卒業(1967)
劇場公開日:2019年6月7日
解説
将来に不安を抱えるエリート青年が、人妻と不倫の末にその娘と恋に落ちる姿を描き、主演のダスティン・ホフマンを一躍スターにした青春映画。大学を優秀な成績で卒業したベンジャミンは、将来を嘱望されながらもどこか悶々とした毎日を送っていた。虚無感を抱える彼は、父親の共同経営者の妻ロビンソン夫人に誘惑され、逢瀬を重ねるように。そんなある日、両親の勧めで仕方なく夫人の娘エレインとデートしたベンジャミンは、純粋な彼女を本気で好きになってしまう。チャールズ・ウェッブの同名小説をもとにマイク・ニコルズ監督がメガホンを取り、第40回アカデミー賞で監督賞を受賞。日本でも、劇中に流れる「サイモン&ガーファンクル」の楽曲「ミセス・ロビンソン」「サウンド・オブ・サイレンス」などとともに大ブームを巻き起こした。結婚式場から花嫁を奪い去る場面は、映画史に残る名シーンとしてあまりに有名。2019年6月、4Kデジタル修復版でリバイバル上映。
1967年製作/107分/G/アメリカ
原題:The Graduate
配給:KADOKAWA
日本初公開:1968年6月8日
スタッフ・キャスト
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2019年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
アメリカン・ニューシネマの代表的な1作である。アンチヒーローたちの生き様にフォーカスするアメリカン・ニューシネマ。だが、今やアンチヒーローなんてまるで話題に上らない時代だから、この注釈はほぼ意味ないだろう。そこで、ここいう見方はどうだろう?優秀な成績で大学は出たものの、そのまま親の敷いたレールに乗っかりたくない箱入り息子(確かに彼はいわゆるヒーローではない)が、なんと大胆にも、初めて自分の本能のまま行動してしまう破滅型ドラマという解釈は。そう、これはレールに乗っかったまま楽な生き方をチョイスしてしまいがちな(失礼)現代の若者たちに、人生はそんなに甘いもんじゃないということを、半世紀も前にメッセージとして伝えようとした未来予知映画なのである。卒業の先にある膨大な時間の重み。これは、かつて若者だった中高年世代にも再見して欲しい1作だ。
すごい昔に観た時は、教会の窓バンバンやるシーンで感動したのだけれど、いまだとしないなぁ。内容のせいか。
ラストは素晴らしい。このラストは絶対残る。
2022年8月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
結婚式に乱入しての「ちょっと待ったー」というイメージが強すぎていたのだけど、肝はラストの二人の様子ですぐダメになるなと思えてしまうところではないかな。
それまでは壮大な前振りで、感情任せの勢いであれだけのことしておいて、ハッピーエンド…と見せかけてうつさないけどすぐ後にバッドエンドが待っている(と思える)ところではないかな。
2022年7月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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シュールだ・・とても。なぜか主題歌をすべて歌えてしまう・・・しかも驚くべきことに前半はかなりの部分のこの映画のセリフが口を突いて出てくる。前世の記憶か・・・。生れる前の作品だが、カット割りがメチャクチャ秀逸。すべてのカットが優れたスチールに連続の様あるにもかかわらず、ちゃんとムービーとして成立している。いずれにしてもこの映画の内容は現在なら完全アウトだが、昔はきっと一念岩をも通す・・雨だれ石を穿つ・・・精神一到何事か成らざらん・・全てが今では死語と言っていい概念が、この映画の根幹にあり、それだけにシュールさが際立つのだろう。アン・バンクロフトの演技の迫力に圧倒される一本でもあった。それにダスティン・ホフマンがトム・クルーズに見えてならなかったという点も書き加えておこう。走り方がそっくりなのだ。行動の突飛さ加減も‥これは勿論役どころの問題なのだろうが・・。作品の中でまるでスポットカラーのように動き回るのがスカーレットのアルファロメオ アルファスパイダー(デュエット)。この車がどんどんボロボロになって行く。そして迎えた一見ハッピーエンドの様なエンディングにも二人の行く末もそのアルファロメオの様な結末が用意されてなければ良いがと・・不安に駆られる結末なのだ。でも終止傑作。