ナイト・チャイルド

劇場公開日:

解説

若い父親を持つ早熟な少年が、謎につつまれた母親の死因をさぐる。製作総指揮はオリヴァー・A・アンガー、製作はグラハム・ハリス、監督はジェームズ・ケリー、脚本はトレヴァー・プレストン、撮影はハリー・ワックスマンとルイス・カドラード、音楽はステルヴィオ・チプリアーニが各々担当。出演はマーク・レスター、ハーディ・クリューガー、ブリット・エクランド、ハリー・アンドリュース、リリー・パルマーなど。

1972年製作/イギリス
原題または英題:Night Child
配給:ブエナ ビスタ
劇場公開日:1972年11月3日

ストーリー

スペインのマドリッドに近いある丘陵地帯に白いしゃれた家が建っていた。空港から走ってきた一台の車が、その家のポーチに入ると、一人の若い女が降り、手なれた手つきで玄関の扉を開けると家に入った。この家の持主は、四十代はじめの文筆家ポール(ハーディ・クリューガー)で、パリに仕事場を持ち、ここに帰ってくるのは月に何回もなかった。彼は先妻を亡くし、しばらくしてパリで知りあったエリーズ(ブリット・エクランド)と結婚した。ポールにはマーカス(マーク・レスター)という一人息子がいるが、今は学校の寄宿舎に入っているはずだった。ところが、誰もいないはずのその家に、どういう訳かマーカスがいた。マーカスは、水痘患者がでて一週間学期休みが早くなったという。マーカスは口数が少なく、子供らしいはしゃいだところがなく、じっと大人を凝視するようなところがあり、エリーズはちょっと気味悪かった。そのマーカスの謎めいたムードは机の中に入れたお金がなくなったり、郵便物の一部を隠しているらしいことであらわれ、エリーズはいっそう不安になった。そのうちにパリからポールが戻ってきた。エリーズは不安にかられて、マーカスのことをポールにたずねると、母親の死のショックが残っているだけだと答えた。数日後、ポールはパリに帰っていった。エリーズはマーカスのことで学校を訪れると、校長から驚ろくべき事実を耳にした。マーカスは放校処分になっており、その理由は彼の奇行にあるというのだ。また数日後ポールの知人宅で開かれたパーティで意外な噂を耳にした。先妻のセーラは事故死ではなく、殺されたらしい、というのだ。次第に追いつめられたエリーゼはポールにたずねるが、彼は奥歯にもののはさまったようないい方をくり返すだけだった。エリーゼは彼らへの疑惑でいっはいになり、セーラの旧友、ソフィから聞いた話が疑いを決定的にした。「二年前のマーカスの誕生日、セーラは入浴中だったの。ところが浴槽についている蛇口に電流が流れていたのよ。それで……ポールはその家を売って今の邸へ移ったの」。ひょっとしたら電流はマーカスが?その恐ろしい想像にエリーズは身を震わせた。やがて彼女はノイローゼになり、昼間から酒に溺れるようになった。ポールはパリへ仕事に去り、マーカスは一人で遊び、エリーズは精神分析医のやっかいになる。ある日マーカスは、自分が蛇口に電流をつないでおいたと語り、事実が明らかにされた。やがて冬が訪れ、ポールはパリとマドリッドを往復している。冬の公園をエリーズとマーカスが散歩していたとき、マーカスが、ポールの保険金はいくらあるのかと聞いた。彼の口もとに不敵な笑いが浮んだ。今度はポールの命を狙っているのか、こわくなったエリーズはマーカスを殺す決心をした。手に持っていたボールを道路の向う側へ投げると、マーカスの犬が飛びだした。つられて駈けだしたマーカスは、走ってきた車にはねられ、そのまま動かなくなった。

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