ひまわり(1970)

劇場公開日:2023年7月28日

解説・あらすじ

ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニというイタリアの2大スターを主演に迎え、戦争によって引き裂かれた男女の愛を描いたドラマ。

結婚して幸せな日々を送っていたジョバンナとアントニオだったが、第2次世界大戦が勃発し、アントニオはソ連の最前線に送られてしまう。終戦後、帰らない夫を探しにソ連を訪れたジョバンナは、命を救ってくれたロシア人女性との間に家庭を築いていたアントニオと再会する。逃げるようにイタリアに戻ったジョバンナだったが、数年後、もう一度やり直したいとアントニオが訪ねてくる。

「ミラノの奇蹟」(1951)、「悲しみの青春」(71)などで知られ、74年に他界したイタリアの名匠ビットリオ・デ・シーカの晩年の名作。2011年にニュープリントでリバイバル公開。2020年、製作50周年を記念したHDレストア版でリバイバル公開。2023年には新たに修復を加えたデジタルリマスター版を字幕版&日本語吹き替え版で公開。

1970年製作/107分/G/イタリア
原題または英題:I girasoli
配給:アンプラグド
劇場公開日:2023年7月28日

その他の公開日:1970年9月(日本初公開)、1974年10月、1982年11月、2011年12月17日、2020年6月1日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1970 - COMPAGNIA CINEMATOGRAFICA CHAMPION(IT) – FILMS CONCORDIA(FR) – SURF FILM SRL, ALL RIGHTS RESERVED.

映画レビュー

4.0 デ・シーカの故郷への思いが宿るメロドラマ

2020年5月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ナポリの海岸で奔放に愛し合うジョバンナとアントニオだったが、アントニオが戦争に奪われたことで暗転。そこから始まるドラマは、ロシアに従軍したまま戻らない夫を探して、イタリアから現地へと向かうジョバンナの過酷なロードに追随する。製作されたのは冷戦時代真っ只中の1970年。本作は史上初めて西側の撮影クルーが鉄のカーテンを潜って旧ソビエト連邦に分け入った作品として記録されている。つまり、多くの人々にとっては未知の大国だったソ連の赤の広場や、奈落の底へと続きそうな長く深いエスカレーターが、スクリーンを介して初めて眼前に現れるのだ。そして、モチーフとなる広大なひまわり畑は、ウクライナに実在する。ジョバンナとアントニオのような戦争に引き裂かれた人々を、太陽に向かって懸命に伸びようとするひまわりに擬えた、これは反戦のドラマ。しかし、社会の劇的な変化に翻弄される庶民に暖かい眼差しを向けるそのタッチは、監督のビットリオ・デ・シーカが初期に発表したイタリアン・ネオリアリズムと根底で繋がる。故郷へと思いが迸るが如く。そして、戦争を超えていこうとするジョバンナとアントニオは、コロナ禍から這い出し、新たな日常を模索する我々の仲間でもあるのだ。

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共感した! 24件)
清藤秀人

4.0 ひまわりと戦争と諦念。ジョバンナの情熱と潔さ。

2025年8月17日
Androidアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 3件)
あまおと

5.0 「終戦80年の8月15日に①〜ウクライナのひまわり畑」

2025年8月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館、TV地上波

泣ける

悲しい

ドキドキ

毎年夏になると、お花屋さんの店頭にひまわりが並びます。
品種改良された「ゴッホのひまわり」や「モネのひまわり」という名前の、名画ソックリの小さなカワイイ花が楽しみです。

映画の『ひまわり』は、いつどこで観たか憶えていないのですが、どこまでも広がるひまわり畑、ソフィア・ローレンの瞳が哀しみを映す表情、そして美し過ぎるヘンリー・マンシーニの音楽が、切なく悲しかった記憶があります。

NHKの「映像の世紀 バタフライ・エフェクト」で、第二次世界大戦の独ソ戦の戦場になったウクライナを見ました。
両軍に繰り返し街を破壊され、食糧の穀物を最後の一粒まで強奪され、多くの戦死者や餓死者が出ていたことを知りました。

2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まってから、映画のひまわり畑が実際にあることを知りました。
3年半が経った今年の夏も、あのひまわり畑には満開の美しいひまわりの花が咲いているのでしょうか…

8月15日の夜、地上波(関東ローカル)の放送で再鑑賞しました。
ひまわり畑の下に、ドイツ軍の命令でソ連兵やイタリア兵の遺体が埋められている場面があり、美しい映像と音楽の記憶に埋もれていた、戦争の描写に気付かされました。

※ひまわりの花言葉は「あなただけを見つめる」「何度生まれ変わってもあなたを愛する」。

✎____________

終戦80年の今年、戦争をテーマにした映画の公開が続きます。

『木の上の軍隊』『長崎 閃光の影で』『この世界の片隅に(再上映)』『雪風 YUKIKAZE』、『太陽の子(特別版)』『遠い山なみの光』『宝島』『ペリリュー 楽園のゲルニカ』、『あの星が降る丘で、また君と出会いたい。』…

8月15日にレビューを残しておきたいと思い、旧作から戦争映画の名作2本を選びました。

P.S.
靖国神社のそばに、「遊就館」という戦争記念館のような施設があります。
明治維新、日清・日露戦争、第二次世界大戦までの歴史、日本が開戦という選択肢を選ばざるを得なかった経緯が伝えられています。

銃弾や血痕の跡が残る軍服や装備品、零戦や回天、特攻兵の写真や手紙、展示の前で立ち尽くし語る言葉を失くします。
政治信条や思想とは別に、東京に来られる機会があれば足を運んでほしい場所です。

現代の価値観で歴史を裁くことは、愚かなことかもしれないと考えることもあります。
それでも毎年8月15日という日には、体験したことの無い「戦争」を振り返りたいと思います。

✎____________

映画館で鑑賞
BS・地上波で鑑賞
8月15日地上波で鑑賞
8月15日★★★★★評価
8月15日レビュー投稿
8月18日レビュータイトル編集
8月19日レビュー※追記

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ひな

3.5 名作と名画

2025年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ヘンリー・マッシーニのテーマ曲の何と美しい旋律、そして、戦争による悲しい離別の物語が心に染みてきます。鼻っ柱の強い美貌のジョバンナ(ソフィア・ローレン)といかにもな伊達男アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)の名演に目が釘付けになりました。若いロシア人美女マーシャ(リュドミラ・サベーリエワ)がアントニオを助けたのもやっぱり美男だったからかな、モテる男も大変だよなあなどと思いながら、観賞しました(笑)。物語と直接的な関係はないひまわりの風景がタイトルにもなっていて、そこに名曲の旋律が重なり合い、名作ならではの風格を感じました。

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赤ヒゲ