素晴らしい風船旅行

劇場公開日:

解説

「赤い風船」のアルベール・ラモリスが初めて監督した長編劇映画。脚本をラモリス自身が書き、撮影をモーリス・フェルーとギイ・タバリーが担当。空中撮影に特殊ヘリコプターを用いた“ヘリビジョン”方式をラモリス自身が担当。音楽はジャン・プロドロミデス。出演は監督の息子パスカル・ラモリス少年、アンドレ・ジル、モーリス・バケら。イーストマンカラー・デイアリスコープ。

1960年製作/85分/フランス
原題または英題:Le Voyage en Ballon
配給:東和
劇場公開日:1961年3月21日

ストーリー

パスカル(パスカル・ラモリス)の祖父(アンドレ・ジル)は七十歳の学者で、空を自由自在に飛べる気球を発明し、フランス中を旅行すると、はりきっていた。冒険好きのパスカルは、何んとかして気球に乗りこもうと考えた。気球の出発点は北フランスのべチュヌ。助手(モーリス・バケ)やパスカルも手伝って気球にガスをつめた。いよいよ出発、気球はするすると上りはじめた。そのうちゴンドラが揺れるので祖父が外をみるとパスカルがしがみついていた。パスカルの計画は見事に成功、旅行はパリにむけてつづけられた。パリで同好の人たちにあい、次はブルターニュ地方。途中で猟師に追われる鹿を助けたり、帆船と競走したりした。やが気球は教会の庭に下りた。そこで村の娘を一人のせて気球が空に舞い上り、ようやくつかまえるという事件もあった。気球はブルターニュから南へ。その途中、山火事のそばを通り、気球が爆発してしまった。さっそく助手の自動車に用意した予備の気球に二人は乗ってアルプスに向った。モンブランを越え、ニーム近くの海でパスカルは海水浴を楽しんだ。気球は闘牛場に下りた。祖父が一人で地上に下りた時、気球はパスカルを乗せたまま空に上ってしまった。祖父と助手は青くなった。助手は飛行場にかけつけ、パラシュートで気球をつかまえようとしたが失敗した。夕暮がせまり、心ぼそくなったパスカルは、海岸の浅瀬に下りはじめた気球から思いきって飛び下りた。追いかけるパスカルを残して気球は空高く飛び去った。--楽しかった風船旅行もこれでおしまい。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0キドカラーの飛行船に乗りたくて乗りたくていたのを思い出します

2022年5月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

やっと見られました。
VHSビデオをある所で借りて見ました。画像はめちゃくちゃ汚いですが、小学生の頃、公民館(じゃないかも、テレビではない)で見た事を思い出しました。
空を冒険すると言った所に惹かれたのだと思います。
この映画を見て『ハンググライダーを始めた』とかなら良いのでしょうが、運動が苦手で、僕は本と映画に走りました。その中で冒険をする事を選びました。(そう思いつつ、キドカラーの飛行船に乗りたくて乗りたくていたのを思い出します)
まぁ、後にハンググライダーはタンデムで2回ほど飛びましたが、言うまでもなく、鳥になった気分。全く恐怖心はありませんでした。

追伸 赤い風船と同じ監督なんですね。知りませんでした。赤い風船も別の意味で良い映画でした。
追追伸 キドカラーが1969年だから、映画を見たのは6年生かなぁ?映画はもっと前に見たような気がする。6年生の頃は『アラビアのロレンス』と『赤ひげ』を見たはず。

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マサシ

4.0映画の詩人アルベール・ラモリスの自然の美しさを捉えた映像パノラマ

2020年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

小学校の課外授業で観た映画。気球から望む自然の風景の美しさが印象に残る。それでもラストシーンにはとても違和感を感じた。詩的な情感を理解できない子供だったから仕方ない。初めて映画を観て批評した映画になる。
監督のアルベール・ラモリスは、映画好きになってから日曜洋画劇場で観た「フィフィ大空を行く」で大好きな監督になる。名作の「赤い風船」「白い馬」と作品数は少ないがフランス映画界では特異な存在感をもつ映画詩人だった。

小学校の高学年になると町の映画館は閉館してしまった。娯楽の主役がテレビに替わられてしまったからだ。子供時代の映画の記憶の殆どは、東宝のゴジラ映画とモスラ、大映のガメラ映画とギャオスになる。怪獣映画は私にとってヒーロー映画だった。それに夏になると、化け猫などの幽霊映画が田舎の映画館の風物詩になっていた。
学校の課外授業の一環として映画鑑賞を薦めていた時代の一つの要因に、文部省推薦映画と言うのがあった。日本映画の子供向け作品では難病の話が多かったように思う。命の大切さをストレートに感じ取れるからだろう。ただし、私はそんな映画を軽蔑していた。お涙頂戴の作劇に心が揺すぶられるような純真さは無かった。そんな映画で優しい女の子は皆涙を流していたように思う。意外だったのは、普段は喧嘩好きで活発な男の子が泣いたこと。この時、人間というものは外見だけで判断してはいけないと悟った。ぶっきら棒で男気のある少年の繊細さ、難病映画よりこちらの方が私にはとても参考になった。映画を観た反応で、その人の普段見せないところが知れる面白さも、映画の楽しみであるだろう。

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Gustav