秘密の花園(1993)

劇場公開日:

解説

両親を失った孤独な少女が、封印されていた花園を蘇生させ、周囲の人々と共に生きる喜びを取り戻していく姿を描いたヒューマン・ファンタジー。監督は「僕を愛したふたつの国 ヨーロッパ・ヨーロッパ」のアニエシュカ・ホランド。製作はフレッド・フックス、フレッド・ルース、トム・ラディの共同。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ドラキュラ(1992)」の監督、フランシス・フォード・コッポラ。「小公子」「小公女」で世界的に有名な児童文学作家フランセス・ホジスン・バーネットの同名小説をもとに、「アダムス・ファミリー」のキャロライン・トンプソンが脚本を執筆。撮影は「バートン・フィンク」のロジャー・ディーキンス。音楽はズビグニエフ・プレイスネルが担当。主演は米英両国で行われたオーディションで選ばれた3人の子役たちイギリスのテレビドラマに出演していたケイト・メイバリー、イギリスの劇団に所属し舞台やテレビで活躍していたアンドリュー・ノット、まったく演技の経験が無かったヘイドン・プラウズ。他に「天使にラブ・ソングを…」のマギー・スミス、「キャル」のジョン・リンチらが共演。

1993年製作/アメリカ
原題または英題:The Secret Garden
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1993年10月9日

ストーリー

メアリー・レノックス(ケイト・メイバリー)はインドの大邸宅の中で、誰からも愛情をそそがれずに育った10歳の少女。突然インド全域を襲った大地震で両親を失ってしまった彼女は、イギリスに住む伯父クレイヴン伯爵(ジョン・リンチ)のもとへ送られることになった。霧雨の降るリヴァプールの港でクレイヴン家の家政婦であるメドロック婦人(マギー・スミス)に迎えられたメアリーは、強風の吹きすさぶイギリスの風景を見て暗い気持ちになるが、親切な召使いのマーサ(ローラ・クロスリー)に、生まれて初めて人間に対する親近感を抱く。クレイヴン家の館は巨大な迷路のような不思議な場所だった。自分の部屋の壁掛けの裏に小さな通路を見つけたメアリーは、その中で10年前に亡くなった伯爵の妻のリリアスの写真を見つける。その写真にはリリアスにそっくりなメアリーの母の笑顔も写っていて、メアリーは彼女たちが双子の姉妹だったことを知るのだった。さらにメアリーは引き出しの中に1本の鍵を見つける。その鍵が、リリアスの死後伯爵の手によって封印された秘密の花園の鍵だと思いあたったメアリーは、庭園の奥にある扉を開いた…。メアリーはマーサの弟ディコン(アンドリュー・ノット)に秘密の花園のことを打ち明ける。さっそく2人は荒れ果てた花園を蘇らせるための協力を誓い合う。日毎に健康になっていくメアリーは、ある夜不思議な声で目覚めた。そしてその声がする部屋へ入ると、そこには伯爵の息子コリン(ヘイド・プラウズ)がベッドに横たわっていた。病弱なコリンは自力で歩くこともできず、生まれてから一度も外へ出たことがないと言う。メアリーはコリンを秘密の花園へ誘う。コリンは生命を蘇らせる花園と共に日増しに元気になり、ひとりで歩けるようになった。一方、家にいることが少なかったクレイヴン伯爵は、久しぶりに屋敷へ帰って来た。すると枯木だらけの花園であるはずの場所からは、春の香りが漂っていた。元気な子供たちの声が響き、そこにはまっすぐ2本の足で立つコリンの姿があった。伯爵はその姿を見た瞬間、心の中に長い間忘れていた生きることの喜びと、自然への感謝の気持ちがあふれるのをはっきりと感じるのだった。

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映画レビュー

3.5【両親をインド大地震で失った勝気な少女が、イギリスの死の香り漂う伯父の大邸宅に引き取られつつ、彼女の行動により邸宅内の秘密の庭園に生命が芽吹き、奇跡を呼んでいく過程を描いた作品。】

2024年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■事故で両親を失った少女メアリーは、伯父クレイヴン伯爵の館に引き取られるも、厳格な家政婦メドック(マギー・スミス)が指揮を執る新生活に馴染めない。
 そんな中、メアリーは伯父が亡き妻の思い出とともに封印した花園を敷地内に発見し、使用人の少年ディコン、病弱ないとこのコリンとともに花園を甦らせようとする。

◆感想

・今作には、悪人は出て来ない。だが、妻を亡くし生き喪失した伯父クレイヴン伯爵と、病弱な息子コリンが閉塞した屋敷で、夢亡く暮らしている。

・一見、悪人に見える名優マギー・スミス演じる家政婦メドックの厳しく邸宅を管理する理由も、あくまで皆の事を想っての行為である。

■だが、閉塞感溢れる伯父クレイヴン伯爵の館に引き取られた気骨ある少女メアリーの様々な行為が、生ける屍であった伯父クレイヴン伯爵と息子のコリンの生活を変えて行く様が、美しいイングリッシュガーデンを背景に描き出されて行く。

 特に、メアリーが車椅子生活を送っていたコリンを、使用人の少年ディコンと共に伯父クレイヴン伯爵が妻のために作った秘密の花園に誘うシーンは美しい。
 荒れつつも、様々な花々が咲き乱れる庭を見たコリンは、閉塞した生き方から解放され初めて自身の脚で地を歩くのである。

<今作は、哀しき想いを抱えた少女が新天地の叔父の大邸宅内に有った”秘密の花園”を見つけ、その美しさを妻を亡くした生ける屍であった伯父クレイヴン伯爵と息子のコリンに見せる事で彼らの人生に新たな幸せを齎す物語である。
 最終盤、コリンとメアリーとディコンが楽しそうに”秘密の花園”を笑顔で走り回るシーンは僥倖感溢れる作品である。>

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NOBU

4.5不思議な世界の子供達

2023年9月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

裕福な地主の子供がどんな世界に住んでいるか私には不思議な世界だ。
ディコンの目から見たらどうなるのか見てみたい。
大人は当主も使用人もみんな不思議。不思議は大好きだ。
本も映画も昔に見ていたが、2人がマーサとデイコンとの出会いで心を取り戻して行くところがワクワクする。

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hoo

3.5子供の世界の大人は不気味

2023年6月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

幸せ

児童文学で有名、私も子供の頃に読んだけどストーリーはまったく残っていないので新鮮な気持ちで観れました

メアリーとディコンが可愛らしく、球根や種を植えるなど、子供らしい純粋な美しい気持ちが伝わってきました

対して大人は、自分の判断で子供を決めつけ、自分の目の届く小さな世界に彼らを押し込めたがるのは今も昔も変わらぬことのようです。

それから、小さな彼らをあれだけ傷つけ続けた家政婦のマクゴナガル先生が、言い訳して責任逃れに必死で、ご主人にたった一度(かはわかりませんが)怒られただけで辞めます言ったのは笑いました。

コリンの父親は息子を愛していたことがわかったときは安心できました
でもさ、息子に会ってやってよ、ひどいよとーさん

始まりは荒れていた庭が、最後は花咲き誇る美しい庭園に生まれ変わって、彼らの心を表しているようでした。

児童文学と言っても、大人が読んで学ぶことも多いと感じました。
児童文学に出てくる大人って、どうして子供に対して意地悪だったり女々しかったりするんだろう?

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映画鑑賞初級

4.0どこか謎めいた不思議な展開

2023年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ケイトメイバリー扮するメアリーレノックスはインドで生まれたが、ある日地震に襲われた事で孤児になりイギリスへ 渡たりミッセルスウェイト屋敷の伯父クレーヴンの家政婦が迎えに来た。
立派な屋敷に住んでいたのに10歳でいきなりの孤児は気の毒だね。でも生意気な娘だな。それに良くならされたカラスだね。どこか謎めいた不思議な展開だ。

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重