも意味する。フェイとチャンがダンスをすることはあるのだろうか。あり得ると信じたい。イグアスの滝でひとり待っている。激しく水は穴へ落ちていて、美しい。

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まぬままおま

5.0トニー・レオンとレスリー・チャンの美しさ

2018年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

トニー・レオンとレスリー・チャンのカップルが、関係修復のために香港を離れて、ブエノスアイレスへと旅だち、そこで延々と付かず離れずな関係を続けるという話なのだが、2人の美しさと、クリストファー・ドイルの撮影の見事さもあって、ぐいぐい引っ張られる。ウォン・カーウァイ監督の台本を使わない即興芝居の作り方も『恋する惑星』や『天使の涙』とくらべても洗練されている。

2017年アカデミー作品賞の『ムーンライト』で、主人公が想い人に再会に行くシーンで使われている曲は、本作からの引用だ。他にも似た構図のショットがいくつか発見できるのだが、たくさんの印象的なショットをたくさん見つけることができる。

イグアスの瀧を上空から捉えた長回しのショットは美しさで嘆息する。このショットのようなマジック・リアリズム的な映像と即興による自然な芝居が合わさって、まるでリアルな夢を観ているようなそんな気分になれる作品だ。

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杉本穂高

3.0ホモの痴話喧嘩

2024年9月29日
スマートフォンから投稿

好きだから憎いし、憎いほど愛しいんだよなあ。
愛は見返りを求めだしたら濁るというか、そういう意味では飲食バイトの後輩の彼の方がよっぽど純粋な愛をくれたのかもしれないし。

良い作品だと思う。「恋する惑星」よりも好き。そもそも論、こういう話が好き。友達は隣で寝てた。

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ノ

3.5圧倒的な水量

2024年5月11日
iPhoneアプリから投稿

最初何を映しているのかよくわからなかった。跨線橋をバックに道路傍に佇む画も好きですね。線が少なくて美しい。共同キッチンのガス管だとか最後の方の線路。印象的なブリーフ。

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Kj

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