つめたく冷えた月

劇場公開日:

解説

2人のどうしようもない中年男の日常を通じて、人間の聖性と俗性を静かに見つめた一作。「人生は長く静かな河」などで知られるフランスの中堅俳優パトリック・ブシテーが、監督・脚本・出演の3役をこなした処女長編。94年3月に他界したビート作家チャールズ・ブコウスキーの短編小説『人魚との交尾』(新潮社『町でいちばんの美女』に所収)を元にブシテーが90年に映画化した短編(長編と同題)がリュック・ベッソンの目に止まり、長編に再映画化するにあたって別の短編小説『バッテリーの故障』のエッセンスも取り入れた。製作はベッソンとアンドレ・マルティネス。脚本はブシテーとジャッキー・ベロワイエ。撮影はジャン・ジャック・ブオン、音楽はディディエ・ロックウッドで、プロコル・ハルム、ジミ・ヘンドリックス、キンクスの曲が全編に流れる。共演は「パッション(1982)」のジャン・フランソワ・ステヴナンほか。

1991年製作/フランス
原題または英題:Lune Froide
配給:巴里映画=ギャガ
劇場公開日:1994年4月16日

ストーリー

デデ(パトリック・ブシテー)とシモン(ジャン・フランソワ・ステヴナン)はともに40歳になろうとしているのに、いまだに不良少年のような生活を送っている。定職にも就かず妹夫婦の家に転がり込み、ジミ・ヘンのギターとアメリカにいかれている脳天気なデデ。夜勤の職にこそ就いているが昼間はデデとつるんで酔っぱらっている寡黙で内気なシモン。2人の性格は正反対だが、なぜかうまがあう。酔っぱらい、女をからかい、ケンカをし、娼婦と抱き合う馬鹿騒ぎの毎日に、シモンは小さな不安を覚える。実は彼らには人に言えない秘密があった……。彼らにはある夜、病院から若い女の死体を盗んで交代で死姦をしたという過去があった。だが、シモンは哀れで美しい死体に恋してしまう。彼らは月光の輝く海に死体を運び、シモンは彼女を抱えて波間に流す。一瞬、彼には人魚になった彼女が見えた気がした。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第44回 カンヌ国際映画祭(1991年)

出品

コンペティション部門
出品作品 パトリック・ブシテー
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映画レビュー

4.0不思議な感覚

2018年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

映像と内容のギャップが激しい。
一歩間違えれば、ヤバイ映画になるんだけど、切なさもあるという一風変わった映画。

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前田壮一