戦う幌馬車(1967)

劇場公開日:1967年8月5日

解説

クレア・ハフェイカーの西部小説『悪党』を彼自身が脚色、「続・荒野の七人」のバート・ケネディが監督した西部劇。撮影は「スタンピード」のウィリアム・K・クロシア、音楽はディミトリ・ティオムキンが担当。出演は「エル・ドラド」のジョン・ウェインン、「巨大なる戦場」のカーク・ダグラス、「渡り者」のハワード・キール、ロバート・ウォーカー・ジュニア、「消えた拳銃」のキーナン・ウィン、「逃亡地帯」のブルース・キャボットほか。製作はマーヴィン・シュワルツ。

1967年製作/アメリカ
原題または英題:The War Wagon
配給:ユニヴァーサル映画
劇場公開日:1967年8月5日

あらすじ

仮出獄を許されたトウ・ジャクソン(ジョン・ウェインン)が、ニューメキシコの故郷エメットの町に帰って来た。トウは自分を無実の罪に陥れて、刑務所へ送り、その間に彼の所有する土地と金鉱を奪ったピアース(ブルース・キャボット)に復讐を果たさんとして、戻って来たのだった。驚いたピアースは賞金1万ドルで、トウを殺してくれと流れ者のガンマン、ローマックス(カーク・ダグラス)に頼んだが彼は返事をしなかった。トウとローマックスの間には、ピアースが砂金を運ぶ装甲馬車を襲撃して、50万ドルの砂金を奪おうという計画が進められていたのだ。2人は先ずメキシコ人の無法一味の1人だった熊のリーバイ(ハワード・キール)を仲間にし、さらにアル中のくせに爆発物を扱わしたら天才のビリー(ロバート・ウォーカー・ジュニア)を味方にした。一方トウはインディアンの酋長にわたりをつけ、小銃20挺と銃弾と塩を与える代わりに装甲馬車襲撃に協力することを約させた。そしてローマックスはピアースの牧場へ忍び込み、爆破用にニトログリセリンを盗み出した。いよいよ襲撃の手はずが整った。トウとビリーは盆地の峡谷にかかる木橋に爆破装置をしかけ、リーバイは大木を伐り倒して間道をふさぎ、ローマックスは橋の手前で待ち受けた。ピアースと30人の部下が守る装甲馬車はトウとローマックスそれにインディアンの強力な攻撃にあえなく全滅した。50万ドルの砂金を荷馬車の小麦粉の樽に移して彼らが引き上げようとした時だった。突然、攻撃に加わっていたインディアンの1群が襲って来た。だがニトログリセリンを使ったトウの機転で、インディアンたちは次々に倒れていった。また砂金も小麦粉とともに地面に散った。折りしも土地を追われたキオワ・インディアンの難民の大群が通りかかり、散らばった小麦粉を砂金とともにわれさきに奪い合った。それを見たリーバイは自分の部族へ帰って行った。金を失って怒ったローマックスもトウの馬を奪って立ち去った。この時トウは、彼らに協力して殺された老人が、ひそかに砂金の袋を御者台に隠したことを思い出した。果たしてそこには数個の袋があった。トウはビリーと老人の妻ケイト、そしてローマックスを加えた4人で山分けすることにした。

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映画レビュー

3.5 娯楽アクション西部劇に徹した理屈抜きの面白さと、ウェインとダグラスの貫禄の競演が魅力

2026年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

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ハリウッド全盛期の二大スター、ジョン・ウェイン(1907から1979)とカーク・ダグラス(1916~2020)が初めて共演した娯楽西部劇の快作。同時期の日本公開の西部劇には、セルジオ・レオーネ監督の「夕陽のガンマン」と「続・夕陽のガンマン」のマカロニ・ウェスタンやジョン・スタージェス監督の「墓石と決斗」がありました。興行的にもマカロニ・ウェスタンの人気に圧倒されていた時期であり、ハリウッドではアメリカン・ニューシネマが到来する前の停滞期でした。ウェイン59歳、ダグラス50歳の年齢からも分かるように、ベテランスターの初競演の魅力に頼った企画のように感じてしまいます。それでもストーリーとして面白く出来ているし、護衛を付けた6頭馬車が疾走する西部劇らしい迫力もあり、理屈抜きに楽しめるコメディタッチの作品でした。

原作はクレア・ハフェイカー(1926~1990)という脚本家兼小説家で、1957年に執筆した『Badman』です。10年掛けて映画化に至ったようですが、ハフェイカー自身が語った話では、小説は10日で書き上げたけど脚本には三か月掛けたと言います。シーンの組み立てから全体の構成、台詞とト書きの練り直し、キャスティングからその俳優の個性表現と、原作者本人でも映画用に脚色するのに苦労することが窺えます。原題『悪党』から、映画タイトルを『The War Wagon/戦車・装甲馬車』に変えたことで、この映画の特徴が際立つことになりました。この装甲馬車は、1870年代のゴールドラッシュ時代に実際に運用されていたと言いますが、永年西部劇を観ていて初めて認識しました。(この作品を約50年前に観ていたにも関わらずです)映画の後半では機関銃が装備されて、派手な銃撃戦の演出がクライマックスを盛り上げます。但し車体の重量が嵩んで馬に負担がかかり、それほど使われなかったようです。ならば素人考えで8頭馬車にすればと思ってしまいますが、これを調べると、馬を増やしても速度は変わらず、御者の制御限界があって、コストもかかり、何より荒野の悪路や山道では小回りが利かず横転してしまうのが理由でした。この装甲馬車を日本語タイトルでは幌馬車としているのが理解できません。英語読みのタイトルで良かったと思います。
監督は脚本家から監督になり「続・荒野の七人」(1966)など西部劇を得意とした監督デビュー5年目のバート・ケネディ(1922~2001)ですが、ジョン・ウェインも演出に加わったようです。ベテランスターふたりの演出には大分気を使ったのではないかと想像してしまいます。特にカーク・ダグラスの演技を観ると、好きなように演じている余裕が感じられました。音楽は巨匠ディミトリ・ティオムキン(1895~1979)でポイントを押さえた映画音楽をつけていて、タイトルバックに流れる主題歌『The Ballad of The War Wagon』が軽快でテンポ良く一寸ユーモラスな曲でした。撮影がジョン・フォードの「騎兵隊」(1959)や「リバティ・バランスを射った男」(1962)などの、こちらも西部劇のベテランのウィリアム・H・クローシア(1903~1996)。メキシコロケとメキシコのスタジオ撮影で、モニュメント・バレーとは違うメキシコの荒野を走る装甲馬車の迫力のある映像が見所になっています。タイトルバックでは装甲馬車の見せ方が巧く、最初は坂の上に馬2頭だけが現れて、これに続いて死角から護衛の集団がスピードを上げて降りてきます。そして6頭馬車の装甲車が登場する。主題歌では主人公トウ・ジャクソンが3年服役していたことと、装甲馬車が運ぶ金の強奪を企んでいることが分かる。シンプルなストーリーを単刀直入に説明して、余計なものが無いことの単純明快さ。娯楽に徹した潔さと、結末含めて勧善懲悪に沿った展開の面白さでした。クライマックスで出てくる橋を渡る一団が砂埃を上げながら疾走するロングショットのカメラワークのベストポジション。

50万ドルの砂金を強奪するメンバーは5人の男たちと若妻ひとり加えた計6人の悪党たち。トウ・ジャクソンは騙されて無実の罪で投獄されて、自分の土地も奪われている。宿敵となるフランク・ピアース(ブルース・キャボット・1904~1972)は、その土地で金脈を掘り当て資本家となり、町を支配している。トウがまず最初に強盗団に勧誘するのが彼に怪我を負わせたロマックスという腕利きのガンマン。このお金と女性に目が無い流れ者男をダグラスが演じて、トウと好対照な男性像を見せます。驚くのは50歳のダグラスの馬に飛び乗る時の身の軽さです。演技派でアクション俳優としても名を馳せたダグラスが、楽しみながら演じているようでした。この老成したガンマンに加わるのが、爆薬に詳しいビリー・ハイアット(ロバート・ウォーカー・Jr・1940~2019)。ここで意外なのは、酔っ払い役を年寄りにするのが一般的なのに、この一番若い青年を酒癖の悪い役に設定したことです。演じるウォーカーは、父とジェニファー・ジョーンズの間に生まれた二世俳優ですが、線が細く際立つ個性は未だ感じません。酔っぱらってロマックスの馬に乗せられて運ばれる途中で川べりを歩くシーンでは、お決まりのように川に落とされます。酒に溺れる特徴を付けたことで、演じる甲斐があるようにしたように見えます。ここで装甲馬車の一団が川を渡るシーンがいい。砂埃でなく水しぶきを上げて進む映像の見せ方の巧さ。その前にネイティブアメリカンのリーヴァイ・ウォーキングベア(ハワード・キール・1919~2004)を探し求めて山岳地帯で展開する脱出劇のアクションシーンがユニークでした。ここで50年前の記憶が蘇りました。賭け事のポーカーの不正で射撃の的になる制裁を受けているリーヴァイを見てロマックスが、どれが友達だ、とトウに尋ねるのが可笑しい。先ずメキシコ人の無法一味の馬を逃がし、崖の上からトウが火炎瓶攻撃をして、下ではロマックスがリーヴァイを救い出す。炎が大分立ち上がってから異変に気付くのがご愛嬌の、ユーモアとスリルの映画的な表現でした。砂金を小麦粉の樽に隠して逃走を図る役目のウェス・フレッチャー(キーナン・ウィン・1916~1986)は、若い妻を奴隷のように扱う傲慢不遜な男。キーナン・ウィンは、「博士の異常な愛情」(1964)でコカ・コーラの自動販売機を銃で撃ち抜くグアノ大佐を演じた個性派俳優で、この作品ではメンバーの中で一番の悪役を好演しています。貧しい生まれの妻ケイト・フレッチャー(ヴァローラ・ノーランド・1941~2022)は、最後ビリーと恋仲になって結ばれるというハッピーエンドの展開で定石通りのエンディングですが、このコメディ西部劇にあったものと言えるでしょう。キャスティングでは、まだ無名に近いころのブルース・ダーン(1936生まれ)がピアースの手下ハモンドで最初の方に出ていて、トウとロマックスの返り討ちにあって殺されてしまう役でした。

個性派ぞろいのメンバーが作戦に挑む前に、酒場で大乱闘のアクションシーンが盛大に展開します。1964年に癌の宣告を受けたジョン・ウェインも片肺を失った身体で参加し、派手な殴り合いを見せ、ダグラスは狙われたトウのウェインを救うべくランプの照明にぶら下がりターザンのようなスタントをこなす。ここまでやるかのサービスシーンでした。そして橋を爆破するためのニトログリセリンを調達するためにピアースの牧場を夜襲するシークエンスの緊張感も、クライマックス前の映画的な表現になっています。倉庫からニトロを盗み出すカットと、トウが自分の服を取り戻すのを言い訳にピアースを脅すカットのモンタージュ。この強盗メンバーがリーヴァイの通訳を通してネイティブアメリカンの協力を得るところも巧くストーリーに落とし込んで、当日機関銃が取り付けられた装甲馬車が披露されるサプライズもいい。最後は上手く行ったと思わせて、欲に取りつかれた様々な人間の裏切りと馬の暴走を生かした脚本の面白さ。ラストカットは、それまで失敗の無かったロマックスが落胆で馬に巧く飛び乗れないカットで閉める。これでダグラスが何度も奇麗に飛び乗るのを見せていたことが納得です。

大スターのウェインとダグラスのキャラクターを生かしつつ、年齢を感じさせないアクションシーンをふんだんに入れた娯楽アクション西部劇でした。スタッフ・キャスト共に新旧のバランスの良いもので、演出のキレは弱いながら充分楽しめる作品です。またウェインの体力を考慮したスタントを、大乱闘のシーンや、後半の馬に飛び乗るシーンでしています。特徴のある衣装で目立つときもありますが、上手く編集していて気にはなりません。

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Gustav

3.5 幌馬車と戦うジョン・ウェイン

2026年6月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Mr.C.B.2

4.0 二人の共演を楽しむ映画

2026年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ジョンウェインもカークダグラスも楽しそうに見える。

二人ともシブいね。

会話も、短いが粋だ。

当時は、こういう映画は最高の娯楽だったんだろうな。

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藤崎敬太

3.5 粋なジョン・ウェイン

2026年3月1日
Androidアプリから投稿

言動がかっこいい、俺が好きないつものジョン・ウェインでした。

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ガレ

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