フィガロ・ストーリー

解説

パリ、東京、ニューヨークを舞台に、3人の若手監督がそれぞれの手法で恋愛の姿を描いたオムニバス・ドラマ。 〔パリ篇〕「ライブラリー・ラヴ」はすれ違う少年と少女の心理と言葉を描く。製作はキース・カサンダーとデニス・ウィグマン、監督・脚本・撮影は「ルーバ」のアレハンドロ・アグレスティ、音楽をパウル・M・ファン・ブルッゲが担当。 〔東京篇〕「月の人」は日常の中に現れる幻想的なイメージを全篇セリフなしで描く。製作は柘植靖司、監督・脚本は「ZIPANG」の林海象、撮影は長田勇一、美術は木村威夫、音楽を浦山秀彦と熊谷陽子が担当。 〔ニューヨーク篇〕「キープ・イット・フォー・ユアセルフ」は孤独な少年と少女の偶然の出会いを描く。製作はジェームズ・シェイマス、監督・脚本は「ショコラ」のクレール・ドニ、撮影はアニエス・ゴダール、音楽はジョン・ルーリーが担当。

1991年製作/日本・フランス・アメリカ合作
原題または英題:Figaro Story

ストーリー

〔ライブラリー・ラブ〕少年(エグベール・デ・ヨング)は図書館で目にした少女(ヘリー・ボーヴェン)の姿を追って車を走らせる。少年は少女の姿に様々な小説的な描写を重ね合わせてゆく。しかし、実際にカフェで初めて口をきいた二人の会話は気持ちとは裏腹にぎこちないものだった。そして二人を乗せた車は再び並行してパリの街を疾走してゆく。 〔月の人〕平凡な生活を送る女(堂野雅子)の心を幼少の頃より捉えて離さない翼を持った月の人の幻想。月の人の影を求めて夜の東京を車で走る彼女の前に、ついに月の人(修健)が降り立つ時が来た。 〔キープ・イット・フォー・ユアセルフ〕去年の夏知り合った男を訪ねてフランスから真冬のニューヨークにやってきた女性(サラ・ドライヴァー)は、誰もいない男のアパートで一人ぼっちの少女(ソフィー・シモン)の姿を目にする。そんな少女の部屋に、車泥棒の少年(E・J・ロドリゲス)が警察に追われて飛び込んできた。警戒し合いながらも、二人は互いの孤独を確かめあってゆく。

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