ひまわり(1970)

劇場公開日:

解説

ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニというイタリアの2大スターを主演に迎え、戦争によって引き裂かれた男女の愛を描いたドラマ。

結婚して幸せな日々を送っていたジョバンナとアントニオだったが、第2次世界大戦が勃発し、アントニオはソ連の最前線に送られてしまう。終戦後、帰らない夫を探しにソ連を訪れたジョバンナは、命を救ってくれたロシア人女性との間に家庭を築いていたアントニオと再会する。逃げるようにイタリアに戻ったジョバンナだったが、数年後、もう一度やり直したいとアントニオが訪ねてくる。

「ミラノの奇蹟」(1951)、「悲しみの青春」(71)などで知られ、74年に他界したイタリアの名匠ビットリオ・デ・シーカの晩年の名作。2011年にニュープリントでリバイバル公開。2020年、製作50周年を記念したHDレストア版でリバイバル公開。2023年には新たに修復を加えたデジタルリマスター版を字幕版&日本語吹き替え版で公開。

1970年製作/107分/G/イタリア
原題または英題:I girasoli
配給:アンプラグド
劇場公開日:2023年7月28日

その他の公開日:1970年9月(日本初公開)、1974年10月、1982年11月、2011年12月17日、2020年6月1日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

4.0デ・シーカの故郷への思いが宿るメロドラマ

2020年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ナポリの海岸で奔放に愛し合うジョバンナとアントニオだったが、アントニオが戦争に奪われたことで暗転。そこから始まるドラマは、ロシアに従軍したまま戻らない夫を探して、イタリアから現地へと向かうジョバンナの過酷なロードに追随する。製作されたのは冷戦時代真っ只中の1970年。本作は史上初めて西側の撮影クルーが鉄のカーテンを潜って旧ソビエト連邦に分け入った作品として記録されている。つまり、多くの人々にとっては未知の大国だったソ連の赤の広場や、奈落の底へと続きそうな長く深いエスカレーターが、スクリーンを介して初めて眼前に現れるのだ。そして、モチーフとなる広大なひまわり畑は、ウクライナに実在する。ジョバンナとアントニオのような戦争に引き裂かれた人々を、太陽に向かって懸命に伸びようとするひまわりに擬えた、これは反戦のドラマ。しかし、社会の劇的な変化に翻弄される庶民に暖かい眼差しを向けるそのタッチは、監督のビットリオ・デ・シーカが初期に発表したイタリアン・ネオリアリズムと根底で繋がる。故郷へと思いが迸るが如く。そして、戦争を超えていこうとするジョバンナとアントニオは、コロナ禍から這い出し、新たな日常を模索する我々の仲間でもあるのだ。

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共感した! 22件)
清藤秀人

4.0大人の恋愛

2025年1月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

大好きな向日葵。
明るくて元気なイメージだけじゃない。
余計好きになった。

ラストの別れのシーン、ソフィア・ローレンの号泣に引っ張られるように私も泣いた。
抑制がきいた大人の物語。
勉強になりました。

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共感した! 2件)
自由の座

4.0タイトルなし

2025年1月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

第三回 新・午前十時の映画祭(2015/5/17)
午前十時の映画祭14(2024/12/21)
にて。

戦争が人にもたらす悲劇には人の数だけ様々な形があるのだと、この映画を観るたびに思う。
戦地に赴いた夫が戻らず、生死も分からない。単身でロシアの地に夫を探しに行くジョバンナ(ソフィア・ローレン)の執念に近い愛。
夫アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、極寒の戦地で生死の境にいたところを現地の女マーシャ(リュドミラ・サベーリエワ)に救われ、終戦後もマーシャとその娘と暮らしていた。

当事者は誰も悪くない。戦争が引き起こした悲劇が、ときに人の心に邪気をもたらす。
戻らない息子を待つ老母。息子の痕跡を消そうとする嫁に憤るが、嫁から息子の現状を聞かされたとき、嫁への謝罪の思いよりも息子が生きていたことの安堵の方が強くても、責めることはできない。
アントニオはもう戻ってこないかもしれないと知りつつ、故郷へ送り出したマーシャの思いにも身がつまされる。

今この映画を観たときに、あの戦争が終わって平穏が訪れた当時のウクライナ地方のひまわり畑の風景に、現在はどんな状況なのだろうと、思いを馳せずにはいられない。

ソ連が全面協力して製作された本作(イタリア・ソ連・アメリカ・フランスの合作)だが、当然のようにソ連側の様々な要求や制約があり、揉め事もあったようだ。
とはいえ、ロケが行われた現地では、イタリアの世界的スターを迎えて歓迎ムードに盛り上がる中で撮影が行われたという。
映画(スター)には、イデオロギーの対立を封印させる力があるのだ。

余談…
ミラノ中央駅のホームから見える看板は「Olivetti」ではないだろうか。当時はイタリアの代表的な企業だった。一時期は日本法人もあり、アップルに引けを取らない美しいパソコンを発売していた。

さらなる余談…
ソフィア・ローレンは日本でも認知度は高かく人気もあったが、この映画が公開されたときの日本では、リュドミラ・サベーリエワが話題をさらったらしい。
ロシア人女性の透き通るような美しさに、当時の日本男子が魅了されたことは想像に難くない。

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kazz

3.5戦争がもたらすもの

2025年1月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

戦争が、一組の夫婦の視点から描かれていた。
戦争が、様々な不幸をもたらし、愛を引き裂くものだと、誰もが認識して、繰り返さないことを願う。

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由由