地球の静止する日

劇場公開日:1952年3月21日

解説

「折れた矢」のジュリアン・ブロースタインが製作し、「罠(1949)」のロバート・ワイズが監督に当たった空想科学映画1951年作品。ハリー・ベイツのストーリーに基づいて「情熱の狂想曲」のエドモンド・H・ノースが脚色、撮影は「女相続人」のレオ・トーヴァ、音楽は「戦慄の調べ」のバーナード・ハーマンが担当した。主演者は「黒ばら」のマイケル・レニー、「破局」のパトリシア・ニール、「イヴの総て」のヒュー・マーロウで、サム・ジャッフェ「欲望の砂漠」、ビリー・グレイ、フランセス・バヴィア、ロック・マーティンらが助演する。

1951年製作/アメリカ
原題または英題:The Day the Earth Stood Still
配給:20世紀フォックス日本支社
劇場公開日:1952年3月21日

あらすじ

ウォシントン上空に奇怪な船体が現われ、着陸するとクラートゥ(マイケル・レニー)という、奇妙な服をまとい英語を喋る男が現れた。彼は他の遊星から飛来し、危害を加えるものでないと云ったが、警備兵は彼に向かって発砲した。すると船体から巨大なロボットのゴートが現われ、周囲の武器をすべて破壊しようとした。だがクラートゥはロボットをとどめた。彼は大統領秘書に、地球上の指導者たちが他の天体の征服を企画する限り、他の遊星からの攻撃を受けるから忠告したいと申し入れた。だが指導者たちは彼と同席することを拒んだ。クラートゥは姿を消した。実は彼は普通の服を着、仮名を使って宿屋に住み着いたのであった。彼は美しい戦争未亡人ヘレン(パトリシア・ニール)とその息子、それに彼女の許婚トム(ヒュー・マーロウ)と知り合った。有名な科学者バーンハート教授(サム・ジャッフェ)1人が、クラートゥの使命遂行を助けた。クラートゥは使命の重大さを認識させるため、翌日の正午に世界中の電気を止めてみせたが、彼の意図は誤解され、クラートゥを逮捕せよと命令が出された。トムはクラートゥの本体を知り、軍隊に通報した。逮捕されるとき、クラートゥは致命傷を負った。ヘレンは彼から托されたタブーの文句をゴートにきかせ、ゴートによる市の破壊は免れた。ゴートはクラートゥをとりかえし、彼は生き返った。地球の科学者会議が開かれ、一同はクラートゥの警告を受け入れた。クラートゥはヘレンらに送られて再び地球を去って行った。

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映画レビュー

4.0【”地球の未来はこれで良いのか”当時の東西冷戦を憂慮した製作陣が、地球の未来を危惧する宇宙人を描く中で重いメッセージを発する本格的SF映画であり、現在でも十二分に通用する作品でもある。】

2025年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■ある日、ニューヨーク・ワシントンにUFOが飛来する。
 その中から現れた或る惑星からの来訪者・クラトゥは、全銀河系の要請として地球上の原子力開発による戦争の即時的中止を勧告するため、ロボット・ゴートを引き連れて来たのである。
 大統領との会見、および全世界の首脳との会議を拒絶された彼は、その強力な力を示すため、12時から30分間だけ地球の動力機能を静止させるのだが、軍により撃たれてしまう。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・全世界できな臭い状態が続く2025年に観ても、今作を監督したロバート・ワイズの重きメッセージは十二分に通用すると思う。

・通常、宇宙人映画と言えば、侵略者として描かれるパターンが多いが、今作での或る惑星からの来訪者・クラトゥの態度は紳士的であり、そのメッセージは原子力を開発した地球人の行いを危惧して飛来した事が分かる。

・愚かしき米軍はそんなクラトゥと、ロボット・ゴートに銃を向け、戦車迄出動させるのである。だが、ロボット・ゴートは光線で銃と戦車のみを溶かすのである。
 それを見た米軍は、クラトゥを敵とみなし、話し合いもせずに銃で撃つのである。この時点でロボット・ゴートは、銃を構える兵士ともども、光線で攻撃するのである。

・驚異的な治癒力で回復したクラトゥは、全世界の指導者たちとの会議を要望するが、首脳たちは”自分の国で行うなら参加する。”と言う返事を彼に返すのである。
 そして、再び撃たれたクラトゥ。ロボット・ゴートは彼をUFO内に運び、一時的に傷を治すのである。

<そして、全世界のリーダーたちがUFOの前に集められた際にクラトゥが重々しく言った言葉は重い。
 ”惑星連合は相互間で監視している。地球が無為な争いを地球で行った際には・・。”
 今作は、当時の核開発競争を行う東西冷戦を憂慮した製作陣が、地球の未来を危惧する宇宙人を描く中で、重いメッセージを発する本格的SF映画であり、きな臭い2025年に観てもそのメッセージは十二分に通用する作品でもある。>

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共感した! 4件)
NOBU

4.5ロボかわいい

2024年3月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

怖い

知的

かわいいロボ!

細かい設定や演出の甘さはさておき…いや、これが1951年の映画であることを忘れてはいけない。当時の観客の視点で考えるとこれがリアルな表現だったのかもしれない。恐ろしい宇宙人、未確認飛行物体、謎の破壊兵器、今でこそ量産されたコンテンツの原点であると考えると、この映画の偉大さがわかる。私はよく知らないが。

注目したいのはテンポの良さ。無駄を省いた非常に濃い内容です。宇宙人が社交的で、人間社会に溶け込んでいく様がユーモアを交えつつ描かれます。そして人間と宇宙人の対話。これこそがこの映画の主題ではないでしょうか。ぶっちゃけあんまし静止しないです(笑)「静止」は宇宙人凄いぞ!の表現の一部です。なぜ「静止」になったのか。破壊兵器かわいいロボいるじゃん!と思うかもしれないですが、宇宙人は寛大なのです。人間と違って力を誇示する為の破壊行為をしないのです。

「宇宙人が地球にやってきたら何語で話せばいいか?数学だ。数学は全人類の共通言語であり、宇宙にも通用するはずだ」誰かがそんなことを言っていた様な言わなかった様な気がしますが…そんなことを思い出させてくれるシーンがあったりして感慨深いものがありました。

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吹雪まんじゅう

3.0平和への憧憬と渇望か

2024年2月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

宇宙からの訪問者の口を語られる訴えは作者の平和讃歌か。国家の軋轢や政治家の駆け引きは、50年かかってもなにも変わらない。こと世界平和に関する人類の歩みはあまりに鈍い。
理想主義と卑小な利己主義、この構図も変わらないかなあ。

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Bluetom2020

3.0UFOの造り割と好き

2024年1月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

対話なくして平和なし。

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なにわ

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