ジャッカルの日

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説・あらすじ

フランスのドゴール大統領暗殺を請け負った孤高の殺し屋ジャッカルと、彼を阻止しようとする警察の戦いをドキュメンタリータッチで描いた社会派サスペンス。フレデリック・フォーサイスの同名小説を原作に、「地上より永遠に」のフレッド・ジンネマン監督がメガホンをとった。1960年代、フランス。アルジェリアからのフランス撤退に反対する秘密組織OASは、数度にわたってドゴール大統領の暗殺を企てるが、ことごとく失敗する。取り締まりが厳しくなり弱体化したOASは最後の手段として、フランス当局には名前も顔も知られていない謎の殺し屋“ジャッカル”を雇う。不穏な動きを察知した当局は捜査を開始するが……。殺し屋ジャッカルを「遠すぎた橋」のエドワード・フォックス、ジャッカルを追う警視ルベルを「007 ムーンレイカー」のマイケル・ロンズデールが演じた。

1973年製作/142分/イギリス・フランス合作
原題または英題:The Day of the Jackal
配給:CIC
劇場公開日:1973年9月15日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第31回 ゴールデングローブ賞(1974年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 フレッド・ジンネマン
最優秀脚本賞 ケネス・ロス
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.0まさかの50年前

2025年2月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

緻密なようで偶然?!

男爵夫人との出会いも
狙い撃ちする場所を見つけたのも
行き当たりばったりの感はあるけれど、それを上手く逆手に取って計画の一部にしてしまう臨機応変さ

原作というか脚本の凄さを感じた

あの時代に『盛大』という言葉では表現出来ない程の式典を再現してしまう懐の深さ・スケールのデカさは半端ない
どれだけのエキストラを採用したのだろうか
どれだけの大金をつぎ込んだのだろうか

リメイク版の「ジャッカル」(アメリカ)とドラマ版の「ジャッカルの日」と本作

1つの原作で3つの年代の作品
その違いも楽しめるなんてそうそうないことだからワクワクする
特にパスポートの偽造と変装が面白い
蛇の道は蛇?
それぞれの道の職人が、その仕事を生業としていけるだけの需要と技能があったんだね

ゲイが集まるサウナがあの時代に堂々と存在してるなんて、驚きのフランス!
いや、納得のフランスとも言うべきか?
PARISオリンピックの開会式
橋の上でのパフォーマンスでも、ゲイパレードかと思った程
多様性を前面に押し出しすぎて引いちゃったが、そこはフランス
なにせ新首相もゲイとのことだしね

俳優たちは全く知らない人ばかりだけど、個性的でセクシー

最後はあっけなく打たれたし、
暗殺するタイミングはまだあったのに……

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映画イノッチ

5.0暗殺者の行動と警察側の行動

2024年10月29日
iPhoneアプリから投稿

それぞれたんたんと追っかける。
警察側では、イギリス警察がかんばっている。死亡届とパスポート申請を照合するあたり、さすが。
フランス警察も次第に追い詰めていくがあと一歩のところで追いつかない。

暗殺者は冷淡で利用した相手を容赦なく始末する。

閣僚達の家の電話の盗聴あたりは、さすがと思わせる。

一点、フランス人の勲章授与のときの所作を、暗殺者が知らないためうまくいかないというあるが、
世界を股にかけた暗殺者ならば、そこはおかしくないかな。

でも、名作の一つだと思う。

午後ロード録画視聴にて。何度目の鑑賞かな。

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myzkk

4.0実際の暗殺者たちも愛読した小説を映画化!

2024年3月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

『ジャッカルの日(The day of the jackal)』は、1997年『ジャッカル(The jackal)』として時代を置き換えた形でリメイクされた。
リメイク版はブルース・ウィリス、リチャード・ギアというキャストで期待されたがオリジナルは超えられなかった。

みなさんがレビューされている通り、原作はエドガー賞を受賞した同名小説だ。
私もご他聞に漏れず、映画を見た後に小説を読んだ。それくらい面白かったのだ。

wikipediaによると、製作のユニバーサル・スタジオは、ロバート・レッドフォードやジャック・ニコルソンをジャッカル役に配したかったようだが、監督のフレッド・ジンネマンはヨーロッパの俳優を起用することに執着した。

エドワード・フォックスが演じる暗殺者ジャッカルが、とにかく良いのだ。撮影当時は35〜36歳だったはず。
軍人役なども多数演じた彼は動作が機敏なだけでなく、デヴィッド・ボウイや市川雷蔵のように妖しい色気も醸し出している。後年見た『遠すぎた橋』では、この妖しさは封印されていたので、演技力だけでなく、脚本や撮影陣のチカラでもあるのだろう。

◆クルマ(アルファロメオ ジュリエッタ スパイダー!)の色を短時間で塗り替える、
◆パリ潜入のため、男爵夫人、同性愛者を利用した後に始末する、
◆従軍歴のある老兵に化けて式典に潜り込む

すべてのシーンが、暗殺者マニュアルになっていて、見ていて気を抜けない。

こんなに面白いのにもかかわらず、意外なことに?(笑)

アカデミー賞は編集賞のみノミネート(最優秀は『スティング』)。
同年の日本国内洋画配給収入ランキングで9位にすぎない(1位の『ポセイドン・アドベンチャー』は良しとして、リバイバルの『街の灯』、『十戒』より下位である)。

うっすらとした記憶だが、私も初見は映画館ではなく、テレビで見たと思う。
私のように、ただで見た人達(笑)が高く評価しているのだろう。

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Haihai

4.0【ド・ゴール大統領の暗殺を高額の礼金で企てる男と、仏蘭西の警視が対峙するドキュメンタリータッチの演出が秀逸な作品。仏蘭西政府の植民地アルジェリアへの対応の変遷を知っていると面白さが倍加する作品。】

2024年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

難しい

■それまで、植民地であるアルジェリアに対する想いを持った仏蘭西のOAS(秘密刑事組織)が、新しい大統領になったド・ゴール大統領のアルジェリアに対し、民族解放の姿勢を明確にしたド・ゴール大統領に対し、不満を募らせていく姿が、今作の背景にある。
 それは、序盤でド・ゴール大統領の暗殺に加担した元軍人が銃殺されるシーンで描かれる。
 因みに今作中でも語れるが、ド・ゴール大統領は就任中に6回の暗殺未遂事件に遭遇しているが、奇跡的に傷一つ追わずに任期を満期している方である。
 我が日本でも、元宰相が衆人の中、命を落とされた事を考えると奇跡的な事である。(深く、瞑目します。)
 だが、今作を観ると、名もなき仏蘭西警察の頑張りがあっての事だという事が良く分かる。

■1960年代のフランス。
 ド・ゴール政権に不満を持つ秘密軍事組織・OASは、大統領暗殺を目論むが失敗に終わってしまう。
 そこで、OASはすご腕の殺し屋・ジャッカル にド・ゴール暗殺を依頼する。
 フランス警察のルベル警視は、官邸の指示の元、この計画をいち早く察知し、万全の体を取る。

◆感想

・“ジャッカル”を演じたエドワード・フォックスも、ルベル警視を演じたミシェル・ロンズデールも当時は、無名の俳優だったそうである。

・だが、フレッド・ジンマネン監督はそれを逆手に取り、今作を見事な社会派サスペンス映画に仕上げている。

<実在したド・ゴール大統領を暗殺しようと狙う側とそれを阻止しようとする警察側の攻防を戦いドキュメンタリータッチで描いた逸品である。>

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NOBU