戦争のはらわた
劇場公開日 2017年8月26日
解説
「ワイルドバンチ」や「ゲッタウェイ」「わらの犬」などで知られるアメリカ映画界の巨匠サム・ペキンパーの唯一となる戦争映画。第2次世界大戦下、ソ連軍の猛攻によって絶望的に追い詰められていくドイツ軍歩兵小隊の命運を、戦場のリアリズムを徹底追及して描いた。1943年、ロシア戦線。ソ連軍との戦闘が激化し、撤退を余儀なくされていくドイツ軍の小隊長シュナイター伍長は、勲章を手に入れることしか興味のない無能な指揮官のシュトランスキー大尉を嫌悪していた。2人の関係が険悪になっていくなか、シュトランスキーは勲章を得るため、シュナイターの部隊を策略にかける。日本では1977年に劇場公開。2017年、公開40周年を記念してデジタルリマスター版が公開。
1977年製作/133分/イギリス・西ドイツ合作
原題:Cross of Iron
配給:コピアポ・フィルム
日本初公開:1977年3月12日
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
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2017年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
サム・ペキンパーにとって初の戦争映画。まさに彼にしか成しえない火薬の量で、冒頭から爆破に次ぐ爆破。最初は地響きや小刻みな編集を体全体に感じながら映画的なカタストロフィを味わっていたとしても、それらは徐々に限度を超えた異様さ、そして恐怖となって観客の心をじわじわと締め付けていく。徐々に近づいてくる砲撃は死神が扉を叩く音のよう。ここは地獄だ。しかばねばかり。そして出口がない。
そんな中、ジェームズ・コバーン演じる老兵はどんな状況でも冷静沈着。部下の信頼も厚い。かといって皆を救う英雄ではない。ナチス・ドイツ側の視点で戦場を描くという異色ぶりもさることながら、ペキンパーはもちろん正義や悪を超えた論点で、精神的、肉体的に追い詰められていく「戦場の普遍」を紡いでいるのが特徴的だ。上官にさえ毅然と物申すコバーンの姿は、ある意味、ペキンパーが手がけてきた「最後の西部劇」を地でいく存在なのかもしれない。
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ファシズム対ファシズムの戦い。
降伏しても嬲り殺しにされるだけ
皆殺しにするか皆殺しにされるかだけの戦争。
国家利益ではなく憎悪を理由に相手を皆殺しにしようとし
1000万以上の人命が消えた人類史上最悪の戦争が
独ソ戦であり映画の舞台だ。
連日、当たり前のように人が泥に埋まって行く地獄に
フランスから貴族のお坊ちゃんストランスキーが、軍人の名誉である鉄十字勲章を胸に飾る為に現れた事で物語が動きだす。
着任したストランスキーは、さっそく捕虜を連れていた主人公スタイナーに捕虜殺害を命じるが拒絶されてしまう。
階級こそ下だがスタイナーは歴戦の兵士であり
何よりストランスキーが授章を願ってやまない鉄十字勲章持ちだ。
ストランスキーの上官もスタイナーを買っており
迂闊に処罰も出来ない。
スタイナーと言う男
上官と部下の信頼厚く、最前線を任され
鉄十字勲章、歩兵突撃勲章、対戦車撃破勲章
クリミア防衛勲章、戦傷勲章
勲章総ナメ状態の彼こそがストランスキーの理想像である…に関わらず
「勲章が欲しければやるよ」
と、自らの鉄十字勲章を投げてよこす様な男だ。
戦争に疲れはてたスタイナーから見れば勲章なんぞ失った仲間と引き換えに貰った鉄の板に過ぎないのだが
貴族出身で戦争を知らないストランスキーには不遜な男にしか見えない。
俺は馬鹿にされている!!
ストランスキーの中でドロドロとした憎悪が渦巻く…渦巻くのだ…
しかし、彼を見返せる才覚はストランスキーには無い。
彼が持つ貴族の身分は全く役には立たない。
遂にストランスキーは卑劣な手段を使い戦死した他人の功績を奪う事で鉄十字勲章授章の権利を得る。
そして、自分が有する貴族のツテを使い
授章と同時にフランスに逃げ帰る算段を得るのだったが…
これは憎悪の映画だ。
全世界が憎悪に突き押されていた時代に
最も救いの無かった大戦争で
たった2人の男が互いを殺すほど憎み合う映画だ。
戦争などしなくても人は簡単に憎悪する。
階級、人種、宗教、家柄、美貌、才覚
格差と対立の構造は何処にでもあり
誰でも相手を殺すほど恨む可能性はある。
だから、あの男の敗北を喜んでいてはならない。
彼を悩ましていたメス犬が盛り出すのは自分の前かも知れないからだ。
2020年12月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
何故ドイツ軍を描くのか?
英国、西ドイツ合作映画だとしても
何故英国人監督なのか?
しかも英国人でもなく、米国人監督が撮るのか?
どうしてサム・ペキンパーが担当するのか?
どうしてこれほどまでにむき出しの戦争の現実を執拗に描こうとしているのか?
何故戦争のプロの下士官兵とプロセイン貴族の将校との対置構造なのか?
何故ホモセクシャリズムが重奏音のように通低しているのか
なぜに美少年が冒頭とラストシーンに登場するのか?
何故ソ連女性兵士のシーンはあるのか?
何故男性器を噛みちぎられるのか?
何故主人公は美しい看護婦との家庭を取らず、なぜ原隊に復帰するのか?
あの地獄の東部戦線に戻ってしまうのか?
映像にはすべて意味があるのだと思う
戦争の悲惨、凄惨な実相を執拗に描くことで反戦メッセージにする?
そうではない
そんなものはペキンパー監督の頭にはこれっぽっちもない
思い浮かぶのは「相対的」という言葉だ
戦争の圧倒的な暴力によって、文明の皮膚がすべて剥ぎ取られた時に、どのような世界があるのか
それが本作のテーマなのだと思う
宗教、歴史、思想、性的な規範、正邪の概念
そんなものはすべて崩壊した世界
人間が頼る絶対的な基準が無くなった世界
すべて相対的化した世界
つまり生き残びるためならなんでもして良い世界
それを表現しようとしているのだ
それはドイツ軍だからではない
英軍でも米軍でも起こりうることなのだ
戦争中の日本軍にも起こった
将来、自衛隊にも起こりうることだ
だから米国人の監督が、ドイツ軍の物語を、英国人の主演で、英語の台詞で撮るのだ
戦争による文明の崩壊は普遍的にどこの国に於ても起こりうる
それを示そうとしているのだと思う
戦争のはらわた
なんという素晴らしい邦題だろう!
本作のテーマを見事なまでにえぐっている
2020年4月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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ロシアタマニ半島1943年退却
オープニングニュース映像かモノクロ
ジェームスコバーンだ 部下が音もなく殺す ロシアの少年兵 ハーモニカ吹きます
シュタイナーは神話 伍長
スローモーションで派手に 爆破
大尉とはそりが合わなさそう
ディーツ2等兵
曹長に
マイヤー中の誕生日をみんなで祝う
ロシアの少年 返したのにロシア人に殺された
迫撃砲の威力がすごい
曹長はいつのまにか病院に
幻覚
看護師が涙ながらあなたには戦争しかないの
ドイツ永遠に
戦線復帰
タいイは鉄十字勲章が欲しい
プロイセンの貴族
空襲
火薬の量が凄まじい
大佐も敵に回すのか 曹長は 将校が全員嫌い勲章アサリのクソ野郎
陰謀による steiner の小隊だけ取り残される
ロシアの戦車が打ってきた
戦車の迫力たるや
地雷差し込んで一台撃破
工場へ
戦車が突っ込む
戦場にかかる橋、橋の下を行く
登るコバーン音もなくしえとめる
女軍人風呂
アナパ
お色気作戦に引っかかって酷い目にあいそう
ディーツが殺された 女の子を傷つけないで
やっぱりちんこ食いちぎられた
差し出す
ハーモニカで歌う
ズボンの丈てやっぱり偽装バレた
よりによってタいイに暗号を送ってしもた
味方に撃たれて無残に死ぬ
一拍置いて掃射した
スローモーション
ナイフでトドメ
弾幕の中に借りを返すため またひどくなってきた
一騎打ち あなたのとりこは死んだ失敗だたい私は生きるあなたは死ぬ 1回目は外す
ロシア軍と戦う 大佐も出てきた 今日の月は再装填の仕方もわからない お笑い動画
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