第三の男

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

イギリス人作家グレアム・グリーンのオリジナル脚本を名匠キャロル・リードが映画化したフィルムノワール。第2次大戦終戦直後、米英仏ソの四カ国による分割統治下にあったウィーンに親友ハリー・ライムを訪ねてきたアメリカ人作家のホリー。だが、ハリーの家に着くと守衛からハリーは交通事故で死亡したと告げられる。腑に落ちないホリーはウィーン中の関係者をあたり、真相究明に奔走するが……。出演はジョセフ・コットン、アリダ・バリ、そして謎の男ハリー・ライムにオーソン・ウェルズ。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。1949年製作で、日本では52年に劇場公開。2020年8月、人気声優による名画吹き替えプロジェクト「NEW ERA MOVIES」で新たに制作された吹き替え版(ホリー・マーチンス役=平田広明/ハリー・ライム役=鈴村健一/アンナ・シュミット役=本田貴子)で公開(モービー・ディック配給)。

1949年製作/105分/G/イギリス
原題または英題:The Third Man
配給:モービー・ディック
劇場公開日:2020年8月21日

その他の公開日:1952年9月16日(日本初公開)、1976年1月

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.0【”君はハリー・ライムのテーマを聴いた事が有るか!そして、複雑な三角関係と友情の果て。”戦争の光と影を、モノクロームの陰影を鮮やかに活かして撮ったサスペンス・ノワールの逸品。】

2024年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

<Caution!内容に触れています。> ー ご存じの通り、第三の男のツィター演奏によるメインテーマはハリー・ライムのテーマとも呼ばれている。そして、1949年公開のこの映画のテーマソングは、多くの人に愛されている。   だが、内容は軽やかなテーマソングとは逆に、サスペンスミステリーであり、映画としてはモノクロームの光と影、特に夜の壁面に映る人影の使い方や、オーソン・ウェルズが演じるトラックにはねられ死んだ筈のハリー・ライムが自分が呼び寄せたアメリカ人作家の友人ホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)に、夜、暗闇の中から顔を表し、ニヤリと笑うシーンは絶品である。   今作では、序盤、中盤とハリー・ライムの恋人で、オーストリアのパスポートを偽造していたアンナに、淡い恋心を抱くホリー・マーチンスの姿が、ラストに効いているのも良い。   更に、彼の身代わりとなり墓に収められていた行方不明になっていた粗悪品のペニシリンで一儲けしていたクルツ男爵やポペスコと同じ”ジョセフ・ハービン”の姿が見つかり、彼が粗悪品のペニシリンを一瓶70ポンドで売っていたために多くの人が犠牲になった事実を知ったホリー・マーチンスが、観覧車でハリー・ライムと会い、彼が戦争のために非情なる男に変わってしまった事を知るシーンも、印象的である。   そして、ホリー・マーチンスが警察と共にオーストリア、ウイーンの地下下水道でハリー・ライムを追うチェイスシーンも、見応えがある。   警察に撃たれ、地上に出ようとするも鉄の格子が開かずに指だけ藻掻くように動かすシーンのショットも見事であり、その彼を見つけたホリー・マーチンスに向かい頷くハリー・ライムの表情と、鳴り響く銃声だけを流す手法も、コレマタ見事である。ー <そして、空港に送って貰う途中だったホリー・マーチンスが、オーストリアのパスポートを偽造していたアンナがウイーンから去る姿を見て車を降りて待つも、アンナは彼の事を一顧だにせずに、真っ直ぐに枯れ葉舞う一本道を歩み去るラストシーンも見事である作品である。  今作は、サスペンスミステリーでありながらも、ホリー・マーチンスとハリー・ライムの友情や、恋人を失いつつも気丈に振る舞うアンナの姿が品性高く描かれた逸品なのである。>

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NOBU

4.0あのBGMが印象的で、中身も面白かった。

2024年5月3日
スマートフォンから投稿

怖い

単純

『第三の男』鑑賞。 *主演* ジョセフ・コットン *感想* 売れない作家ホリーが、親友ハリーが死亡したと知らされ、ホリーが独自に調査するサスペンス。 ホリーは調査する中で、親友ハリーの秘密、親友の死を見届けた男二人と謎の第三者、食い違う証言など、いくつもの謎が散らばっています。 光と影の使い方が絶秒で、あのBGMが印象的。どこかで聴いた事がある。 何かのテレビCMで流れたような…? 僕の予想を裏切る形で終わったので、少しビックリしました。 あのBGMが印象的で、中身も面白かったです。(⁠^⁠^⁠)

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ひろっぴ

5.0闇に浮かぶオーソン・ウェルズの横顔

2024年3月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

確か、初見は中学生時代。 有名なラストシーンと共に、鮮烈に記憶に残っていたのが、闇に浮かぶオーソン・ウェルズの横顔だった。 当時は、背伸びをして、正月の深夜などに放送されるいわゆる名画を、眠い目をこすりながら観ていた。身近に名画座もなかったし、テレビも録画できるような時代じゃなかった。 でも、そうやって観た映画たちは、どこかしら、今も強い印象を残している。 改めて鑑賞して、こんなに闇がしっかりと描かれているとは思わなかった。というより、制作された当時は、実際に闇が深かったのだろう。そのおかげで、光とそれによってもたらされ陰影が、グッとドラマチックさを高めている。特に、追いつ追われつするシーンで、大きく伸びた影も同時に走るところなんか、しびれるくらいカッコいい。 中学生の頃には気がつかなかった、連合国軍それぞれの思惑、闇市場の功罪、割りを食う立場の人々、アメリカに対するヨーロッパのプライド、男女の割り切れない恋愛感情といったこの映画のテーマに関わる部分にも目がいくが、やはりそれを全体的にはサスペンスとしてまとめ上げ、映像と音楽との魅力で惹きつけるというところが、この映画が名作だと言われる所以だとつくづく思った。 これが、サブスクで観られることの有り難さ。 感謝。

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sow_miya

5.0ジョゼフ・コットンを追いつめた少年

2023年6月13日
スマートフォンから投稿

悲しい

怖い

興奮

この作品は普遍的なラブストーリーですね。悪に染まった男ハリー・ライムと、そうと知りながら愛さずにはいられない女アンナ、何とかして彼を救いたい親友ホリー・・・この危うい三角関係を、世界的に有名な光と影のモノクロ映像、ツィターによるテーマ音楽で魅力的に彩った名作です‼️夜、窓から洩れた光が隠れたハリー・ライムの顔を照らしだす場面、ウィーンの大観覧車、下水道を舞台にした追っかけ、アンナがホリーに目もくれず枯れた並木道を立ち去っていく有名なラストシーンまで、すべての場面が工夫されてるというか、鑑賞する毎に新たな魅力を発見できますよね‼️そしてオーソン・ウェルズによる "鳩時計''は周りの友人へのウンチクとして何回使わせてもらったか分かりません‼️でも私が一番印象的だったのはボールを拾いに登場する子供‼️ジョゼフ・コットンを「人殺し!人殺し!」と追いかけていくその不気味さは、初見以来30年以上、脳裏に焼き付いて離れません‼️

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