ジェルミナル

劇場公開日:

解説

フランス主義文学の巨匠エミール・ゾラの同名小説を「老人と子供」「愛と宿命の泉」のベテラン監督クロード・ベリが35億円という空前の製作費をかけて壮大に映画化したもの。19世紀末の北フランスの炭坑にやってきた若き機械工と、彼の生活を助けるユマ家族の苦悩に満ちた末路を、当時燃えさかった労働運動、ストライキを大きくフューチャーしながら描いている。主演のルノーは痛烈なメッセージ・ソングを発表し続けて国内で絶大な信頼を得るシンガーで、これが映画初主演。そのほか「ジョナスは2000年に25才になる」「夜よ、さようなら」の個性派女優ミュウ・ミュウ、「シラノ・ド・ベルジュラック」「ゴダールの決別」で今や現代フランス映画界を代表する俳優となったジェラール・ドパルデュー、「地下室のメロディー」のジャン・カルメら、豪華な演技陣が脇を固める。脚本はベリと彼の妹アルレット・ランマンとの共同。撮影は「インド夜想曲」「めぐり逢う朝」のイヴァ・アンジェロ。SFXには「バットマン」のデレク・メディングスが加わっている。

1993年製作/フランス
原題または英題:Germinal
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1994年11月3日

ストーリー

19世紀末の北フランス、モンスー炭坑。不況の嵐が吹き荒れ、町には失業者が溢れかえっている。この町に仕事を求めて元機械工のエチエンヌ・ランチエ(ルノー)がやってくる。労働者のリーダー格、マユ(ジェラール・ドパルデュー)は彼と意気投合して、彼に職と住居の世話をしてやる。そんなマユも老いた老父ボンヌモール(ジャン・カルメ)と7人の家族を抱えているために決して生活は楽ではなかった。そうした中で、長男や長女が成り行きとはいえ伴侶を得て独立していった。もっとも長女のカトリーヌ(ジュディット・アンリ)の方はほのかにランチエに恋心を抱いていたのだが: 。モンスー炭坑は落盤事故でマユの次男が負傷したことに対して労働者側にきわめて不誠実な対応をし、権利意識に燃える労働者たちはストライキに突入した。会社側はベルギーから移民労働者を受け入れてこれに対抗し、神経戦は長期化の様相を呈しはじめる。いつしかマユの妻マウード(ミュウ・ミュウ)がストライキの先頭に立っている。今や労働者たちは飢えと不安で極限状態。武力衝突が発生し、マユは軍隊の威嚇射撃を胸に受けて死ぬ。修羅場のあと、それでも支配人の娘の婚礼が華やかに執り行われた。やがて労働者たちはリーダーのランチエから離れて、仕事に戻っていく。闘争は敗北したのだ。ところがアナーキストの破戒工作のためにランチエとカトリーヌと彼女の別居中の夫シャヴァル(ジャン・ロジェ・ミロ)は一斉に生き埋めになってしまう。シャヴァルは捨て鉢になってカトリーヌを抱こうとするが、ランチエは彼を殺し、カトリーヌと結ばれる。しかし救助隊が2人を発見したとき、彼女の息はなかった。その頃、新婚の支配人の娘がマユ家を慰問に訪れると、ぼけているはずの老父ボンヌモールが彼女を殺害してしまう。数日後、町を離れようとするランチエは、生活のために再び炭坑で働くマウードとすれちがい、あんたのせいじゃないよ、と言われ、今度こそ勝ってみせるぞ、と決意を新たにする。空には4月の太陽が輝き、大地を暖め、種子が芽生えようとしていた。それは彼ら労働者の未来を予告するかすかな手応えとなっているように、ランチエには思えた。

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映画レビュー

4.0弱者に厳しい世の中、それでも・・・生きていく!

2012年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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Chemy

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