戦争と友情
劇場公開日:1980年5月17日
解説
1939年の夏、パリで知り合った6人の男女が、第2次大戦を経て友情を貫く姿を描く。製作総指揮はエドモンド・アマティ、監督は「サンドカン総攻撃」などで知られるイタリア名ウンべルト・レンツィのハンク・マイルストーン、脚本はトニー・フリッツ、撮影はホセ・ルイス・アルカイネ、音楽はリズ・オルトラーニ、編集はヴィンセント・P・トーマス、美術はジョゼフ・バッサムが各々担当。出演はジョージ・ぺパード、アニー・デュプレー、ジョージ・ハミルトン、ホルスト・ブッフホルツ、サム・ワナメーカー、ジャン・ピエール・カッセル、キャプシーヌ、レイモンド・ラヴロックなど。
1978年製作/イタリア・イギリス・フランス・西ドイツ合作
原題または英題:From Hell to Victory
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1980年5月17日
ストーリー
1939年8月のパリのレストラン。そこで、6人の男女が楽しげに語り合っていた。アメリカ人のブレット(ジョージ・ペパード)、イギリス紳士のディック(ジャン・ピエール・カッセル)、ドイツ人のユルゲン(ホルスト・ブッフホルツ)、アメリカ人作家のレイ(サム・ワナメーカー)、そしてフランス人で紅一点のファビアンヌ(アニー・デュプレー)とこの店の主人モーリス(ジョージ・ハミルトン)の6人で、共にパリで知り合い友人になったばかりだった。しかし、ヨーロッパはいま戦火にさらされ、彼らのパリ生活も続けるのは不可能になっていた。ユルゲンもレイも故国に帰らなくてはならない。この日は、その最後の集まりで、全員で記念写真を撮った。そして、誰が言い出したのか“毎年8月24日はここに集まろう”という約束が交された。レイは、帰国する前にブレットを伴ってニコール(キャプシーヌ)を訪ねた。彼女はユダヤ人の富豪の未亡人で豪邸に住んでいた。レイが珍しく悪酔いして帰り、残されたブレットは、その夜ニコールと愛を交すようになる。ドイツのポーランド侵攻で火ぶたを切った第2次大戦で、パリはまたたく間にドイツに占領されてしまった。ドイツ軍将校としてパリに進駐して来たユルゲンは、ちょうどl年目の8月24日にモーリスの店に行くが、店は閉じられ、友人の姿はどこにもなかった。この1年の間に友人たちはバラバラになっていたのだ。モーリスはドゴールの自由フランス軍に身を投じ、ファビアンヌはパリでレジスタンスに参加し、ニコールはドイツ軍の司令部に邸を供用されながら抵抗を続けていた。そしてブレットは連合軍の戦略将校としてイギリスに渡って来たばかりだった。パリ市内でサポタージュの運動を続けていたファビアンヌは、ある日ドイツ軍の網にかかり、危いところをユルゲンに助けられる。皮肉な再会だったが、2人はその日、何もかも忘れて愛し合った。しかし、その休息も束の間のもので、互いにそれぞれの陣営に戻っていった。ブレットはイギリスで息子のジム(R・ラブロック)に会い、彼が前線ヘの派遣を希望していることを知る。フランスに潜入したジムは、パルチザン戦に参加し、偶然モーリスを知ることになり、彼が父親と友人同志であることを知った。一方ユルゲンは、ある日、ファビアンヌから呼び出しを受けて、ゲシュタポ司令部を出た。とその矢先、司令部は爆破され、彼は命をとりとめた。それは姿なきファビアンヌのユルゲンを助けるための行動だったのだ。モーリスとジムは、ドイツ軍の追跡をくぐりニコールの邸に匿われる。ニコールが父と愛をかわした女性であることを知り、さらにニコールが語る父の人間像に、改めて父親を見直すジムだった。しかしニコールは、パルチザンを匿ったことで殺され、一方、空中戦を展開していたディックも戦死した。ドイツ軍と連合軍の闘いは、ジリジリと連合軍の盛り返しで終盤をむかえつつあった。ユルゲンは、敵方にブレットの息子ジムやモーリスがいるとは知らず、必死に闘っていたが、彼も遂に敵の砲弾に息絶えていった。パリが解放されたのは奇しくも8月24日だった。モーリスとブレットは、荒れ果てた店の前に立ち、約束した日から5年の歳月がたっているのを感慨深く感じていた。そこで、4年前にユルゲンが記していった日付と彼のイニシャルを見つけた2人は不在の友人たちに盃をかわした。そして、彼らが再びグラスを合わせようとした時、遙かセーヌ河畔の道を走り、彼らに近づいてくる人物を発見した。それはファビアンヌだった……。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ハンク・マイルストーン
- 脚本
- トニー・フリッツ
- 製作総指揮
- エドモンド・アマティ
- 撮影
- ホセ・ルイス・アルカイネ
- 美術
- ジョゼフ・バッサム
- 音楽
- リズ・オルトラーニ
- 編集
- ヴィンセント・P・トーマス
- 字幕監修
- 野中重雄